ショート小説『1時間で終わらせてって言ったよね?』※1985文字
「1時間で終わらせてって言ったよね?」
システムの保守チームに配属されて、部長から何度この言葉を聞いただろうか。
その言葉を聞くたびに、私の心を守っている壁のようなものに亀裂が入っていく。
この保守チームのリーダーは、システム部の部長が兼任している。
一般的に部長は現場作業をしない。が、今回のこの保守チームは、トラブルが重なって、部長自ら指揮を取ることになったのだ。
トラブル続きのチームに呼ばれたのは、私の能力が評価されたのか、たまたま前のプロジェクトが終わっただけだったのか、それは分からないが、私は燃えていた。
いや「プロジェクト」も燃えているけど、私の「気持ち」も燃えていた、ってこと。
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