「使いまわし」注意!あなたの大切な人をクロスコンタミネーションから守ろう
こんにちは!
その後、セクシー♪にお過ごしですか?
私は、相変わらずセクシー♪です。
当分セクシーな状況が続きそうですが「セクシー」という置き換え言葉のお陰で、お仕事を華麗にさばいている・・気分を味わえています!
(開口一番、「セクシー」ってどういうこと?はこちら↓)
さて。
食に厳しい宗教を信仰している人、ヴィーガンやベジタリアン、セリアック病やグルテン不耐症など「お食事の要件」を持つ人たちに、日本の食を思う存分楽しんでいただくためには、私たち受け入れる側も、知識を持っていた方が、十分な「お・も・て・な・し」ができるのではないかと思います。
そのために、前回は日本の食材・食品の注意ポイントをお話しました。
(「お食事の要件」ではNGな日本の食材・食品はこちら↓)
そして、もうひとつ。
と~っても注意しなければならないこととして、
クロスコンタミネーション(交差汚染)
があります。
いくら食材・食品に気を配ったとしても、クロスコンタミネーションが発生しているのであれば、元も子もありません。
今回は、「日常で起こりがちなクロスコンタミネーション」についてお話します。
※力が入りすぎて5,000文字・・と、長くなってしまいました(汗)
ムリせず、休み休みお読みください☆
クロスコンタミネーションって?
私の記事では、なんどもお伝えしている、クロスコンタミネーション。
クロスコンタミネーションは、日本語で「交差汚染」と言います。
たとえば料理をするときに、まな板や包丁など、おなじ調理器具を使うことにより、ナマのお魚やお肉を料理したときの菌や寄生虫が、そのあとに料理する野菜などの食材にうつって(交差して)、汚染されることをいいます。
この写真は、よくあるお料理シーンですが、見る人が見ると、
クロスコンタミネーション絶賛発生中!!
なんです。
このクロスコンタミネーション、菌や寄生虫防止だけではなくて、アレルギーの原因とも言われる場合があります。
まな板、包丁の使いまわしを例に、アレルギー以外での「お食事の要件」の観点で、クロスコンタミネーションの原因を挙げてみます。
● まな板の上で小麦粉をまぶした(セリアック病、グルテン不耐症)
● 豚肉を切った(イスラム教、ヒンドゥー教など)
● 肉類、魚介類を切った(ジャイナ教、ラスタファリアニズム、ヴィーガン、ベジタリアンなど)
クロスコンタミネーションは、宗教や、個人のポリシーによる「お食事の要件」にも影響しますが、健康に関する「お食事の要件」を持つ人たちにとっては、大げさな話でもなんでもなく、命にかかわる場合もあります。
このクロスコンタミネーションへの配慮は、私の知る限りは、日本の外食シーンでは、まだ十分に配慮されている・・とは言えない状況かと思います。
クロスコンタミネーションは、調理の過程で起こる可能性がもっとも高いのですのが、それだけではありません。
と、言ってもイメージしづらいと思いますので、具体的に、私たちの日常生活の場面を例にとって、一緒に確認していきましょう!
クロスコンタミネーションが起こり得る場面
私たちが日常生活では、それほど意識していませんが、クロスコンタミネーションが起こり得るシーンは、意外にどこにでもあります。
■ レストラン ■
クロスコンタミネーションが起こる確率が1番高いのは、調理場。
たとえば、イスラム教の人に対して調理をする場合、豚肉を調理したまな板や包丁、鍋などの調理器具は、使わないようにする配慮が必要です。
調理器具だけではなく、たとえば小麦粉が野菜の隣に置かれている場合、小麦粉の粉が舞って野菜に付着する可能性があるため、グルテンを摂取してはいけないセリアック病の人たちに対するクロスコンタミネーションが発生する可能性があります。
対処法の一例として、この写真のように、食材によって、まな板の色を変えるなどして、クロスコンタミネーションを防いでいます。
さらには、調理油が使いまわされている場合、油にもクロスコンタミネーションが起こり得ます。
前回、天ぷら、フライなどの揚げ物は「タネ」にグルテンが入っている可能性がありますよ~、とお伝えしましたが、仮にグルテンフリーの「タネ」を使っていたとしても、油や調理器具が配慮されていない場合、クロスコンタミネーションが発生し、せっかくのグルテンフリーの意味がなくなってしまいます。
そのため、セリアック病やグルテン不耐症を持つ人のためのガイドブックでは、安全に調理されていることが確認できない限り、たとえグルテンフリーの「タネ」を使っていたとしても、揚げ物を食べることは、避けた方が良い、と提案しています。
■ ビュッフェ ■
ビュッフェは、バラエティーに富んだ料理が並び、ワクワクしますよね?
料理の前に料理名を紹介するプレートだけではなく、最近では、「お食事の要件」に対応できるよう、ハラル、グルテンフリーなど、「お食事の要件」を持つ人たちも楽しめるような料理も登場しています。
お店側の思いやりのある対応に水を差したくはないのですが、ビュッフェも、クロスコンタミネーションが起こる可能性が高い場所だと言われています。
なぜなら、たとえ料理の食材や原料が、「お食事の要件」に従っていたとしても、そして調理過程でクロスコンタミネーションが発生しないよう、十分に配慮していたとしても、
人々が自分で配膳する
こと自体が、クロスコンタミネーションのリスクになるからです。
私たちがビュッフェで料理を選んでお皿に載せる時、基本的に目の前のトングやスプーンを利用しますが、特に混雑時などは、別の料理に使われるトングで目の前の料理を取り分ける人も出てくる場合があります。
また、目の前のトングを利用していた場合でも、クロスコンタミネーションが起こることがあります。
ん?どういうこと?
と、分かりにくいかと思いますので、
極端な例ですが、ご紹介します。
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あなたは、エビフライとメロンが大好物☆
ビュッフェでエビフライを何個か自分のお皿の上に取り、デザートにメロンも追加しようと、メロンが置いてあるところに向かいました。
あなたはメロンコーナーで、メロン専用のトングを使って、メロンをエビフライと同じお皿に盛りました。
その時、メロンのトングがエビフライのパン粉に触れました。
メロンの水分で、パン粉がメロンのトングにくっつきましたが、あなたは特の気に留めず、メロンのトングを元の場所に戻し、ご機嫌に席に戻りました。
あなたの後ろにいた人も、メロンが大好物☆
その人は、トングにパン粉が付いていることに気がつかず、あなたの使ったパン粉付きのトングを使って、メロンを自分のお皿に取りました。
この時、この人のお皿に取ったメロンに、トングから「パン粉が移動」したようですが、この人は、それに気がつかず、パン粉つきのメロンを完食しました。
でも、この人は、セリアック病でした・・。
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こういうことが起こらない・・とは言えません。
セリアック病の人がグルテンを摂取してしまうと、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
また、トング自体が十分に洗浄されていない場合も、クロスコンタミネーションが発生します。
普段の生活で、ビュッフェのトングに必要以上に神経質になることはないですが、あなたがセリアック病の人や、重篤なアレルギーを持つ人を「お・も・て・な・し」することになった場合、少なくともビュッフェにお連れすることは避けた方が良い、ということをご理解いただけたらと思います。
■ パン屋さん ■
パン屋さんでパンを買う時にも、トングを使って好きなパンを選び、トレイに取りますよね?
そしてパンは小麦を使った食べもの。
ですので、調理場だけではなく、トングとトレイ、さらにはパンの陳列棚にセリアック病の人にとってのクロスコンタミネーションが発生する場合がります。
調理場は、レストランと同じ理由、トングとトレイはビュッフェと同じ理由でクロスコンタミネーションが発生しますが、陳列棚は、どういった理由なのでしょう?
ほとんどのパンは、包装されずに棚に陳列されていますよね?
そのため、たとえグルテンフリーのパンを販売していたとしても、陳列棚でグルテンフリーのパンとグルテンの入ったパンが隣同士で陳列されている場合で、パン同士が触れた時に、クロスコンタミネーションが発生する、と言われています。
トングで取るスタイルのお惣菜やさんでも同様の理由でクロスコンタミネーションが発生する可能性があります。
■ お弁当・お惣菜屋さん ■
ニッポンの名物、ザ・弁当!
せっかく日本に来たからには、日本の色んな味が楽しめる、お弁当も食べてみたい、という海外の人たちも多いです。
また、ビジネスの場合は、気軽な「お・も・て・な・し」とミーティングを合体させ、時間を有効に使いましょう!ということで、ランチミーティングでお弁当を出す場合もあります。
ですが、ご想像の通り、お弁当も食材同士が触れ合うことで、クロスコンタミネーションが発生する場合があります。
また、お弁当の場合は、多くの種類の料理を、たくさん作ってたくさん販売するという効率性が重視されがちなことから、調理器具へのクロスコンタミネーションが考慮されないことも考えられます。
「お食事の要件」を持つ人たちに対しては、残念ですが、ザ・弁当は、避けた方が良い、とガイドブックでは紹介されています。
とは言え、たとえばお花見シーズンなど、外でサクラを見ながらピクニック気分でお弁当を食べることも、日本ならではの最高の体験のひとつ。
そんな時は、いっそのこと、自分でクロスコンタミネーションに配慮した、お弁当を作って「お・も・て・な・し」するのはいかがでしょう?
あなたの手作りお弁当が、あなたのゲストにとって、最高のプレゼント☆になる・・かも知れませんよ~ (^_-)-☆
■ カフェ・ファストフード ■
カフェでも注意が必要です。
最近では、ドリンクのカスタマイズができるカフェも多いですよね?
日本でも、ヴィーガンやベジタリアンの人たち向けのメニューが増えてきていますが、ヴィーガン、ベジタリアンの本来の意味の理解は、まだ十分とは言い切れません。
そのため、ヴィーガンメニューを提供するカフェで、豆乳を使ったドリンクに、動物性乳製品のホイップクリーム類がのっている・・という、ヴィーガン、ベジタリアンの人たちから見たら、
それって、ど~なの~?
と思ってしまうような、メニューが登場することがあるようです。
これはたとえば、(ステレオタイプ的ですが)アメリカ人がダイエットすると言って、ダイエットコーラを飲んでいるのを見て、私たちが
それって、ど~なの~?
と思うことに、似ているかも知れません。
■ アイスクリーム屋さん ■
これから暑くなりますが、アイスクリーム屋さんでも注意が必要です。
好きなフレーバーを選んでコーンやカップに盛ってもらいますが、この時に利用するスクープ(この図のように、アイスクリームをすくい取るスプーンの↓)に、クロスコンタミネーションの可能性があります。
たとえば、あなたがナッツアレルギーの人と一緒にアイスを食べることになったとき、ナッツがざくざくに入っているアイスをあなたがオーダーした場合、あなたのアイスを盛ったスクープと同じスクープを、ナッツアレルギーの人がオーダーしたアイスにも使うと、クロスコンタミネーションが発生します。
一般的に、スクープは、お客さんがオーダーしたアイスの種類が変わるたびに、毎回水につけて「洗浄」していますが、クロスコンタミネーションの観点から言うと、使いまわしではない、確実にクロスコンタミネーションが発生しない、「お食事の要件」を持つ人たち専用のスクープを使うのが理想です。
いかがでしたか?
「お食事の要件」を持つ人たちが、食材や食品を、十分に注意して選んだしても、クロスコンタミネーションで簡単にその選択が台無しになってしまう可能性があること、ご理解いただけましたでしょうか?
あなたも私も、いまの外食環境を変革することはできませんが、クロスコンタミネーションがどんなものかを理解しておくことで、「お食事の要件」を持つ人を守ることは、できそうですよね (^_-)-☆
そして、あなたがゲストをおもてなしすることになったら、役に立つ・・かも知れませんので、来たるべき日にそなえ、一気に参照できるよう、「お食事の要件」をマガジンにまとめておきますね☆
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