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【後編-1 仏教・キリスト教:タマネギやニンニクはなぜNG?】あなたの大切な人の「アイデンティティ」を守る「お食事の要件」
宗教の「お食事の要件」について、お届けしています。
本題に入る前に、前編のおさらいから始めます。
ここを抑えてから後編に入った方が、理解しやすいと思うので、少しだけお付き合いください☆
前編のおさらい
【前編】では、世界の宗教信仰者は総人口の83%を占めているということを、お伝えしました。
それだけ多くの人が寄り添っている、宗教への信仰心。
まさにそれは、その人のアイデンティティを形づくるものです。
宗教における「お食事の要件」は、その人の信仰心に対する、服従や自制心などを表します。
そのため、あなたのゲストが、なにかしらの宗教を信仰している場合、その人の信仰心とアイデンティティを、たとえ悪気がなかったとしても、むやみに傷つけることのないよう、私たちも
宗教に求められる「お食事の要件」を知っておく
ことは、大切なエチケットといえますよ~、とお話しました。
そして【前編】では、このふたつの基本を、ご紹介しました。
● 宗教にも「お食事の要件」があり、 それは宗教によって異なる
● 「クロス コンタミネーション」(交差汚染)にも注意!
(宗教における「お食事の要件」【前編】はこちら↓)
【後編】では、主だった宗教ごとの「お食事の要件」を、見ていきましょう。
今回の【後編】の記事で、すべての宗教を紹介すると、なが〜いなが〜い記事になってしまいますので、後編自体を数回に分けて、ご紹介します。
● 宗教や宗派は、あまりに多岐にわたるため、一般的な概要のみを、解説しています。
● 信仰の深さには個人差がありますので、必ずしもこちらの内容通りとは限りません。そのため、あなたのゲストの「お食事の要件」は、可能であればご本人や、ご本人と親しい人に、直接確認することをおススメします。
● それぞれの宗教・宗派がどういうものか、については、リンクから参照いただけますが、正確性を保証するものではありませんので、ご興味があれば、ご自身で調べてみてくださいね!
それでは、私たちに馴染みがある、仏教・キリスト教からスタート!です。
仏教
一般的に、仏教には、食べものに関する明確なルール・・たとえば特定の食品や料理を制限するものは、規定されていないようです。
仏教は、大乗仏教、小乗仏教、、テーラワーダ(上座部仏教)、密教など、さまざまな形態が、グローバルに存在していますし、さらに細分化した宗派も多数あります。
同じ仏教にカテゴライズされていても、食事の習慣は、それぞれの形態や宗派によって、ブッダの教えの解釈が異なっているようです。
私の周りには、国を問わず、いわゆる「仏教」を信仰している、人たちが多くいますが、彼らは食べものの好き嫌いこそあれ、信仰による「お食事の要件」は聞いたことがありません。
ですが、たとえば精進料理に代表されるように、動物の殺生を禁じている場合もあり、また修行という意味でも、菜食主義者の人も数多く存在しています。
■ 仏教における菜食主義 ■
仏教では、人や動物の命を奪うことを禁じており、この教えを「動物を食べてはいけない」という意味だと解釈している仏教徒の人もいます。
このような解釈を持つ仏教徒は、ラクト・ベジタリアン(乳菜食主義)としての食生活を送ります。
つまり、乳製品は口にしますが、卵、肉、魚は、口にしません。
■ 香りの強い野菜 ■
厳格な仏教徒は、ニンニク、タマネギ、ニラ、ネギ、エシャロットなどの強い香りのする野菜を消費することを避けます。
調理されたものを食べると、性欲を高め、生で食べると怒りを増幅させる、と考えられているようです。
■ アルコール類 ■
倫理的な教えとして、アルコールによる酩酊を禁止している場合があります。
キリスト教
キリスト教も、宗派によって、お食事の要件や習慣が異なりますが、一般的には、食事制限はありません。
私のヨーロッパのビジネスパートナーは、カトリックの人が多いですが、やはり「お食事の要件」は聞いたことがありません。
プロテスタントの人も同様です。
ただ、やはり個人の信仰や、一部の宗派では、お食事の要件があるようです。
■ カトリック ■
敬虔なカトリック教徒は、復活祭(イースター)の準備期間である、レント(四旬節)と呼ばれる期間(日曜日を含めない40日前の水曜日から始まる期間)に断食をします。
現在は完全に食事を断つというより、「食事を控える」形のようですが、肉は食べないようです。
余談ですが、現代らしく、この期間に
肉、お菓子、ソーダ、砂糖、チョコレート、タバコやアルコールだけではなく、薬物、習慣、皮肉、SNS、ツイッターなど
など、ジャンクフードや、現代のテクノロジーなどを、控える人たちもいるようです。
■ セブンスデー・アドベンチスト教会 ■
聖書主義に立つプロテスタントの教会と位置付けており、菜食主義を勧めています。
こちらの菜食主義は、先述した仏教で紹介したラクト・ベジタリアン(乳菜食主義)ではなく、ラクト・オボ・ベジタリアン(卵乳菜食主義)と、呼ばれています。
ラクト・オボ・ベジタリアンは、肉、魚は口にしませんが、卵と乳製品などの動物性食品は、口にします。
■ モルモン ■
モルモンの人たちは、厳格な健康法に従っています。
一般的に、ベジタリアンではないようですが、肉を食べることは、ごくわずかで、血の混じったものは避けます。
紅茶や緑茶など、カフェイン入りのお茶や清涼飲料水、コーヒー(コーヒーを使用した、ティラミスなどのデザートも含む)、アルコール類は飲まないので、牛乳や水、フルーツジュース、カフェインの含まれていない飲みものを、提供してあげましょう。
モルモン教では日曜日は休息の日と考えられているため,買い物や外食、遊びに行くこと、スポーツなどは禁止のようです。
※モルモンの人のように、ほかの宗教・宗派で、特定の曜日や日に、イベント・外出が禁じられていることがあります。
あなたがイベントを企画する場合は、この点も配慮してあげましょう。
いかがでしたか?
仏教とキリスト教は、どちらかというと、私たち日本人には、なじみのある宗教かも知れません。
とはいえ、世界中の人が信仰している、これらの宗教には、多くの宗派があり、そして宗派によって、「お食事の要件」があること、ご理解いただけたでしょうか?
次回は、ユダヤ教の「お食事の要件」をご紹介します。
そして、あなたがいつか、ゲストをおもてなしするときに、もしかしたら役に立つ日がくる・・かも知れませんので、来たるべき日にそなえ、一気に参照できるよう、「お食事の要件」をマガジンにまとめておきますね☆
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