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エッセイ・コラム・ショートショート等々

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2022年11月の記事一覧

【コラム】サクマ式ドロップスと火垂るの墓

【コラム】サクマ式ドロップスと火垂るの墓

サクマ式ドロップスで知られる佐久間製菓が2023年1月に廃業するとテレビのニュースが伝えた。
夜の風が草むらをざわつかせ、小池に波紋が広がった。
これは僕の心象風景。
蛍の朧気な光が一斉にふわりと舞い上がるようにいくつかの感情が込み上げてきた。
そんな幻想的な画が頭に浮かんだのも間違いなくジブリ映画の『火垂るの墓』からきている。

1988年に公開された高畑勲監督の作品。
これまでに数回は観た。

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大森慶宣展「自在」から無限の想像に出逢う

大森慶宣展「自在」から無限の想像に出逢う

あれから一年以上が経った。
(あれからとは大森慶宣さんの前回の個展からのことです。当時の記事も一応貼っておきます。)

たかが一年、されど一年。
会場までの道中、商店や標識、道路などの街の風景も変わったような気がする。
体感的には昨年の10月の方が寒かったような記憶だが空模様は相も変わらず北陸特有の仄白さに覆われていた。
私は楽しみに待っていた大森慶宣さんの個展「自在」を全身で感じるため西田幾多郎

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【エッセイ】さよなら、A面至上主義

【エッセイ】さよなら、A面至上主義

なんでこの曲をA面にしなかったのか…

この聞き覚えのある台詞はドラマや映画ではなく日常生活で古来より用いられていた。(大袈裟)

この台詞の持つ意味は意外と単純ではない。

なんでこの曲をA面にしなかったのか発言が起こる状況とは…
まずシンプルにB面の方が出来がよく魅力的だと発言者本人とその他大多数の意見が一致する時。
他にはA面では売れなかったがアルバム収録された後B面に火が点いて時間差でヒッ

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