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【メンタルクリニックの選び方】

【目次】
<はじめに>
<悪化の一途>
<検査>
<産業医の先生>
<心理カウンセラー>
<セカンドオピニオン>
<セカンドオピニオン探しから得た教訓>
<最後に>

<はじめに>

 この記事は私が2年程前に心を病んでしまいメンタルクリニックにかかりながらも病状が著しく悪化の一途を辿っていた頃、闇を彷徨う様な日々から回復傾向に持ち直せたセカンドオピニオン探しの成功体験の顛末を綴った回想録だ。

 現在メンタルクリニックに通っているが改善の傾向が見られない、またはこれからメンタルクリニックを探したいが多々ある中でどのような病院を主治医としていいかわからないと悩んでいる方の参考になれば幸いである。

 今回の成功体験から得たメンタルクリニック探しの中で大切にすべき気づきや教訓を時系列で、また体験した具体的な検査の名称や服用薬の名称を用いてその詳細を綴った。

 私が感じたそもそも一軒目に選ぶべきメンタルクリニックの特徴についても記している。本来であればセカンドオピニオンなど探さす事態に至らずに健やかに回復していくことが本来一番望ましいのだ。この記事を読んで下さった皆さんがその本来の道筋を私よりも合理的に見つける一助になれれば幸いである。

 尚、極めて個人的な病状の話や当時の具体的な処方内容、受けた検査名称が書かれていることもある為、敢えて有料記事とさせて頂くことをご容赦願いたい。全体で8000文字弱の記事となるが、私と同様の苦難と闘い、自身の本来生活を取り戻すことに真剣に向き合い取り組んでいる方々にのみ読んで頂きたい。

※価格については私のひと月の医療費(3割負担)を上回らない範囲内で改訂する可能性があることを予めご了承下さい。

※記事の中で服用薬は具体詳細を記していますが、病院の具体名や医師の個人名は伏せております。

※この記事は有料記事『メンタルがV字回復に向かった【心療内科の探し方】』の再編版です。少し読みやすく修正を入れたものです。前記事をご購入頂いた方は購入にご注意ください。

※ご購入頂いた方はご意見、ご感想などTwitterアカウントのDMを限定的に開放しておりますのでどうぞ。

<悪化の一途>

 きっかけはある日の夜、いつもの様に終電で家に帰り寝床についたものの朝までまったく眠れなくなったことからだった。

 ベッドに入ってもいつまで経っても目が覚めっぱなしで深夜2時になっても入眠ができなかった。体を休める必要はある為、じっと目を瞑ったり暗い天井を見つめたりしながらそのまま朝4時の記憶もあり、明け方5時ごろから記憶がおぼろげになる。1時間くらいは寝ていたのだろうか?これが睡眠障害の始まりだった。

 ベッドに入って目を瞑っても頭の中で仕事が仕事のことがぐるぐると渦を巻き続け考え続けることを止めることができなかった。深夜の夜空が白んでいくのをベッドの中から眺める夜が続いた。会社で私昇格して2ヵ月目の出来事だった。業務量も倍を超える量に急増したひと月を駆け抜けたあとだったのだ。

 眠れなかった次の日は当然のごとく日中意識がぼやけ仕事の効率が大幅に落ちた。そのまま一週間ほど眠れない夜に悩まされ週末に会社の最寄りのメンタルクリニックの門を叩くことになった。Aメンタルクリニックというところだった。

 AメンタルクリニックのO医師の診断はストレス性の睡眠障害(不眠症)と言う診断で初心では睡眠導入剤が処方された。

 その後状況が改善されない日々が続き、初診から1ヶ月経った頃、適応障害の診断が下された。私の人生最大の心の病との闘病の始まりだった。

闘病の中で最も辛かったのはこの初期の頃の処方薬の副作用との闘いである。当時の処方薬の具体的な内容をここに記す。

・朝、昼 
イフェクサーSRカプセル37.5mg×4錠(1日量)
・就寝前
トラゾドン塩酸塩錠25mg×1錠
ゾルピデム酒石酸塩錠5mg×2錠

 最初のうちはどの薬の副作用が出ているのかはわからない。その間は、とにかく医師の指導に従って薬を飲み続けるしかなく、副作用に対してはただただ耐えるのみだった。会社の仕事をこなしながら、時には仕事中にデスクからトイレに駆け込んで嘔吐してしまったり、回転性目眩から階段で転倒してしまうといったようなこと度々起きた。

 当時直属の上司意外にはこのことを明かしていなかったので、脂汗を流しながらも部の同僚には気づかれない様平静を装い続けながら苦痛と闘った。

 当時の副作用と悪化している体調からくる症状は羅列すると以下のようなものだ。

 ・回転性目眩
 ・反応速度の低下
 ・記憶障害
 ・吐気
 ・嘔吐
 ・発汗
 ・脱力
 ・悪感
 ・震え
 ・不安感
 ・強迫観念
 ・希死念慮

 服用薬の説明書に書いてある副作用や精神疾患の説明に書いてありそうな症状のオンパレード状態であった。 その後の話だが、一緒に仕事をしていた同僚には流石に異常はバレていた様だ。それもそうである。これほどの副作用を素知らぬ顔で隠し切ったとしたらそれこそ常人の成せる技ではないだろう。

 Aメンタルクリニックで隔週の診察の中で副作用の辛さを訴えながら、最終的にはイフェクサーに主な原因があのではないとなり、処方からイフェクサーが排除されていった。しかし全ての症状が消えることはなく、服用、通院、自己管理や生活習慣の改善など闘病を続けるも体調や症状は回復をするどころかただひたすらに悪化の一途を辿っていた。

 そして今度は次第に睡眠薬の効きが悪くなり、睡眠薬が追加されるようになっていった。イフェクサー排除後の具体的な処方は以下の通りだ。

・就寝前
ベンザリン錠5mg×2錠
トラゾドン塩酸塩錠25mg×1錠
ゾルピデム酒石酸塩錠5mg×2錠

 睡眠薬が追加された後顕著に現れたのは記憶障害だった。それまでも記憶が飛ぶことは度々だったのだが当時の体感で、短期記憶が全くできなくなっていた。(これについてはその後セカンドオピニオンにかかった際の作業療法士による認知機能検査で著しく落ちている記憶力の詳細が判明する。)
 吐気や悪感、震えとの闘いが終わった後は記憶障害との闘いが始まった。

※この記憶障害との闘いの詳細やその中での工夫は他のnoteの無料記事で詳細を記している。もし同様の症状と闘っている読者がいたらそちらも併せて読んで頂ければ闘病の一助となるだろう。

<検査>

 不眠症発症から9ヶ月目、Aメンタルクリニックの治療に不信感を抱いてしまっていた私はセカンドオピニオン探しを決心する。他に診察を受けられるBメンタルクリニックところを探した。最新の治療の研究に力を入れているところだった。

 Bメンタルクリニックではまず最初に「光トポグラフィー検査」という検査を受けたのだがこの検査は驚くべきものだった。脳の血流を測定し数値化、グラフ化をすること脳で起きていることを見える化し、鬱症状の種類を判別するというものだった。保険外診療の自費負担になる検査であった。

 検査自体は当然初めて体験するかたちで行われた。電極が沢山出ているヘッドギアを被り、カードを見せられそれに答えたりなどの作業を行い、対応によっての脳の変化を測定するというものだった。

 検査終了後しばらく待合室で待った後、検査結果の数値とグラフを下に診察に入った。医師は大変丁寧に検査結果のグラフが何を示しているかをわかりやすく解説してくれた。

 しかし、その診断結果はショックなものであった。Aメンタルクリニックで受けている診断は不自然であることの指摘。更にBメンタルクリニックの医師としての所見はAメンタルクリニックとは異なった診断内容であった。適応障害ではないというのだ。そもそも半年を経ても治っていない時点で、その悪化状況は適応障害と呼ぶ範囲は超えてしまっている状態にあるとの所見だった。

 そして、診断結果は双極性障害2型というものであった。所為、躁鬱病と言われるものだ。そして現在Aメンタルクリニックで処方されている内容は医師曰く鬱病の為の処方だとのこと。躁鬱病患者に鬱病患者の為の処方をしたら悪化して当然だとの所見を頂いた。それこそ頭を殴られたような衝撃を受けた。

 Bメンタルクリニックは脳に磁気を当てる治療法を行っていることが特徴の病院だった。診察後、受付で、保健外治療となる事、60万円の治療費がかかることの説明が淡々となされた。即断即決はできずに治療についての説明のパンフレットをもらって帰路についた。

 ここで先に記しておくが、受けた当初は信頼性を計りかねていたこの光トポグラフィー検査だが、その後のセカンドオピニオン曰く最先端すぎて保健適用が追いついていないが学会研究資料からは信頼性に足る検査であることが医師としての所見であった。決して怪しいものではなかった。

<産業医>

 私は60万円のパンフレットを持ち帰り、治療を受けるかどうか悩んでいた。払うことは可能だ。だが一晩落ち着いて考えを巡らせていくと、そもそも仕事による過労が原因で体調を崩している。60万円ものコストを年間の収入から引くことを考えると、働いていることの意味そのものに影響が出かねない金額である。

 そうこうしているうちに体調について会社と定期的に共有する為の上司と人事との面談の日が訪れた。面談の場で治療を受けるか悩んでいることを会社に伝えたら人事部からストップがかかった。そんなことになっているとは思っていなかったと驚いた様子で、グループ企業のために設置されている産業医の診療室に相談にいく指示を受けた。
 社のグループ全体を包括しており、グループ会社の仲間は上の人ほど、みな過去にどこかでお世話になっている昔から当社グループを見守ってくださっていた産業医の先生だとのことだった。

 産業医の先生との面談の日は、診察室のフロアまで人事部の方が同行してくれた。とても穏やかで話しやすい先生であった。9ヶ月間の出来事を順を追って先生に説明した。先生は静かに私の話に耳を傾けてくれた。質疑応答も含めて一時間ほど話しただろうか。先生から今後の説明を受けた。
 グループ企業を包括しているホールディングス付きの診察室だと、直接特定のメンタルクリニックを勧めることができないとのことだった。診察室で同じ仕事仲間が鉢合わせしてしまうという至極納得の理由からであった。

 そこで外部の提携している心理カウンセラーを産業医経由で紹介してもらいその心理カウンセラーからセカンドオピニオンに最適なメンタルクリニックを紹介してもらうことになった。心理カウンセリング会社の上の方に産業医の先生から予め話を通しておいてくれたのでスムーズにカウンセリングを受けることができた。

 この記事で伝えたいひとつの重要な点であるが、会社員にとっては産業医ほど頼もしいものはない。正直それまで体が頑丈だった私の産業医への印象は、残業時間が一定量をオーバーするごとに多忙な中でも面談の義務化が課せられる煙たい存在であった。しかし、いざ自分が心の病を患ってしまって初めてそのありがたさと頼もしさを身を持って実感したのである。

 藁にもすがる思いになることなどないのだ。灯台下暗しの様に藁どころかしっかりとした救命浮き輪のように頼もしい産業医の先生がメール一本で相談に乗ってくれる距離にいるのだ。心の病に苦心していて産業医の先生に相談がまだできていない会社員の方々は是非ともすぐに相談をしにいくべきである。

<心理カウンセラー>

 心理カウンセラーの先生は母親くらいの年齢の臨床心理士の先生であった。一度心理カウンセラーの先生で失敗していた経験があった。同じくらいの歳の若い心理カウンセラーの先生で完璧主義的な指導が肌に会わず、足が遠のいていた。そのような経験から、最初は母親とさして変わらない歳の心理カウンセラーさんにはビジネスマンである私の気持ちをどこまでわかってもらえるのだろうという不安を抱いた。

 しかし、何事も進めてみなければわからないし、今回は良質なカウンセリングを受けるというより経験豊富なカウンセラーの先生から信頼に足るメンタルクリニックを紹介してもらうということが主目的である。
 先入観に囚われず向き合えば良い結果が待っているのではないかと考えカウンセリングを受け始めた。

 期待はすこし角度が違う方向で叶えられるかたちとなった。2回目のカウンセリングの際、臨床心理士さんはメモを持っていた。前回にお伝えしていた私の処方内容を調べ尽くしてくれていたのだ。
 処方箋の中のベンザリン5mg×2錠というのが気になるというのだ。半減期が28時間の薬なので24時間ピッチで飲み続けると依存性が出てくるものだとのことだった。

 結局その臨床心理士さんも私が現在処方を受けているAメンタルクリニックに変わるセカンドオピニオンの診察の必要性を認めてくれて、カウンセラーの間でも評判のいいCメンタルクリニックを紹介してくださった。心理カウンセリング会社の方から話も通していて下さり、これもまたスムーズに繋がっていった。

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