見出し画像

大腸内視鏡(大腸カメラ)に、AIを活用!患者さんの心理的負担や病院の業務を減らすー。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

大腸の病気では、過敏性腸症候群(IBS)や、難病の潰瘍性大腸炎などかあり、また大腸の中では、臓器の中に生息する多彩な細菌群「腸内細菌叢」がいることで、食べ物を吸収する上でも、とても大事な臓器の1つです。

大腸の検査は、心理的な負担や身体の負担も多いと聞きますが、AIを取り入れようという取り組みが、今あります。

兵庫県朝来市にある大植病院で精神が専門の中村洪一医師は、担当する患者さんを円滑に大腸の治療しようと、オリジナルの工夫でAIを診察に導入しました。その大腸の検査にAIの導入を知った北海道札幌市にある北海道大学病院の研究グループが中村医師に声をかけ、AIを活用した診断システムを共同開発しました。

大腸内視鏡(大腸カメラ)の検査前処置に関連するシステムとなり、病院側の負担が大きく軽減されるということです。元々交流のなかった大植病院と北海道大学病院の両者が、この様な経緯を辿り、新しい医療技術を開発するのは異例中の異例で、中村医師は「今回の共同開発は、とても光栄なことでした」と喜びました。

今回は共同開発された、大腸の検査のAIについて発信していきます。

大植病院と北海道大学病院の共同開発のAI詳細。

大腸の内視鏡検査(大腸カメラ)は、腸内に便などが残っていたら、粘膜の細部の撮影が難しく、検査を受ける前に腸内を空にする必要があります。内視鏡検査(大腸カメラ)を受ける人は当日、下剤を服用し何度か排せつしなくてはなりません。便がおおよそ透明になったのを看護師たちが確認してから内視鏡検査(大腸カメラ)にようやく移れます。

内視鏡検査(大腸カメラ)をするには、看護師たちの業務への負担は大きく、北海道大学病院光学医療診療部の小野尚子准教授は内視鏡検査(大腸カメラ)の業務の効率化を模索していました。

そして、中村医師が勤務する大植病院は、認知症などの高齢患者が多く入院しています。2019年、入院患者さんの床ずれを撮影し、その画像を解析してAIに重症度を判定させるシステムを開発して診療に活かしていました。

インターネットで、そのAI活用の実践を伝える新聞記事をたまたま、小野准教授の目に留まりました。内視鏡検査(大腸カメラ)を行う前処置にこのAI応用できれば、患者さんも簡単にできて、業務も効率化できると思い、すぐさま中村医師に連絡を取ってAI共同開発の相談を持ちかけました。

中村医師は消化器科系の勤務経験もあって、小野准教授の意図をすぐ汲み取り、快諾しました。2022年春から大腸の画像をAIに学習させる実験を繰り返して行いながら精度を上げ、ほぼ半年をかけて、内視鏡検査(大腸カメラ)用のAIを完成しました。

参考:大腸検査にAI活用、スタッフや患者の負担軽く 朝来の医師と北大病院が新システム 神戸新聞NEXT(2023年)

新しいシステムは、内視鏡検査(大腸カメラ)の受検者がスマホのカメラで自分の便を撮影し、LINEで送信します。AIが画像から内視鏡検査(大腸カメラ)を行う前処置の「完了」「未完了」を数秒で判定し、返信する仕組みとなっています。

看護師たちは内視鏡検査(大腸カメラ)にかかる時間、業務が軽減でき、トイレで受検者と関わる機会が減少し、患者さんにとっても、自分の便を看護師たちに見られるという心理的負担も消えました。

今後の展望

北海道大学病院はこれから、内視鏡検査(大腸カメラ)のAI実用化を目指し、双方の病院での共同研究を予定しています。小野准教授は、「AIは医師が診断の補完で利用するケースはありますが、患者さんも理由可能な便利な技術が開発できました。中村さんのご協力に本当に感謝しています」と笑みを見せました。

中村医師は、この内視鏡検査(大腸カメラ)のAIシステムが実用化が進むと、大腸カメラでのがん検診の促進にも繋がると期待を込めます。「大学病院との共同開発は初めてのことでとても驚かされましたが、町の病院の活動を評価して頂き、大変嬉しく感じています」と述べました。

この様にAIが開発されたことで、大腸の検査をする病院と、検査を受ける患者さん側の双方に、負担を減らすことができました。

町の病院が最初に始めたことですが、これから大腸の検査には、このAIが活用される日も近そうですね。


この記事が参加している募集

ライターの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?