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Étincelle

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白い靄が揺蕩う目の前を、一筋の、スパーク。
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紫電改

モラトリアムが火花、閃光であることを誰も教えてくれなかった

大水と、強風を抜けた先に待つものはなにか
デブリと一筋に揺蕩う過去
empty(husk)をそれが押し固めている

いくつかの両義性
陰惨と赤は混ざることなく、肺を起点として循環していく 

げんえいしがすすむ

成りたくない者、失いたくない費途
さいわいを、尊大に

げんえいしがすすむ

循環する虚構とアフォリズム
ぺたぺたとリンパ腺

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supply

クロロプラストが赤と青を反射し緑色に染まる。

肴は日光、いい加減です。
Sprout、私は毎日、人を待っております。誰とも、わからぬ人をぽつねんと。
ぼんやりと改札口を見ているのです。

上り下りの電車がホームに到着するごとに、たくさんの人が電車の戸口から吐き出され、一様に怒っているような顔をして、定期券を出したり、時間に駆け出したり、そうして思い思いの方向に散って行く。

私は、ただぼんやりで

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スーパーの電灯と鯖

 片目が潰れた野良猫が喉を鳴らす。相変わらずの佇まいで、軽薄さとは何かを私に教えてくれる。
 「ハロー」
 ピクリとヒゲを動かす。退屈そうに煙草の煙をたった一つの目で追いかけた。薄桃色の皮膚が露わになった腹。禿げていて寄生虫が食った跡が見える。本当にどうしょうもない奴だ。
 残った惣菜をあげたあの日から、奴は此処を寝床にしている。どってりと重い油とヤニ臭いスーパーの裏側で、寛げる場所を見つけたみた

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炸裂

コンバンワ
寄リ添ウ処モナク蜻蛉ノ迷路

芒ノ外套ニ包ンダ肉体ハ、ビンクビクント脈ヲ打ツ。
スキトオル赫、腹ニ桔梗。

秋ハ夏ノ焼ケ残リサ。
飛ンダナパームノ焼ケ残リサ。

煌ク夏ニ秋ガ来ル。夏ト一緒ニヤッテ来ル。

コンバンワ
寄リ添ウ処モナク蜻蛉ノ迷路
逞シキが故ニナム死ナズアリヌル。

光を絶つ

モラトリアムが火花、閃光である事を誰も教えてくれなかった。

teenagerとして与えられた赦しは、進む往来が凸凹するからってその穴埋めをする時間だったなんて。
本当に誰も教えてくれなかった。

目の前の勉学に励み、励み
目の前の企画に励み、励み

突き進んだ末は凸凹道で
その場凌ぎで暗渠に入り浸っては
don't U θink? i 罠 B ...と嘯く。

折れた角を振り翳す、幻影肢
何か一

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