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  • 余白3日

    すれ違う小学生を、呪った。

  • 翠と蚯蚓 |詩集

    「翠と蚯蚓」 中身は在学中から社会人2年目の間につくったものです。 どうか、よろしくお願いします。

  • Étincelle

    白い靄が揺蕩う目の前を、一筋の、スパーク。

最近の記事

身罷ることを吉として

身罷ることを吉として、 赤い、赤い掌を空に透かす。 大衡の原にぐでん 今は、諾諾碰のペースメイカー 身罷ることを吉として、 青い、青い唇を鏡に映す。 如月の北上にさぶん 今は、けったいなアリズミア 僕らは喜び、悲しみ、眠くなり、倒れる。 私達は愉悦を愁傷し、寝被り、事切れる。 homeostasisから浮いたり沈んだり 弛張を繰り返して、寛大に厳格に生きている。 生まれて落ちて、死んでゆく。 遠回りでも、なんとなく、なんとなく。 I was born,〇〇 I wa

    • 気色の悪い創作はやめろ

      気色の悪い創作はやめろ。 自戒である。何度も読め。 自身の生み出した創作物に陶酔するのはまだ良い事だ。しかし、自己陶酔的に判別を下すことをやめろ。 物を知らぬ人だ。 判ることは少なく、罷ることのない奴だ。 芸術の花浮かべたる小川の流れの起伏を知らない。 花筏も知らないような人間と言葉を交わして楽しいか? 舞台芸術には触れている。 しかし、詩がなんたるかは学んだのか。 いつまでその貯金は下ろせるのか。 聞こえのいいリズム感に誤魔化しに、コレがうちの看板商品ですよとでも言いた

      • 矛盾

        矛を持って、私の前に現れないでください。 その鋒が私の頬を掠め、裂傷を生じさせても フィブリンがせっせこせっせこ働くだけで 私の気持ちはちっとも変わらないのです。 地が揺れ、雷雨が降り、業火に見舞われても そんなものはフイと窒素を吹けばなんともないことなのです。 あなたはその矛で多くの武勲を立てたことでしょう。 サラセン軍との戦い? モンジョワ? 大変結構でございます。 敵を薙ぎ、味方を増やしました。 しかし、あなたは私に致命傷は与えられないでしょう。 私には盾がありま

        • 蠢動

          大気がいそいそとし汗ばみ、草と土を濡らす頃。 その汗を乾かしてやろうと太陽は照らす。 蠢動。 遠い校舎から合唱を風が運ぶ。 あゝ、しずかだしずかだ。 巡り巡ってやってきた今年の春だ。 外に目を移すと電信柱。 雲、雀が並んでいる。 照明の紐が揺れた。 蠢動。 大腿をくすぐる風が凪ぎ、私は呆けてしまう。 茶色い猫が顎振り向けてぶきっちょに 一つのゴムボールを転がしている、 一つのゴムボールを転がして、見ている。

        身罷ることを吉として

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        • 余白3日
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        記事

          どんぐりボックス

          さっきのさっき、箱をもらった 開かないふた、知らない中身 僕はこれをどんぐりボックス、 名前をつけて一緒に遊ぶ コロコロコロコロコロロコロ 振ると音出るどんぐりボックス コロコロコロコロコロロコロ 君は誰だいどんぐりボックス 僕のこの箱どんぐりボックス 名前をつけてしまっておいた 先程私は箱を見つけた 開かない蓋、知らない中身 私はこれをダストボックス、 邪魔だと思い、捨てた コロコロコロ 動かすたびに音が出る コロコロコロロ 気味が悪いぞこの箱は ある日私は思い出

          どんぐりボックス

          秋の道

          帰りたい 帰ろうか 雲のもくもく朱に光って これ食べる? 今いらない 鳶色絨毯、じゃくじゃく鳴らして あれがいい はいどうぞ これはどう? 興味ない オレンジ濡らした帰り道には 雲も落ち葉も照れに照られて 僕の血となり支援する 手 うん 近づきすぎてわかること 寒空の下でわかること

          in the train all over the world

          泥舟 有効 有明 星の巡礼 もう中学生 不思議 不思議 無駄な特技 全部の所ジョージ 車の中に豆がある。拾いに行こう。 阿部さん、なんで言えないんですか?  送辞をね、僕は君らに送りたくないんだ。 呟くとね、全部が無になる気がするんだ。 汚れている大仏が見ているぞ。君を。

          in the train all over the world

          姦しさ、汀

          私ナンテト思フ時、空ヲ駈ケルハ負ノ電磁 私ナンカト思フ時、鉛ノ海ハ病犬小屋二 夜ノ小道二仮面ガ剥ガレ、私ヲ私ト思ワナイ 黒二昨日ヲ仕舞イタイケレド、アナタハ私ヲ思ワナイ 口先ダケノ人道主義ガ、アル 汚レトハンケチヲ一緒二包ミ 今日モ私ハ汀二イル

          姦しさ、汀

          スーパーの電灯と鯖

           片目が潰れた野良猫が喉を鳴らす。相変わらずの佇まいで、軽薄さとは何かを私に教えてくれる。  「ハロー」  ピクリとヒゲを動かす。退屈そうに煙草の煙をたった一つの目で追いかけた。薄桃色の皮膚が露わになった腹。禿げていて寄生虫が食った跡が見える。本当にどうしょうもない奴だ。  残った惣菜をあげたあの日から、奴は此処を寝床にしている。どってりと重い油とヤニ臭いスーパーの裏側で、寛げる場所を見つけたみたいだ。  「仕方ないな」  また餌をやる。残った惣菜、今日は揚げた鯖だ。仕方ない

          スーパーの電灯と鯖

          光を絶つ

          モラトリアムが火花、閃光である事を誰も教えてくれなかった。 teenagerとして与えられた赦しは、進む往来が凸凹するからってその穴埋めをする時間だったなんて。 本当に誰も教えてくれなかった。 目の前の勉学に励み、励み 目の前の企画に励み、励み 突き進んだ末は凸凹道で その場凌ぎで暗渠に入り浸っては don't U θink? i 罠 B ...と嘯く。 折れた角を振り翳す、幻影肢 何か一つでも最後までやり遂げたものってあったっけ? 形に残したものってあったっけ? 凸

          光を絶つ

          supply

          クロロプラストが赤と青を反射し緑色に染まる。 肴は日光、いい加減です。 Sprout、私は毎日、人を待っております。誰とも、わからぬ人をぽつねんと。 ぼんやりと改札口を見ているのです。 上り下りの電車がホームに到着するごとに、たくさんの人が電車の戸口から吐き出され、一様に怒っているような顔をして、定期券を出したり、時間に駆け出したり、そうして思い思いの方向に散って行く。 私は、ただぼんやりです。誰かがひとり、笑って私に声を掛ける。ああ、こわい。うう、困る。どきどきする。

          呵責

          私に良心などはジャコウネズミ程もなく、あるのは防衛機制だけである。 100年前にはもう、一般に啓かれている事実だ。 事実、シノニムは理学であるが、それは逃げ場を与えず、従来の人間社会を黙々と鏖殺していく。 新たなる事実は搔痒となり搔爬を要するが、それが普遍化する後はその世界観で生活をする他ない。 我々にできることは、名をつけられた理学由来の横暴を紆曲に解釈し身に馴染ませ、堅苦しい四畳半に区切られた真四角の空を眺める事なのだろうか。 才能は羨ましがられるものだ。真四角の狭さ

          炸裂

          コンバンワ 寄リ添ウ処モナク蜻蛉ノ迷路 芒ノ外套ニ包ンダ肉体ハ、ビンクビクント脈ヲ打ツ。 スキトオル赫、腹ニ桔梗。 秋ハ夏ノ焼ケ残リサ。 飛ンダナパームノ焼ケ残リサ。 煌ク夏ニ秋ガ来ル。夏ト一緒ニヤッテ来ル。 コンバンワ 寄リ添ウ処モナク蜻蛉ノ迷路 逞シキが故ニナム死ナズアリヌル。

          抽象中傷

          咳き込んだ拍子に病死する母 「おおきに」なんて笑顔でもうじき固まる 郷里は遠く、帳尻を合わせながら帰ってきたと同時に ほっそいほっそい緊張感と戦っている 釣りは好きだ。 病気のように、毎日のように足繁く通った。 小うるさい母も「もういい」と酒。自暴自棄になった。 葬式はどんぶりな勘定 多くの人が来た。 「こーいつらは誰だ」と父。 知らない人は数。席数と同値でなくては。 そこいらに投げ捨てる背景止まんない 情緒の常駐を望む途中に早急に要請を頼む 死、死、死 不審死の

          抽象中傷

          紫電改 第四稿

          モラトリアムが火花、閃光であることを誰も教えてくれなかった 大水と、強風を抜けた先に待つものはなにか デブリと一筋に揺蕩う過去 empty(husk)をそれが押し固めている いくつかの両義性 陰惨と赤は混ざることなく 肺を起点として循環していく  幻影肢が進む 舌が回る 虚構とアフォリズム ぺたぺたとリンパ腺に貼られていく げんえいしが進む 成りたくない者、失いたくない費途 さいわいを、尊大に げんえいしがすすんだ先で 果たして、果たして 似合っているか、胸懐

          紫電改 第四稿

          夜の電線が軒より聳え立つ

          夜の電線が軒より聳え立つ