*さぁ、種採りしましょうか。
私の種採りバイブル、「岩崎さんちの種子採り家庭菜園」
今は残念ながら、販売されていないようである。
野菜にまつわるエッセイや、種採り方法、
栽培歴などが載っており、
初心者だった頃の私はこの本を読んで
種採りの意欲を沸かせたものである。
種採り、と言っても野菜を放ったらかしにしていたら
種ができるというわけでもなく、
ちゃんと種を採る時期というものがあって、
横着な私はよく失敗をする。
適期に採れなかった種は、
鞘が弾けて中の種が飛んでしまっていたり、
雨に当たってカビカビになっていたり。
キュウリの種採りは私の中で一番難しく、
お腹を開くのが少し早いと種が未熟だし、
お腹を開くのが少し遅いと母体の中ですでに発芽していたり・・。
幾度となく失敗してきた。
キュウリ以外でも、繋いできた種を絶やしてしまう事だって幾度となくある。
せっかくウチの畑で何年も育ち、
ウチの畑になじんできたこの野菜たちを絶やしてしまうなんて、
もうちょっと気を引き締めてやればいいのに・・
我ながら呆れかえるのであるが、
しかしそんなときのために、と多めに採ってある種を
ちゃっかり冷蔵庫で大切に保管しているのだ。
種は、ちゃんと保管されていれば、5年、6年と
土に蒔いてくれるのを待ってくれているのだ。
すごいなぁ~。
種はいつも有り余るほどたくさん採れるけれど、
家庭菜園の畑で必要な種の数なんてたかが知れている。
けれど、種採り失敗歴の多い私には、
沢山の種があっても、ちょうどいいのだ。
もし、失敗しても、「また来年も育てることができる。」という
安心感は偉大なものだ。
お金がなくても不安にならなくなったのに、
今は種がないと不安である・・。
*大根の種を採る
冬野菜である大根は、2月半ばに塔立ちし始め、
花を咲かせて受粉し、種を膨らませ始める。
そして、種がからからに乾いて完成するのが7月頃。
そしてまた9月頃に種を蒔く。
約10か月の命のなかで、種に費やす時間は約5か月。
大根様、お疲れさまです、今年もよろしくお願いしますね。
*人参の種を採る
家庭菜園を始めてから、様々な人参を育ててみた。
黒田五寸、子安三寸、イエロー人参にパープル人参、
沖縄島人参は黄色、色の白いマルーシュカ人参・・
ウチのような広めの家庭菜園では、それらが交配し、
色とりどりの人参に変化した。
マーブル人参、レインボー人参・・
もう、訳が分からなくなったので、いいかげん種を更新した・・。
人参の種を採るなら、1種類に絞るか、場所を離さなければいけない。
もしくは、花の時期をずらすか、だ。
花は、切り戻すとまた下の方から咲いてくる。
他の品種と花の時期が同じであるなら、
片方の品種の花を切り戻し、花の時期をずらして交配を避けた。
ま、1種類に絞ればいいだけのことなのだけれど、
欲張りだからそれもできないのだ。
人参の種が採れる時期は、もう次の種蒔き時期でもあるので、
そのまま畑に蒔きたいのであるが、
人参の種は一旦休眠するため、採った種をそのまますぐ蒔いても
発芽しにくい。
一度、冷蔵庫に1週間くらい入れて「休眠打破!」を忘れずに。
そんなことを知らなかった頃のズボラな私は、
この種となったばかりの房を畝の上でしごきながらばら撒いた。
当然、発芽はまばらバラバラ・・・
自然に休眠打破された種が遅れて芽を出し、
間引くのが大変・・という失態をするのだった・・。
*その他、秋冬野菜の種を採る。
実エンドウ久留米豊
4月の終わりごろに収穫時期を向かえ、
そのまま熟して乾いてから収穫する。
実エンドウとして食べきれなくても、
乾燥した豆として保存し、甘く炊いてうぐいす豆としても楽しむのも好きだ。
パンに入れたり、パウンドケーキに入れたりと。
そら豆ポポロ
そら豆も、エンドウ豆と同じく、収穫時期をすぎて、
カラカラに乾燥してから種として収穫する。
そちらも時期が遅れると、梅雨時ということもあって、
鞘の中でカビやすい。
春菊
麦
六条大麦やもち麦の禾(のぎ)は鋭く、
軍手も貫通してくるから、手でしごくのは針地獄に入るようなもの
である。
よーく乾燥させておいて、袋に入れて、木槌でたたき、
循環式の精米機で圧をかけずに回したり、
水洗いでごみを浮かせて除いたり、
唐箕でごみを飛ばしたり・・。
少々手間のかかる作業ではあるけれど、
夏の麦茶をガブガブ飲んだり、
もち麦ご飯にしてもちもちプチプチ触感のご飯を楽しんだり、
醤油を仕込んだり、小麦のおやつを作ったり、
日常に少しの豊かさが加わり
あぁ、暑い中やってよかったな、と自己満足の世界に入れるから
辞められない。
つづく・・・
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