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with グリーフ⑯「ふところから猫」(父親の生きた時代)

ごきげんよう🍒アカチェリーナ4世です🤙🏻👈🏻


【ご注意】
今回の話は
犬や猫が大好きな人は読まない方がいいかもしれない…
…です🐕🐈


タイトルの猫は
↑ね↓こ
じゃなくて
↓ね↑こ
って発音します
ぬか、と同じイントネーションです笑
(亀じゃなくて、甕🏺のが近いかも)

北海道弁の訛りが強い人がこういう風によく言います
私のところはばあちゃんも父親もこう言ってた影響で
私もこう発音します笑


はじまり~


戦後間もない
北海道の芦別という町で
農家の息子として育った父親は
近所に住む親友Oさんと仲良し
中学生になった2人は…



ある日の中学校からの帰り道

所属している野球チームの練習の後で
ジャージ姿の父親とOさんが
学校から自転車で帰っている時


ある分かれ道に差し掛かった時
父親が急に一度も行ったことのない
方の道を指さして


「知ってるか?この道は
あさいがわ につながってるらしいぞ」
(父親は旭川のことを『あさひかわ』、じゃなくて『あさいがわ』って発音するの)

と言い出し

「このまま あさいがわ まで行ってみるか」
とさらに言うと
自転車をいつも帰る方向じゃない道へと
走らせ始めたそうです

Oさんは「急にそんな遠く行くの?」
と慌てたそうですが
おもしろそうだったので着いていくことに


お読みの皆さんから
距離感がわからんぞ!
というツッコミが入りそうなので笑

芦別ー旭川
は、現在の整備された道でも
自転車で3時間、徒歩で10時間かかる距離です笑
(Googleマップ調べ)

東京駅から八王子駅
青森駅から弘前駅
大阪駅から京都駅

の距離です
(Googleマップ調べ)

思いつきで行く距離じゃない


今みたいに道が整備されている時代じゃないから
石だらけでゴツゴツとして走りにくく
道には背の高い草がもうもうと生い茂り

前が見えない状態で
自転車を走らせることになったそうです

Oさんはその背の高い草によって
1度父親を見失ってしまったそうですが
しばらく走っていると
再び合流でき


合流した父親のジャージの上着が
なぜかさっきまでと変わって
こんもり膨らんでいて

何かと思い見てみたら
首の所から猫が顔を出してびっくりしたそう

そこからはにゃーにゃーと服の中から音を出しながら
中学生の二人と新入りの一匹は
自転車で走っていきました

(なんか微笑ましくてこのエピソード大好き)

この少年2人(と猫)尊い…✨
想像だけど、父親「こぉれ、かっちゃくな」(こら、引っ掻くな)
って猫に話しかけたりしたんでないかな


そしてだんだんと日が暮れてきて
これはマズいぞ、とOさんは思い始めます

今の様に街灯があるわけでなく
夜になると一面まっくらけになります

このまま暗くなってしまったら
今自分たちがどこにいるのかも
分からなくなってしまい
家に帰ることができなくなる可能性がある

「おい、そろそろ引き返すべ」
とOさんは父親に言い

引き返そうと思った所で
自分たちがどの方向からきたのか
さっぱりわからんく
なってしまったことに気づきました


闇雲に走って
ついに日が暮れてしまった…



私がそれで結局どうなったのかと聞くと
Oさんは懐かしい昔を目の前に見るように
遠い目をしてニコニコ笑いながら

「偶然、トラックが通りがかって、自転車と一緒に荷台に載っけてもらって
それで家に帰ってきたのさ〜」


しばらく走ると草の茂みのない
土でできた道路らしき道があったそうです
父親とOさんはそこを
自転車を押して歩いていたところ

トラックのヘッドライトの光が
2人を後ろから照らし

蜘蛛の糸、天の助け
とばかりにおーいおーいと手を振り
無事にトラックに乗せてもらうことができた訳です

トラックの運転手は
こんな遅い時間に子供がこんな所を歩いてるなんて
と心配してくれたのでしょう
快く乗せてもらえたそうです

乗っけてもらえてえがったね


帰りの道で
「旭川まで自転車で行こうとした」
と話すと

「旭川はいがったな!したけど、まだ半分も来でねぇよ」
と笑われたそうです

(この「○○はいがった(良かった)な」
というニュアンスを伝えるのが難しいんですが
いい所だよね、的な意味ではなくて

すごい大きな目標を立てた時に
すごいね、でも無理だろよ
ってちょっと小馬鹿にしつつも
可愛いこと言うな
みたいな時に使うイメージ)

今の時代じゃ
知らない人の車に乗るなんて
考えられないですよね
誘拐とか色んな怖い想像が出ちゃいますけど

戦後すぐの復興の時代ですから
みんなで声かけあって
助け合って生きていたんだろうな
(しみじみ)


そして大冒険の代償として
Oさんは親にこっぴどくしかられたそうですが
父親は両親ともに特にお咎めもなく
(無口で穏やかな両親だったらしい)

腹の中からニャーニャー声がするまま
帰っていったらしい笑

ちなみに、父親の家では
父親がよく動物を拾ってきては

いつのまにか父の父親(祖父)に
夕食にされてしまうということが多く
恐らくこの猫も
しばらくして夕食にされたと思われます😱

農家は野菜はあっても
肉類が手に入りにくかったらしく
タンパク質不足を補うために食べてたっぽい

私がまだ小さい時
父親は、自分のペットとして可愛がってた
外飼いの赤犬が
学校から帰ってきたら鍋になってて悲しかったなぁって
話をしてくれました

(特に赤犬はおいしかった
猫はそんなにおいしくなかった
って言ってました
どんな味だったんだろう…)

←下書き段階 完成→
←挑戦的な表情の猫

これは戦後すぐの食糧難の時代の話で
私の父親は私が生まれたとき
すでに老人に片足を突っ込んだ年齢だったので

父親の子供時代というのは
とても古い話だと一応注釈をしておきたい

今これをやると法律で罰せられるので…
(犬猫好きの皆さんごめんね)



おまけ トラック🚚全体絵


*********巻末CM**********
昔カエルを食べたことはある
(とり肉にそっくりだったよ)
アカチェリーナ4世ですが

真面目な面もあってですね
普段はシンガーソングライターとして
『辛い気持ちを口にだして伝えていくことで
皆で自分の辛い気持ちを言えるようになろう』と
いうメッセージを発信しています

公式HPにたくさん自分の気持ちを載せているので
見に行ってみよう

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