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「上海ロックダウン」と「米中戦争」の関係とは?

どこまでエスカレートするのか、「上海ロックダウン」をめぐる大混乱。住民が警察や党の幹部に抗議をする動画が、中国のSNSに次々アップされては即座に削除されているが、ある動画の中での警察官の発言に、私は、あまりの違和感に自分の耳を疑った。何度も聞き直したが、確かに次のように言っている・・・

抗議する市民の女性と揉み合いになった警官が、女性の顔に人差し指を突きつけてこう大声で怒鳴るのだ・・・

"你们再这样闹下去,我们中国没希望了,要跟美国打仗了,你知道吧?你们还是这样子,没希望没没办法。现在只有共产党就能救中国了…"

【大体の意味】
「お前たち、ずっとこんなことやってたら、われわれの中国にはもう希望がなくなってしまうんだぞ。もしアメリカと戦争したら、わかるか、お前たちずっとこんな調子だったら、どうしようもなくなってしまうんだ。今は共産党しか中国を救えないんだよ。」

ん、ん!? ロックダウンと、米国との戦争に何の関係があるのだろう?

中国社会を変えるのは、いつも南からなのか、いや、もうただ単に限界を通り越しているだけなのか、上海では人々が声を上げ始めている。この警官の言葉が、中国社会を代表しているわけでもなんでもないことは百も承知だ。ここだけ面白おかしく切り取って全体をわかったように語るつもりもない。しかし、”教え”があるから、教科書通りに信念を持ち、使命を感じて行動する人は必ず出てくる。

そして、今この発言を聞いて、「なんじゃそりゃ」と違和感を持つ人も、いざ渦の中に巻き込まれると、どうなるかわからない。

そして、これは中国だけの問題ではない。我々を含めて、世界中どこでも、この警官のようになってしまう人は少なからず、いや結構出てくると思う。

危機を煽られた時、空気が変になった時、自分はどこまで冷静でいられるだろう。

「ロックダウン」と「米中戦争」を真剣に結びつけるこの警官のような人が、目の前に現れたら、自分はどう行動できるだろう。

色々考えさせられた一言だった。



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