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「ゼロコロナ」「ウィズコロナ」--英語・中国語では?


ショッキングな動画をきっかけに


もう二度と見たくない衝撃的な動画だった。

「ゼロコロナ」政策で厳しいロックダウンが行われている中国・西安で、ある夜、陰性証明が無い妊婦さんが受診を拒否され、病院の外で流血。死産だった。

家族が撮ってSNSに載せたこの動画を見て全国から批判の声が殺到。この他にも心臓病のお年寄りが診療拒否で死亡するケースも明らかになり、全国で怒りが渦巻いた。

これにより、衛生当局の責任者が謝罪に追い込まれる事態に。

家の玄関を外から封鎖され食糧も買い出しに行けないほどの厳しさは、現地の人からも聞いていたが、それを耐える中でのこうした事態に市民がどう感じるかは、当局とて容易に分かるようで、メディアもやたら、この病院が悪かった、監督する地方当局も処分を受ける、と伝える。

ゼロコロナの為のロックダウン政策自体への批判が高まらないように、ガス抜きをしようとしている印象も受ける。

当局責任者が「頭を下げる」インパクト


ちなみに、下記の記事は、西安の衛生当局の責任者が「頭を下げて謝罪をした!」と強調している。

日本の不祥事の謝罪会見での、偉い人のお辞儀は、色々思うところがある。日本では実際の責任の取り方云々よりも、まずはきちんと頭を下げて謝ることを、当然のごとく要求する風潮もあり、ある意味“集団リンチ“のような現象も時に起きる。

しかし、中国においては、普通頭を文字通り下げることは、もっと大きな意味を持つ。特に地位のある人、要職にある人は。

当局の会見は、普通は「偉そう」だ。私もかつて会見で中国の記者が拍手したのを見て驚いたことがある。その偉い人が頭を下げるとなると、そのインパクトは大きい。

ちなみに、頭を下げる動作は、
鞠躬(jūgōng=ジュィゴぉーん)と言う。


网易のサイトより
网易のサイトより


この「頭を下げた」謝罪は、Googleで検索しても、中国メディアの動画がずらーっと出てくる。

それにしてもこの主任の“鞠躬(jūgōng)”、ビデオで見ると、日本的な尺度で言うと、頭の下げ方が不十分だし、下げた後の姿勢をキープする時間が短すぎる。慣れないことを嫌々ささっとやった感じで、日本ならば大炎上して、逆効果かもしれない。

中国ではどう受け止められているのだろう。さっき見たCCTVと上海の東方衛視のニュースでも、このお詫びのニュースをトップで取り扱っていたが。


この話は、ここまで。

今日は「ゼロコロナ」、さらに「ウィズコロナ」を、英語と中国語で何と言うか。

「ゼロコロナ」
英 "zero-COVID" policy
中 新冠病毒"清零"政策

メディアでは、このような表現が多い。
「清零」は、qīnglíng=チィんリィん、と発音。

住民の強制隔離などの観点から話す時は、「社会面清零」とも。

では、日本でよく言われる「ウィズコロナ」は、どうだろう?

そもそも、和製英語っぽい響きだと思っていたが、ネイティブに聞いてみたら、やはりそうだという。

「ウィズコロナ」
英 living with COVID-19, living with the virusなど
中 与新冠病毒共存

いずれにせよ、和製英語の「ウィズコロナ」のように、名詞としてスパッとは言いにくそうだ。

ちなみに、さきほどの「清零」。もともと、「リセット」の意味もある。つまり”全てゼロにする”ということだ。

そもそも「ゼロ」って・・・

「清零政策」が科学的にどうなのかは知らない。しかし、ウィルスも人も、そう簡単に「リセット」できないし、嫌だから、邪魔だから、といって全部不都合な物(者)を消し去り、「ゼロ」にすることは、できない。

それを無理やりやろうとする時に、変なことが起きるし、もし起きなかったら、さらに歪みがたまっていく。

世界中どこでも、また国家であろうが、個人であろうが、人間が起こす問題は、大体そんな原理で起きるんじゃないかなと、思わされたのだった。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

AJ 😄

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