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夏休み。そうだ、福島行こう。 ① 青い太平洋とアイスと

8月初旬、夏休みが始まった。関西に何日か帰る前に1日予定が空いている。日帰りでもどこかに行きたい。この感覚が、バカンスが取れない日本人ならではなのかもしれないが、仕方ない。やはり普段行けないところに、少しでもいきたい。でも、どこに行こう? 

実は10年あまりずっと行きたくて行っていない場所があった。
それは、福島。といっても、福島第一原子力発電所の周辺のことだ。

東日本大震災の津波被災地は、何箇所も訪れた。しかし、メルトダウンで世界中にその名を知られることになった福島第一原発の周辺、「浜通り」と呼ばれる地域は、震災の前も後も全く行ったことがない。

福島の原発から電気をもらっているとはつゆ知らず、震災の前から、首都東京で電力を何も気にせず使ってきた。震災後も、容易には近づけないことを理由に、福島第一周辺を少しでも見に行ってみることはしなかった。しかし、ずっと何か気持ちの悪い状態が続いていたのだった。

そうだ、今こそ行ってみよう。規制はどの程度あるかわからないが、行けるところまで行ってみようじゃないか。何か感じ取るだけでもいい。ということで、行き当たりばったりの日帰りでの駆け足旅行に行くことになった。

まずは東京駅から常磐線の特急ひたちに乗車。
(車内で聞いた不思議なアナウンスについての記事はこちら↓)

常磐線は普段全然乗らない。なので、こんなちょっとした小旅行でも何かわくわくする。都心から走って、茨城県に入るとすぐに田園風景が広がってきた。


ひたちの手前から、遠くに海が見えてくる。嬉しい。太平洋だ。いよいよ、福島県浜通りに入るのか。

途中、日立駅を通るが、ここは、ガラス張りの駅舎から海が綺麗に見える駅として、フォトスポットとして知られているらしい。今回は時間がないが、今度一度早朝に撮影に来てみたい。

そして、東京を出ておよそ2時間半で、いわき駅に到着。

いわき市は、駅前から見ると、思っていた以上に大きそうだ。調べてみると人口は35万人で福島県最大の都市だと。知らなかった。県庁所在地の福島市や郡山市が最大ではないのか。さらに、東北では仙台市についで二番目に人口が多いとは!これはちょっと驚き。

さっそく、駅前の駐車場で、会員になっているカーシェアサービスで車を借りた。このカーシェア、やっぱり便利だ。事前に借りる駐車場をスマホで予約しておけば、すぐに乗ることができる。ガソリン価格高騰のこの時代、給油代がタダであることの魅力も大きい。

国道6号線を北上していく。

「東日本大震災 津波浸水区間ここから」の看板。緊張する。

国道6号線をさらに北上していくと、楢葉町、富岡町、福島第一がまたがっている大熊町と双葉町、さらに浪江町、と続いていくことになる。

楢葉町では、天神岬に寄ってみた。いつも私がこだわっている大好きな、「スパーンッ!と開けた」風景が広がっていた。太平洋!爽快だ。

前にもご紹介したが、青の微妙な色合いが本当に美しい。

しかし、太平洋を見ながら、右に、つまり南に首を振ると・・・
えっ?福島第一?かと思いきや・・・違った。広野火力発電所だそうだ。

ここもまた東北電力ではない。東京電力と中部電力が合同出資したJERAという会社の運営だという。この発電所も3・11で津波の被害を受けたとのこと。福島浜通りに並ぶ首都圏の電力供給源が軒並み被災したわけか。

この天神岬に立ち寄った理由があった。
それはアイスクリーム。

同僚で仲の良いカメラマンが、福島第一の廃炉に関する長期取材の際に拠点にしていた宿泊施設がここにあるのだが、その前にあるアイス屋がうまくて忘れられないと。今回この辺に行ってみることを彼に話すと「アイス絶対食べてみて!」と。おっさん同士でもアイスの話で盛り上がる。私は甘党なので、なおさらだ。

色々なフレーバーがあるが、ゴマと焼き芋を注文。いやあ、確かに美味!ミルクが濃厚なり。こりゃ確かに立ち寄る価値はあった。

この天神岬は、青い海を見下ろす崖の上に広大な緑地が広がっていて、公園として整備されている。本来は原発のことなんか考えもせずに、純粋に青い太平洋を見ながらアイスでも食べて、緑地で体を動かしたり、ごろごろしたりする、そんな気持ちのよい場所だ。

おっと、日帰り旅行でもう午後なので、本当に時間がない。
この後は、実は今回の主な目的地に定めた東京電力の「廃炉資料館」へ向かう。

福島第一には全然近づけないだろうと思ったので、最低でもこの資料館を見たいと思ったのだ。廃炉について、私は何も知識がない。まずは、廃炉についての基礎知識を勉強し、東電が我々に対してどう説明をしようとしているのかを知りたいと思ったのだった。

しばらくして、富岡町の廃炉資料館に到着。

それは国道6号線沿いにあるのに、実は道に迷ってしまった。
それもそのはず、「廃炉資料館」という名前から想像する建物とは、ほど遠い外観だったからだ。

な、なんなんだ。このメルヘンな建物は?

説明によると、元々、この近くにある福島「第二」原発の理解を促進し、地元と交流するための「エネルギー館」として1988建てられたそうだ。アインシュタイン、キュリー夫人、エジソンの生家がモデルの外観だというが・・・?

よくわからない。
まあ、入ってみよう。
「廃炉資料館」の中は・・・また次回に。

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きょうも最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 AJ 😀

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