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「JRロシア語案内板騒動」の不気味さ

数日前のあのニュースが、まだ引っかかっている。---JR東日本が、恵比寿駅のロシア語の案内板について、ロシアのウクライナ侵略後、乗客からの「不快だ」の声を受けて「調整中」と書かれた紙で覆い隠したものの、批判を受けてまた元の状態に戻した---という、あのニュースだ。

やはり直ぐに浮かんだのは、戦時中に、英語は「敵性語」だとして、滑稽ささえ伴う、日本語へのかなり苦しい言い換えが真面目に行われ、野球でもストライクが「よし!」アウトが「だめ!」になった、などと伝えられている話。

ほぼ同じレベルのことが戦後80年近い日本で起きるとは、正直思わなかった。

最近は、「ハングルの看板は果たして必要か」という論争があると聞いて驚いたこともあったので、そういう発想の人はいるとは想像がつくが、日本を代表する公共交通機関が、「不快」の声を受けただけでそういう決定をするとは、本当に驚いた。

その後、批判を受けてまた看板を隠すのを止めるというオチがつき、「ダメダメなJR」という形で落ち着いているように見えるが、私にはそういう問題ではなく、どうしても得体の知れない不気味さが残ってしかたがない。

最近、企業や公共団体は、このような感じのクレームをこれまで以上に必要以上に恐れていないだろうか。今回の判断も、政治的スタンスとは関係なく、よく考えれば不適切なことがわかるだろうに、こういうことが起こってしまう。それが、いつか例えば「お上」の意向と結びついた時は、普通に考えれば変で滑稽でさえあることが、真面目な雰囲気の中で起き得るのではないかと、感じてしまったのだ。

このロシア語案内板を巡る騒動。私はしっかりと覚えておこうと思う。

私が、日本を好きで、異文化にも興味があり、さらに世界と堂々と渡り合いたいと思うからこそ、色んな語学を学びたいと思う気持ちと、ある意味全く逆の発想のものだと感じるから。

ところで、この恥ずかしいニュースが世界に広まってたりしていないだろうなと思って調べたら、英語の記事は、日本の英文メディアと、それを引用する海外メディアがちょこっと見つかった程度で、正直ホッとした。


では、中国語では、どうだろう?

ネットを見る限りでは、台湾の通信社が日本のメディアの引用の形で伝えているのと、中国のSNSで紹介している人を少し見つけられただけで、こちらも、少しホッとした。

この記事のタイトルはこんな感じ。

俄侵烏引不滿 日本車站一度遮擋俄語標示遭批歧視
(ロシアのウクライナ軍事侵攻で引き起こされた不満で、日本の鉄道駅のロシア語の表示板が一度覆い隠され、差別との批判を受ける)

それにしても、これを見て改めて思うのは、日本語だとこれだけの量になる意味が、中国語はたった20文字程度で表現できるんだなあ、ということ。
表意文字の漢字はやはり、すごい! 

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ここで少し勉強を。

俄は、
「俄罗斯=eluosi=オールオスー=ロシア」の略。

烏は、
「乌克兰=wukelan=ウークォーラン=ウクライナ」の略。

なので、「俄侵は、ロシアがウクライナに軍事侵攻したこと。

参考までに、これは台湾のメディアだからで、中国はこうは表現しません。

冲突(e wu chogtu=オーウー チョォントゥー=ロシアとウクライナの衝突)

・・・と表現されています。
ロシアの一方的な侵略ではなく、両国の軍事衝突なんだと言わんばかりに・・・😮‍💨

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今日も最後まで読んでいただき、

Спасибо большое!


(スパシーバ・バリショーイエ
=Thank you very much!)

いつかは知り合いのロシア人と、ロシア語でウクライナ戦争を議論できるようになりたい・・AJ 😄でした。

(注: この記事では、特定の国や職業を一括りにした批判はしたくないと思っていますので、よろしくお願いします)







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