「きみは、きっとまだ、夏にいるのよ」
スーパーで買っておいたシュークリムの甘さで、舌の根がおぼつかなくなった。
甘さ控えめのもので、ぼくはそれが好きで、味も変わっていなかったのだけど。
口の中で、舌を動かしてみても、なんだか変な感じがした。
どうぞ、と手渡すと、齧った瞬間から、アルネは頬を緩ませた。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
考えてみれば、コーヒーを飲んでも、頭がはっきりしないのは、おかしな話だ。
カフェインレスは、その名の通りだけど、いつもは、それ以外のものを飲んでいる。
決して、量