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赤裸々に記載してしまって照、だが思い出のための記録。🔥マッチングアプリ奮闘録🔥

「最近、キスした?」
そう言ってわたしの頭に手をまわし、顔を近づけてきた。

ばか濡れた。


①はじまり

ようやく職場でのコロナ騒動がおさまりつつあり
マッチングアプリ活動を再開してみた。

彼とはかなり前からやりとりはしていた。

タイミングが合わなかったのと
世の中の感染状況を踏まえ、しばらくしてから会うことになる。

単調なプロフィール。
堂々と載せる顔写真。
すぐに会おうというお誘い。

単なる近所の飲み友達探しか、
結局のやりもく野郎な気がしたため
約束当日、どうにも面倒臭くなる。

それでもドタキャンは流石にだめだろうと
なんとか準備をし、待ち合わせの場所に向かう。

店を調べてくれていたらしく、
近くの居酒屋に向かう。

怪しげな細い路地をすすむ。
廃れた暖簾がかかる、小さな引き戸。
初見ではなかなか入ることのないような外観。
めちゃくちゃ地元密着型の居酒屋。

なかに入ると2組が座れる座敷と、4人が座れるカウンターがあった。

常連客しか来ないような雰囲気で
どきどきしながら座敷に案内される。

とりあえずビールを注文し、乾杯。
当たり障りないような会話をしながら自己紹介がすすむ。

会う前のやりとりの中で、建築系の仕事をしている、現場で。
とのことだったため
学歴の高くない適当なやつかと思っていたが
めちゃくちゃちゃんとした人だった。

そこそこの大学で、しっかり大学生をしていた。
いわゆる陽キャのサークルに所属し
代表を務め、先輩後輩とうまく関係性を築いていた。

バイト先でも他大の学生と仲良くし、
そこで彼女もつくったり。

ちゃんと大学生をしていた。

そして今も、しっかり社会人をしていて。
なんとなく下に見てしまっていたが
全然違った。
(そもそも社会的立ち位置でひとを見下すなよって話)

実際会ってみないとわからないもんだなと思う。
アプリ歴何年目だよってな。



話題なくなってきたなーというタイミングでトイレに行った。
戻ってくると、彼が他のお客さんと仲良くなっていた。

隣のテーブルにいた、仕事帰りのサラリーマンお二人。
どのような経緯でそうなったのかはわからないが
なんだか盛り上がっていた。

よくわからないまま話に混ざってみる。
おもしろい反応は絶対にできていなくて
本当にコミュニケーション力皆無だなと悲しくなったが
とりあえず楽しかった。

「おふたりはどういう関係なの」と問われ気まずかった。
まだなんの関係にもなっていないのだから。


サラリーマンたちが帰ったあとも、店長さんと話す。
そのころわたしは酔いが回って気持ち悪くて
このまま寝たいな、なんて考えながら
けれども話は盛り上がっているから
とりあえずニコニコしていた。

彼がめちゃくちゃ話をしていたのだが
とても相づち上手。
さすが、陽キャなだけあるな。社会性が高い。


なんだかんだで日付が変わろうとしていて
閉店時間もゆうに過ぎていて、おいとまする。

また来てね、ここで会おう
なんて言葉をかけられたが
きっと彼にだけ向けた言葉なんだろうなと思う。
わたしも第一印象でおもしろい人になりたい。
人と容易に仲良くなりたい。すぐに心を開けるようになりたい。



②部屋で

店を出て、帰路に着く。
ふたり同じ方向に歩いていく。

ここが家だよ、と前の建物を指差す。
時間も時間なので、今日はそのまま帰ろうと思っていたが
部屋に上がらせていただく流れとなる。

とってもおしゃれな彼だったから
インテリアもこだわりにこだわっているのかと思ったが普通に荒れていた。
少し安心する。
きれいに片付いていて、めちゃくちゃお金をかけていて
すべて完璧だったら、緊張してしまう。
対等に接することができなくなる。
こちとら陰キャなもんで。


なんやかんやと話をし
それなりに盛り上がる。

過去の恋愛の話をする。
元カノの話をする。
元カレの話を聞かれる。
話すことがないため濁す。

「彼氏は長いこといないですね~。」


気づいたらわたしの座るソファの隣に彼が座っていた。
肩に手をまわしてくる。

こうなりゃもうこれからの展開は予想が着く。

今日は帰ろう。何かあってもなくてもどっちでもいいけれど
別にわたしの気分も盛り上がっていないから、帰ろう。

そう思っていたのだが、
冒頭に戻る。




わたしの頭を押さえ、
「最近キスした?」そう問うてくる。

帰ろうの気持ちが固まっていたから、拒んでみる。
それでも男の人の力には敵わない。

身体に触れられる。
「もうだめだ」
ニヤニヤしながら、テンションの上がった声で言う。

ばか興奮した。
一気に鳥肌が立つ。


なんだろう、
ことがはじまる瞬間が好き。
余裕のなさげな言動が好き。
オスになったのを感じて、わたしのスイッチも入る。


服を脱がされ
ベッドに連れていかれる。
どろどろだったらしい。
きついらしい。
時折つぶやくその言葉に さらに興奮が加速する。


会ったとき、話をしている時はそこまで思わなかったのに、
めちゃくちゃかっこよく見えた。
わたしに対して彼が興奮している事実に、喜びを隠せない。

また会いたい、
そう思っているのは彼のことが好きだからだろうか。
それとも
カーストの異なる陽キャに、こじらせ陰キャのわたしが認められたという承認欲求を求めているのだろうか。※


「またね」
そう言って別れたが、次はあるのだろうか。
もはやセフレでもなんでもいいから
末長く仲良くしてほしい。






※マッチングアプリにおける承認欲求についてはこちら


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