ロシア東欧はヨーロッパの東南アジア
➀『文明の生態史観』
梅棹忠夫は、西欧と東欧の関係と東アジア(東北アジア)と東南アジアの関係との間に共通のものを見出している。おそらくこの比較は正しい。ただ梅棹は日本を特別視し過ぎているきらいがあり、その点には同意できないが。
梅棹氏の図にある日本のところを東アジア(東北アジア)に書換えれば、この図は合っている。
➁ では、ロシア東欧がヨーロッパの東南アジアだとすると、対応する国はそれぞれどうなるであろうか。
(1)東スラブ3カ国(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)に当たるのは、マレー系3カ国(インドネシア、フィリピン、マレーシア)であろう。
ロシアはヨーロッパのインドネシアと言ってよい。ロシア、インドネシアはともに現在、地域大国である。(インドネシアは人口が2億8000万人、ASEANの盟主)インドネシアは発展すれば、国際社会におけるプレゼンスはかなり大きくなることが予想される。
中規模国のウクライナはヨーロッパのフィリピンである。そして、小国のベラルーシはヨーロッパのマレーシアということになるだろう。したがって、ウクライナ戦争は、アジアで言えば、インドネシアがフィリピンを侵略しているようなものだ。
(2)東欧の範囲は時代によって変遷しており、ポーランド、ハンガリー、チェコなどは東欧というより中欧と呼ぶべきなのかもしれないが、国連の分類では東欧になっているので、ここでは東欧にしておく。では、これらの国に当たるのは東南アジアのどこであろうか。
ポーランド、ハンガリー、チェコはいずれもロシアの支配を受けた歴史を持つが、宗教的にはカトリックで西欧の国と同じである。東南アジアではベトナムが儒教国になったり、漢字を使用した時代があったことを考えると、この3カ国に近いと言えるかもしれない。
(3)また、ブルガリアやルーマニアのように、東欧というより東南欧と呼んだ方がよい国も、国連では東欧に分類されているが、今まで挙げていない東南アジアの国(タイ、ミャンマーなど)が該当するだろう。
本当は、もう少し詳細に検討すれば、中国の少数民族を含めた比較も出来ると思うが、大雑把な比較をしてみた。
別の機会に西欧と東アジア(東北アジア)の比較もしてみたいと思う
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