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すべての偶然を愛している・・・6

こんにちは、精神障害ピアサポート専門員愛音です
今回の偶然がなかったら、いま私はどこでなにをしているのか?
それではゆっくりとお伝えしていきますね
6はちょっと長いので休み休みどうぞ


・ピアサポーター、なにそれ?

B型作業所では個別支援計画というものを立てる面談があります
なにを目標にして、それがどれくらい達成できたか
また達成するにはどんなことに力を入れようか、など

この年の個別支援計画作成の面談をした際
きっかけは忘れたのですが自分の過去の夢を話しました
「小4から心理カウンセラーを目指していたんです
 だけどすっかりお世話になる側にいます(笑)」
笑い話で終わるはずが・・・
愛音さんの話し方、聞き方、間の取り方はカウンセラー向きだと思ってる
 それに不思議なんだけど愛音さんと話すとお腹の子がすごく動くのよ

いろいろとびっくりしたので一つずつ解説しますね

個別支援計画を作成するのは作業職員のI先生などではなく、ワーカーさんです
このような面談の時くらいしか私の場合会うことがなかったんです
それなのに私の話し方などに興味を持って下さったことに驚いたのがまず一つ

次に過去の夢を話したのに、それをまるで今でも応援してくれるように伝えてくれたこと
プレッシャーに弱い子とか、褒めることで逆効果な子もB型にはいます
でも私には応援という優しくも力強く言葉を返してくれたことが一つ

最後が妊娠していたワーカーさんのお腹の子が私の声に不思議な反応をすること
妊娠経験がないので胎動がどんな感じなのか、
どういったときに感じるものなのかまったくわからないのですが
私の声に元気に優しく反応していると教えてくれました
私の声って癒しなの?」そう思ったすぐ後に
でも声はコンプレックスなんですが・・・」とも思いました
だけど嘘をつくワーカーさんではないので
この胎動の話も本当だったんでしょうね

面談が終わったあとにネットで知り合った友達に連絡をしました
「~て、言われたけどカウンセラーなんて今からじゃ遅いよ(笑)
 学歴もないしさ」

ピアサポーターならなれるんじゃないんですか?

ぴあさぽーたー???
ナニソレ??


・決断も行動も早かった

友達が教えてくれたピアサポーター、家で調べ直すと心がドキドキしました
当事者が過去の経験を活かし、今現在障害なので苦しんでいる人へ
手助けができる仕事

やりたい、ではなかったです
やらないと、でした
この仕事は勉強とか専門学校とかではなく経験が基礎としてあること
その人の人生そのものが働く際頼りになり、役立つ

これだ、ピアサポーターだよ、私は絶対になる!!

ワーカーさんに宣言をしました
ピアサポーターになります!
この宣言もなかなか早かったです
それから担当のワーカーさんが産休に入り、担当が変わりました
ピアサポーターを目指していることは引き継いでくれていました
だからある時呼び止められて、事務所で話があるといわれると
一枚の申込用紙を渡されました
精神障害ピアサポート専門員養成研修・・・?
それは私の住む県が取り組んでいたピアの養成研修の申込用紙でした
実はこの県では割と積極的にピアの育成を始めていて今回で4回目の研修研修でした
「今年はこの市で開かれるから受講できたら通いやすいからやってみない?」
県の養成研修のため会場となる市が必ずしも同じではないようです
でもこの時は私の家からでも電車を使って行ける範囲でした

定員は15名
何名が応募するのかは怖くて聞けませんでしたが狭き門に変わりなし
ワーカーさんの推薦状と私が書く受講への思いだけで受かるか落ちるか決まります
だけど、もうこうなったら、行動あるのみ!!
下書きを何枚もしてワーカーさんに渡しました
「大丈夫、愛音さんの思いなら受かるわよ」

ポストにそれらしきものが届いたのは郵送期限ぎりぎりの日
父も私もこんなに遅く合格通知は来ない
合格ならテキストも送られるそうだけど、それもない
落胆しきっていました、でも一応封はあけるべきだな、人としてね
手紙を開くと
【受講決定のお知らせ】
キッチンにいた父もあわててきて二人で何度も読みなおしました
高校の合否とは全く比べ物にならない嬉しさでした
ちなにみ、合格ならばテキストも送られるはずが
手違いにより初日に間に合うようにしますとありました・・・


・養成研修

養成研修は座学前期が7時間×3日、実習120時間、座学後期7時間×2日、
155時間で修了となります
座学7時間は大変です
講師の方は大学の先生だったり、福祉施設で働く方
現役ピアサポーターの方、など様々でした
テストはありませんが一コマ短くて60分、基本90分、長くて150分
一コマの途中で休憩はあります、150分フルではありませんでした

一番大変なのは実習で私の実習先はデイケアでした
でも自分が利用していたデイケアと違って登録者数がとにかく多くて
プログラムも一日を通ししっかりと組まれていたものでした

何が大変か、まず名前が覚えきれない
結局20日間あっても全員の名前は無理でした・・・

そして人と簡単に仲良くなれない私なのでどうやって声をかけるべきか
下手なりにアレコレやって毎日壁だらけ・・・

また毎日のレポートは大変なのですが、気づきと反省が多くて必ず用紙の裏にまで書いていました
このレポートは今でも宝物、原点です
この実習は毎日職員と振り返りがあるのですがその時一度泣きました
私にはピアになる覚悟がない」それに気づいたら涙が止まりませんでしたね
言い訳かもしれませんが、ピアサポーターを知り数か月後に養成研修を受けていて
覚悟が固まっている方がやや無理があるのではないか
座学や実習で未熟さを思い知りました
でも泣いた後にここで諦められないと小さな炎が心に点きました


・弱いピアサポーターになりたいです

実習が終わり座学5日目、最高の出会いがあります
このコマの講師は現役ピアサポーターのAさん
今までの講師は当たり前にパソコンを使っての講義でしたがAさんは機械が苦手
だから自己紹介、略歴の資料も手書きでした
講義もほかの方とどこかが違い、強く心がひきつけられました
講義も終盤に質問などありますか?と聞かれて何かAさんに伝えたい
でもなにを伝えればいいかまでわからない

「やたら目の合う愛音さん、マイクをどうぞ」

進行役をしていたBさんをじっと見ていたせいでマイクが手元に
心臓がドキドキしながらまずはありがとうございました、を伝えます

「Aさんと同じで、病気、障がいが分かった時は嬉しかったです
 今までズルいことしていなかったと証明されたからです」
そこからまとまらない頭の中から言葉を引っ張り続けます
そうしているうちにある言葉がパチンと生まれました
私は…弱いピアサポーターになりたいです
この言葉を言った時の雰囲気は今も忘れません
Aさんは嬉しそうに笑っていましたが、狭い会場はやや温度が下がりました
え?弱いピアサポーター?今そう言ったよね?そんな雰囲気でした

ちゃんと弱さを知っている、体験したことを忘れない、
そんなピアサポーターが理想です

(ここまで話し切ると周りの温度が元に戻りました)

弱いピアサポーター、今でも私の理想であり目指すものです
そのあとにAさんに話しかけに行くと名刺を頂き
何度か手紙のやりとりをしています
Aさんは私の目標を引き出してくれた、最高の講師であり、
最高の先輩ピアサポーターです


ここまで長くなり申し訳ないです
ピアサポーターを知った偶然、養成研修の開催場所の偶然
また人との出会いの偶然、すべてをぎゅっと詰め込み過ぎました

次回でこの自伝的エッセイは最後かな?
それでは、またね

*愛音*

今までのエッセイを最初から読みたい方

不登校になり精神障害と歩いてきた自伝的エッセイ一作目です


サポートしていただけたら嬉しいです🌹 これからも頑張りますね!