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3回目のカンボジア 国際協力ってなんだろうね

また、この国に来てしまった。
ひどい排気ガス、目まぐるしいバイクの数、見ているだけで酔ってしまいそうになる。一年間来ないだけでこんなにも街は変わってしまうものなのか。経済発展が著しいこの国からしたら、きっと日本はつまらない国だろうな。


気温は常に35度を超える。
「今日は暑いなー。」と思って気温を見てみると、40度。ということがざらにある。だけどジメッとした嫌な暑さじゃない。


路地には小さな屋台が並ぶ。埃と排気ガスにまみれた道端で、チキンを売っている若者が見えた。

こんな暑い中で、誰も来なくて大変だろうな、確かこの国の平均月収は300ドルだっけ。なんて考えながら見ていたら、
「ソムサイッモアンモイ」(チキン一つください)と声が聞こえた。なんだ、出店もバカにはできないじゃないか。非効率なように見えて、案外そうでもないみたいだ。

私が初めてこの国を訪れた2019年8月から、一年半が経つ。この国は明らかに経済発展を遂げていた。プノンペン市街は高級マンションの建設が進んでいる。日本の企業も多く進出していて、AEON1号店に続き2号店がオープンしたかと思えば、また3号店がオープンするみたいだ。


キリングフィールドへ向かう途中、新しい住宅地を目にした。ガイドに聞けば、「値段は150万ドルだよ。」とか。ビジネスを武器にした「成功者」は、この国で怖いもの無しなんだろうな。

シェムリアップに訪れるのも、もう三回目だった。アンコールワットに行くのも三回目だし、正直言えばこの景色も飽きてしまった。そんなことはガイドには言えないけれど。


シェムリアップと言えば、パブストリートも有名だ。日本で例えると、原宿の竹下通りかと思ったけど、日本のそれとは雰囲気は違う。碁盤のようには店は並んでいない。

”I LOVE Cambodia”みたいな、ご当地Tシャツ、明らかに偽物のブランドバック、ちょっとこだわったオーガニックコスメ。色んなモノが「ごった」になったこの空間。チグハグながら、なんだか安心感、懐かしい感じがする。きっと、実家のリビングのゴチャゴチャした感じに似てるんだと思う。

そして、この子を見るのも三回目。ナイトマーケットまでの橋を渡る途中、物乞いをしている子ども。三回とも同じ場所で。


”1dollar!” ”1dollar!”


手を合わせて、この言葉だけを繰り返す少女。あげるか、あげないか心の中で葛藤して、いつも目を逸らす。だって、この子にあげても貧困が解決できるわけじゃないし。ストリートチルドレンが、実は大人に雇われている子だって話も聞いたし。物乞いに加担することは貧困のループに繋がるでしょ?


色々考えては見たけれど、まだ結論は出ていない。私が目にしている少女の本当の姿はわからない。真実は一つなのか、どうなんだろうな。

この国だけじゃなくて、物乞いは他の国でも当たり前にあった。タージマハルから車で帰る私に、裸足で駆けて来て、「3dollars」とお土産を売る少年。観光で船に乗っていたら、観光客に突然肩たきを始める少年。スターバックスへ行く途中、シワ一つ無いワイシャツを着てお金頂戴、とねだる少年。

「キミは裸足だし、お金無さそうだからあげるよ。キミは学校通えているみたいだし、お金持ってるでしょ?」


って、「国際協力」とか「援助」とか、簡単に言うけどそうじゃ無いんだと思う。

私がこの国で見た光景。一体何が真実なのか。貧富の差が顕著となったこの国で、「貧困」を目の当たりにした時、私は何もできなかった。

結局のところ、今の私には考えることしかできないと思う。一年後にもしこの国に訪れたら、私は何を考えるのだろうか。それを楽しみに今日はこのノートを記すとする。

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