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2023年4月、自分(愛球人)が考える今オフの移籍市場の現時点での「4つの論点(その1B)」。【Bリーグ】【バスケ】

 前記事エントリーのリンク添付

 まず、前回の記事、(その1A)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。



 【論点1】河村の海外挑戦のより現実的なタイミングはいつか?またその場合、より現実的な移籍先はどのリーグか?(後編)


 月バス「ワールドカップアジア地区予選やアジアカップで、アジアの国々相手に手応えをつかみましたが、いつか海外挑戦したいという思いはありますか?昔、高校を卒業する頃には『ない』と話していましたけれど。」

 河村今はありますね。昔は海外に挑戦することを恐れていたというか、自分の身の丈に合わないと思っていましたし、身の丈に合うところでプレーするのが良いことだと考えていました。でも今は、『ワールドカップやオリンピックに出て世界と戦いたい』という目標を目指す以上、イコールで世界に通用する選手にならなければいけないなと。海外でプレーするというのは、きっと自分が成長できるすばらしい機会になると思うので、そういうタイミングが来たらぜひ挑戦したいです。
 でも、海外挑戦するにあたって、自分の実力だけではない。運やタイミングといった要素も関係するでしょうし、そういうものが全て合わさらないと挑戦は始まらないものだと思います。その運やタイミングは予期せず突然転がってくるものだとも考えているので、そのときしっかりチャンスをつかめるように、今からいつでも準備はしておこうと考えています。

 (『月刊バスケットボール』2023年5月号、7頁[河村勇輝・単独インタビュー]より。
 インタビュー記事は「海賊団を司る男 河村勇輝が語るビーコルと日本代表」という題名で、「4頁~7頁」です。)




 (その1A)で、当初は河村のことを綴る構想が、イメージ以上に「帰化枠/アジア枠/外国人選手」のことに文章量を充てる感じになったので、実はこの(その1B)は、書き出しが(その1A)とほぼ同じ感じになってますことを、何卒御許し下さいの感じです。

 そう、いま、今回の記事の冒頭で、『月刊バスケットボール』最新号での河村勇輝へのインタビュー記事での、「今後の動向に直結すること」の部分を引用させて頂きました。トップ画像も、今回は河村を用いさせて頂いてます。







 この2023年の「年始1回目のnote」。「河村の海外挑戦の可能性を考える」をテーマに選びました。理由はシンプルに、「最もホットなテーマ」であると判断したからです。
 で、このときに、自分は下記の趣旨を綴らせて頂きました。


 「『能力的には、海外挑戦をそう遠くないうちに実現させることは可能と考える。だけど少なくとも『今後1~2年でのNBA挑戦は現実的とはいえない』、ユーロリーグ・欧州各国リーグへの移籍は『リターンよりもリスクが大きくて望ましいとは思えない』。」

 「河村の海外挑戦の『より望ましいタイミング』は、『2024年オフ(つまり【来オフ】)』と強く考える。理由は『2022年3月の横浜BCとのプロ契約発表時でのこと』『日本代表での活動、特に2024年春のパリ五輪の世界最終予選の存在』『横浜BC側にとって、河村の後継の正PGの補強候補を見出すタイミング的なこと』が特に挙げられる。」

 「海外挑戦のより望ましい行き先は『【中国CBA】【豪州NBL】のほぼ2択』と考える。リーグレベル自体は『中国CBA』がより上回るが、『中国CBA』『豪州NBL』のどちらかを選択するのかは、最終的には河村が『何をより重要視するのか』になると想像する。
 『サイズの小さい選手への理解』がより強いのは『中国CBA』であるが、むしろより現実的といえるのは『豪州NBL』と考える。理由は特に『アジア枠の存在』『言語面(英語である)』『治安面』『Bリーグには豪州NBL出身選手が何人もいる』こと。」

 (1月2日のnote記事、「河村勇輝の海外挑戦の可能性の自分的考察」の趣旨より。)



 で、「移籍市場の論点」は、昨オフ(2022年オフ)も綴らせて頂きました。



 2022年版では、「6つの論点」として下記のことを挙げていました。


 【自分(愛球人)が考える、今オフの移籍市場の「6つの論点」(2022年版)。】
 (1)「齋藤(名古屋D)の海外移籍は起こり得るのか?」
 (2)「ベンドラメ(SR渋谷)は今オフ、残留か移籍か?」
 (3)「比江島(宇都宮)の決断は?もし移籍ならばどこへ?」
 (4)「ロシター(A東京)の島根への移籍は起こり得る?」
 (5)「貴重なアジア枠、D・ラモス(富山)争奪戦の動向は?」
 (6)「ハーパー(京都)は今オフ、残留か移籍か?」


 結論を述べると、「2022年版」では、「盛大に外した」感じです。
 例えば「エバンスが琉球→広島への移籍」とか、自分は「いや、移籍する合理的理由があるのか?」と感じていましたので、正直とても驚きでしたし、「えっ」と驚くことがめまぐるしく起こる、「だから移籍市場は面白くて恐ろしい」、と考えさせられる感じでしたけど。






 1つ挙げるならば、今季強く感じていることの一つで、比江島は「生涯宇都宮」が事実上確定といえること(比江島は宇都宮の「名誉生え抜き」と考えてよいと自分は思ってます)。
 今季は「すっきりした」(もうこれは6月の「折茂さんの引退試合時」から既にその感じでしたが)感じが伝わって、恐らく比江島の中では昨季のCSのときには契約延長のサインで心は決まっていたと想像しますし、そもそも「お金ではない、ただ純粋にバスケに打ち込める環境を」という人間であることも想像できていましたけど、チーム成績はともかく、個人としては「昨季と同等以上に充実が伝わる」感じが伝わります。

 昨オフに新たに複数年契約を結んだと推定されていて、自分は恐らく「3年契約、それだと仮定して現行契約は2025年夏まで」では?と思っていて、尤もこの「長期大型契約」が終わっても引退まで宇都宮でプレーし続けると考えてよいのイメージですけど、たとえ「長期大型契約」であろうとも、プラスの意味で「比江島という等身大の姿勢は変わらない」感じが伝わって。


 確かに、今季の宇都宮のチーム成績は「不本意感に尽きる」といわざるを得ないでしょう。「ムエンゴ」という言葉がありますが、今季の宇都宮は「比江島がほぼ孤軍奮闘状態になってしまっている」と。
 「不良債権」「死刑囚」という言葉、自分的に「大嫌いな言葉」ですけど、一般にNBAでは「その選手の長期大型契約がチームの成長・工場の足枷(マイナス)になってしまうこと」を意味する傾向ですけど、今季の比江島の場合はこの「逆パターン」、つまり「周りがムエンゴが故に、結果として長期大型契約の1年目が(傍目には)不本意になった感じ」といえます。尤も本人的には、恐らくの感じとしては
 「いや、チーム成績は確かに不本意だけど、チームに不満という訳ではない。」
 と想像するんですよね。


 で、比江島の「30分換算でのEFF」は
 「昨季(18.03)→今季(18.02)」
 ですので、「日本人で現役no.1のSG/SF」として健在なことが伺えます。

 その一方で、宇都宮は今季、
 「実際順位(9位)、チームEFF(19位)、得失点差(10位)」
 で、今季は「勝率5割程度」(←これでもだいぶ状態を上げてきてはいる)と苦しんでいる訳ですけど、実は「チームEFF」に照らせば、「これでも勝利数をかなり拾っている、実際のチーム力はもっと酷い」なこと。
 で、この原因・理由はシンプルで「得点力不足、というか攻撃が『ほぼ比江島依存』」であること、これを要改善になる訳ですけど。





 それに比江島は、昨季に「優勝」を叶えている。
 優勝を1回でも叶えた時点で比江島の宇都宮での挑戦は「成功」といえる、という感じなんですよね。
 勿論、今季のチーム状況は不本意だろうと想像ですけど、宇都宮の雰囲気自体は「少なくとも、悪くなっているとは思わない」。

 とはいえ、比江島がCSにいないことは、一バスケファンとして「寂しい」ですので(真顔)、今オフに比江島の「ムエンゴ」状態を改善するための補強をどう進めるのか、「どうなるか、見てみよう」の思いでいます。


 で、今オフ、つまり「2023年版」。あくまでも「現時点で」の注釈付きですし、昨オフとは異なり、今オフは特に日本人選手では、実は「移籍市場に出る可能性が一定以上ある」「移籍した方がよい合理的理由がある」選手が数えるほどしかいません。これは、直近の2年間で「有力日本人選手がかつてないほどの大移動になったから、その反動で今オフは移籍市場はわりと静かになる可能性が高いのでは?」ということが正直あります。

 では、「Bリーグの移籍市場、2023年版での論点」
 今回は「4つの論点」として、下記を挙げさせて頂きます。


 【自分(愛球人)が考える、今オフの移籍市場の「4つの論点」(2023年版)。】

 (1)「河村勇輝(PG。横浜BC)」
 →「海外挑戦のより現実的なタイミングはいつか?またその場合、より現実的な移籍先はどのリーグか?」

 (→現時点では、ほぼ「来オフの実現」と考えてよい。一選手の海外挑戦のタイミングがほぼ想像できる状況が「とても異例」といえる。
 この「来オフ」とほぼ決まっているタイミングは、特に「PGの有力選手の動向」に大きな影響を与えるのでは?ということ。
 ちなみに先に述べておくと、「今オフの河村の国内移籍の可能性は『ほぼゼロ』」と考えてよいと思ってます(個人的には「ゼロ。シンプルに国内移籍の合理的理由がない」と正直思ってますが)。ただ、国内移籍の可能性を想像するバスケファンがツイッター上では散見の感じに映るので、言及させて頂く感じです。)


 (2)「磯野寛晃(SG/SF。熊本〈B2〉)」
 →「なぜ、B1経験がゼロである磯野が『移籍市場の最注目選手』と考えるのか?磯野が持つ『唯一無二の資質能力』とは?」

 (→現時点で、日本人選手で「移籍市場に出る合理的理由をほぼ唯一持つ選手」だから、これが大きいですが、「2年連続でB1レベルを証明して、準備は整ったといえるから」が大きいです。
 そして「PGの移籍市場は今季はほぼ静かになる」「SG/SFの有力日本人選手自体がそもそも貴重である」「SG/SFのグレードアップが急務な球団が複数ある」と、磯野に有利な状況がこれでもかと揃っていること。
 そして磯野には「日本人のSG/SFとしては、ほぼ唯一無二の資質能力」があり、それが今オフの最注目選手に躍り出る理由にもなってます[おのずと競合球団数が増えるので、「市場価値以上の契約を手にできる」可能性が有力視の意味でも]、それについて【論点2】で掘り下げます。)


 (3)「ベンドラメ礼生(PG。SR渋谷)」
 →「確かにベンドラメは昨オフ、『事実上の生涯SR渋谷宣言』をした。ではなぜ今オフこそ、移籍の可能性が『ゼロではない』と読むのか?そして移籍先のほぼ唯一の候補が『島根』と考える合理的理由は何か?」

 (→結論から述べると、いまのベンドラメは「Bリーグ版のデイミアン・リラード[ポートランド・トレイルブレイザーズ]」に、よくも悪くもなっています。いわばボールは、あくまでもベンドラメにある。
 ベンドラメが「より優先順位に考えていることは何か?」により、変化することです。つまり「生涯SR渋谷であることに拘りたいのか(≒最終的に「背番号9が永久欠番として称えられることを望むのか」)」、それとも「優勝したいことをより第一義として臨むのか」と。
 仮に「優勝したい」想いがより強いのであれば、「いま移籍すれば、『まあ仕方ないよね』ときっと納得してもらえるはずだよ」と、一バスケファンとしては正直感じてます、というか「優勝したい」のであればなおさら、「後悔しない決断をして欲しい」こと、それが残留でも移籍でも。
 そして、ベンドラメがもし移籍するならばのほぼ唯一の合理的理由は「優勝したい」であること、これに加えて志向するバスケスタイルやポジション事情をも考慮すれば、ほぼ唯一のより合理的な移籍先候補は「島根」と考えますが、なぜそう考えるのか?を【論点3】で掘り下げます。)


 (4)「馬場雄大(SG/SF。テキサス・レジェンズ[Gリーグ])」
 →「今オフ、馬場にとってベストの道は『Bリーグ復帰』であると考えるが、それはなぜか?そして『Bリーグ復帰』を決断する場合、馬場にとってより輝ける球団はどこか?」

 (→馬場の「海外挑戦への強い想い、NBAのステージへの強い想い」。これはとても強く伝わってきます。そして今季は「NBA到達の最後かつ最大のチャンス」だった、できる全力は伝わってきた、でも結果は届かなかった。
 客観的に観れば「NBAへの扉は事実上閉ざされた」、そして「4Aの選手だった」という現実を突き付けられた。その一方で「突出した何かを示せたともいえない、故に中国CBAへの扉もむしろ悲観視の感がある」こと。
 「この11月で28歳」「日本代表活動への影響」「いまBリーグ復帰を決断すれば、どれほどの契約・起用法を手にできるか」。そういったことを考慮すると、「Bリーグ復帰こそ、ベストの道」と自分は強く考える。いわば「もう海外では充分やったと映るよ」と。
 それに今オフはシンプルに「有力日本人選手の移籍自体が、順当だとほぼない」と見込まれている[「B1経験がゼロである」磯野が最注目選手になることが異例さを象徴している]、それに「SG/SFの要グレードアップが急務の球団が複数ある」、つまり馬場は「今オフの移籍ならば、長期大型契約を手にできる」といってよい。
 これらを踏まえて、馬場にとって「より輝けるベストの移籍先の球団はどこか?」を【論点4】で掘り下げます。)


 今回は、「論点」「注目選手」と共に、「その理由の概要」も、先に示させて頂きました。
 これは、今オフは「Bリーグの勢力図に一定以上の影響を与えるであろうレベルの有力日本人選手の移籍自体が、恐らく上述の選手くらいにとどまるのでは?」という読みが正直強くあるからです。

 勿論あくまでも、ボールは各選手側にあります。河村の国内移籍は「事実上ゼロ」と先述させて頂いてますけど、あとの3選手の場合でだと


 (1)「磯野(熊本〈B2〉)」
 ・「B2プレーオフに進出している」。
 ・インタビュー記事で「いまは熊本のB1昇格に全集中」の趣旨の言葉。
 (→仮に熊本がB1昇格が叶えば、恐らく移籍市場に出ない」だろう。
 少なくとも「B2プレーオフでの熊本の結果が出るまでは、自分の去就のことは考えない」が正直な姿勢ではと想像の感じ。ちなみに磯野は故郷が福岡です。)

 (2)「ベンドラメ(SR渋谷)」
 ・そもそも昨オフに「残留」「秋田」「群馬」の3つのカードを手元に置いたうえで、熟考の末に「事実上の生涯SR渋谷宣言」をしている。
 ・残留を決断の理由の一つに、「親会社の変更が既に水面下では事実上決まっていて、来オフの大型補強の意向を取り付けた?」との説が。
 ・客観的に観て、現チームは「これ以上の上がり目はない、それも昨季からずっとそう」。問題は「大型補強をしたい意向でも、より現実的な見通しはどうか?」ということ。
 ・同じ中地区で「河村を擁する横浜BCの存在」、少なくとも来季は横浜BCは「自分たちより格上」と考えてよいこと。加えて長くコンテンダー(=CS出場の常連)にいる川崎がいて、その上来季は「A東京が中地区に回る」が有力視されていること。
 ・客観的には「優勝できる可能性」「SR渋谷として有力日本人選手を補強できる可能性」の意味で「とても大きな疑問符」が拭えないと映る。あとは本人が何をより優先順位と考えているか?になる訳だが…。

 (3)「馬場(テキサス・レジェンズ〈Gリーグ〉)」
 ・本人が「もうNBAへの扉は事実上閉ざされた」現実を受け入れられるかどうか?ということ。客観的には「もう閉ざされたんだよ」と考えざるを得ないが、人間の心は「そう簡単に割り切れる、諦められる訳ではない」こと。
 ・「日本代表活動への影響」。恐らく今夏のW杯の代表は、(ホーバスHCの傾向的には)選出が有力視だが、それ以降の確約はいまのままでは恐らく見込めない。客観的には「日本代表への想い」がもし強いならば、「なおさら今夏はBリーグ復帰の一択だよ」と映るが。
 ・夫人(森カンナさん)が「現役の女優」であること。近年の移籍市場の傾向として、「夫人の意向・環境」が少なからず影響の感じであり(例えば辻[川崎→広島]や、野球の丸[広島→巨人]、浅村[埼玉西武→東北楽天]はこれが大きく影響したといわれている)、そう考えると「関東圏の球団」または「都市部の球団」がより有利にいると考えてよい(ちなみに本人および夫人の故郷は富山)。


 「客観的に見れば」ではありますが、上述の感じになります。
 客観的には「移籍する合理的理由がある」、でも人間の心は「そう簡単に割り切れるようにはできていない」訳ですので。
 (現に自分自身がそうで、「合理的に立ち回れる人間だったら」、回り道の人生はしていなかった訳で。でも回り道は自分には必要だったといまならば思える訳で、回り道を余儀なくされたことを通して、いくつもの「学び」「出会い」をできた意味で、大きな意義はあったと。)


 そう、「何かを決断する」ことにおいて「絶対的正解はない」こと。
 例えば「比江島」、負傷もあって6thマンに回された「2020-2021」。
 「移籍した方がよい」という声が多くありました。自分が比江島の立場ならば、(どう決断するかは別として)「全ての選択肢をテーブルに乗せる」を確実にしたでしょう。
 でも「移籍が脳裏をよぎったことは1度や2度ではない、でも宇都宮に残留してよかった、だからいまの自分がいる」、今季、比江島はインタビューでこの趣旨の言葉を述べています。

 あるいは、「松脇(三遠→琉球)」。昨オフの移籍市場での注目選手の1人でした。理由はシンプルに「良質の3&D」「若さによる伸びしろ」から。
 複数球団による争奪戦といわれてましたが、早い段階で移籍先は琉球に決まりました。
 正直、「いや、例えば宇都宮とかの方がより輝けただろう…」と思ってました(というか、いまもそう思ってますが)。
 現に「30分換算でのEFF」は「昨季(7.55)→今季(4.84)」。
 そう、「一選手としての価値」は、数値上は「CSレベルから陥落」になってます(目安である「6.00」を結構下回っている)。

 ですが、試合を観ると、松脇は「昨季より今季の方が、活き活きしていて映る」のです。そう、数値上でみれば「移籍は失敗だったのでは?」と映るけど(特に攻撃面での数値は軒並み下がっている)、結局は「本人が納得できているかどうか」になる訳で、その意味では「成功かはわからないけど、失敗とは思わない」といえます。
 これは松脇の場合でだと「優勝を現実的に目指せる球団に行けたから」が恐らく大きい、それが活力になっているからかな、と想像ですけど。

 それと松脇の場合、「EFF」や「攻撃面での目に見える指標」でいうと「移籍は失敗だったのでは?」の解釈になりますが、「±」では「+195」で、これは「チーム5位」です。出場時間換算でだとより跳ね上がりますし、これを「ベストラインナップ」にあてはめると
 「岸本-松脇-今村-ダーラム-クーリー」
 と、見事にあてはまります。そうなると、特に「4Qのクラッチタイム時」は、むしろ松脇を起用した方がよいとなる訳で、その意味で「存在意義はあると確実にいえる」「琉球に移籍した意義は、確実にあるといえる」と。
 これもまた、「バスケの奥深さ」と感じます。


 「人間が生きることにおいて最も大切なことは、『その人らしく』生きられること。」
 自分の価値観はこれです。ですので、これから「一バスケファンとして、客観的な目線として」(「ドライな目線」と解釈してよいです)、綴らせて頂きますけど、「後悔しない決断をして欲しい」、それが純粋な願いなんですよね。

 そう、「その球団の現時点での志向するスタイル・立ち位置」に照らして、「この選手がより輝ける球団はここだと思うよ」という目線でこれから綴らせて頂く訳ですけど、「その選手の人生はその選手自身のことである」訳ですし、「最終的なボールはその選手自身にある」訳ですので。


 では、話を【論点1】、つまり「河村」のことに戻します。



 「実力、運、タイミング、全てが合わさったとき」
 「日本代表としての活動、その結果及び内容」
 「横浜BCとして、どのステージまで駆け上がれるか」
 (→この3つの要素が「河村の海外挑戦の実現」のキーフレーズ?
 「世界最終予選」、これに「出場できるか」及び「突破できるか」が特に大きな要素では?と自分は読んでいるが。)


 (自分の中での)基本的な解釈は、年始のときと大きな変化はないです。
 では、どういうことか。


 「今オフの河村の海外挑戦の可能性は『まずない』。一部、ツイッター上で囁かれている国内移籍の可能性は『それ以上にない、つまり実質ゼロ』。
 では、海外挑戦の可能性はいつか?といえば、『80%の可能性で、来オフ』になるのでは?と。
 キーフレーズは『世界最終予選』『横浜BCでのパフォーマンス』『マーキース・ノウェル』の3つ。これによって変化し得る。

 いえることは、今オフは『河村は横浜BCに残留と考えてよい』こと。
 特にPGの移籍市場は『今オフはほぼ無風、来オフは激変か?』と現時点では読む。



 いま、「マーキース・ノウェル」が「河村の今後の海外挑戦に向けてのキーフレーズになる」と述べました。
 実はこの「ノウェル」は、1月19日のnote記事で言及させて頂いてます。このときは「今オフ、Bリーグで観たい新外国人の正PG」という趣旨で綴らせて頂きましたけど。






 ノウェルの特徴は、より細かくは、リンク添付させて頂いた1月19日のnote記事を参照されたしですけど、わかりやすくかみ砕けば

 「河村と同じように『アシスト能力』『守備力』『バスケIQ』が魅力的だが、シュートレンジも特徴の1つで、その意味で河村の上位互換の感が。」

 です。ノウェルの身長は「173cm」、河村の身長は「172cm」です。

 で、このノウェル。3月下旬の「NCAAトーナメント」で、なんと「19アシスト」という「NCAAトーナメントの新記録」を樹立しました。






 とても嬉しいことと共に、「これでノウェルは、NBAへの扉を自らこじ開けたといえるのでは?」と、このときは感じたんですよね。ですけど…。




 趣旨としては、

 「NCAAトーナメント(及び今季)の活躍で、NBA行きの扉は開かれたといえるかもしれない。しかし現実論としては『よくて2巡目での指名』、より現実的は『ドラフト外→2way契約』になるのでは?


 (←「2way契約」の説明は、このリンク添付を参照されたしです。)





 そう、「1月2日」「1月19日」それぞれのnote記事で説明させて頂きましたけど、NBAのここ3~5年の傾向として、
 身長が180cm未満のPGは、原則『門前払い』である。
 の傾向が顕著になっています。

 そう、いまリンク添付させて頂いた、佐々木クリスさんの書籍『NBAバスケ超分析』で示されてますけど、特にNBAでは、この3~5年程度で、戦術・スタイルの傾向が一気に大きく変化しています。
 (理由は複合的と考えられるが、「統計学(いわゆるセイバーメトリクス)の急激な発達で、『より合理的なチームづくりとは何か』が可視化しやすくなったことが大きいのでは?」と自分は思ってます。)

 その結果、「身長が180cm未満のPG」「3P能力がない古典型ビッグマン」は、NBAから一気に淘汰される傾向になったと。
 (「3P能力がない古典型ビッグマン」がNBAから完全にいなくなることはないとは思っていて、実際に現時点でも「ニック・クラクストン(ネッツ)」「クリント・カペラ(ホークス)」等がいますので。
 ただ、「3P能力がない古典型ビッグマンは1人までが限界である」こと、これはBリーグでも「昨季の広島、ジャクソンとエチェニケ」「今季の大阪、オマラとハント」が「両雄並び立たず」が残酷なほどに証明されていることで、はっきりしているといえます。
 例えば「ジャック・クーリー(琉球)」がBリーグでは異次元レベルですけど、それは「NBAの戦術傾向の変化にもう合わない」という烙印を押されてしまったからも背景の一つでは、と自分は正直感じてます。





 「ホセ・アルバラード(ニューオーリンズ・ペリカンズ。183cm。ドラフト外、2年目)」
 「ジョーダン・マクラフリン(ミネソタ・ティンバーウルブズ。180cm。4年目)」


 低身長のPGでも、NBAで活躍している選手は、いるにはいます。
 アルバラード、マクラフリン。2人共にドラフト外からNBA入りを叶えて、第2PGとして居場所を確保できています。しかもこの2人は、「NCAA時代の成績は実はノウェルより下回っていました」。
 ですけど、低身長といっても、アルバラード、マクラフリンはいずれも「180cm」という最低ラインはクリアしている。
 でも、ノウェル(173cm)、河村(172cm)はこの「180cmライン」を下回っている、これは無視できないことといえる大きな相違点です。


 恐らく現実的には、ノウェルは低く見積もっても「ドラフト外ルート」あるいは「2way契約ルート」で、NBAのステージに立つことは叶うのでは?と現時点では読んでいます。
 「NCAAで結果を出している」「守備力がある」ので。低身長のPGが不安視される理由の一つは、「守備力の不安を、どのように克服するのか?」ですから。
 ですけど問題は、ノウェルが「NBAのステージに立つことが叶うのか?」、それを突破できたとして、「NBAでどれほど輝けるのか?いや、出場機会をどれほど与えられるのか?」が重要になってきます。






 いま、4人のPGをリンク添付させて頂きました。
 このうち「Kay Felder」(ケイ・フェルダー)を除けば、いわゆる「低身長PG」という感じではありません。ただ、全員が河村と「ある共通の特徴を持つ」、そしてこの4人は全員が「あるリーグに在籍している、そしてそこで輝けている」のです。



 【「Kay Felder」「Nate Mason」「Dominique Jones」「Trae Golden」4人の共通の特徴。】

 ・「AST%が高く、A/TOに優れて、USG%が30%超えである」
 ・「中国CBAに複数年の在籍で継続中である」


            AST%  A/TO  USG%  eFG%
 河村         54.28  2.63   33.33  50.7
 (「30分換算でのEFF」[22.39])

 ノウェル       42.90  2.26   26.21  48.1

 フェルダー      55.89  4.10   31.67  51.3
 メイソン       44.92  2.30   33.61  55.3
 D・ジョーンズ    48.46  2.70   33.21  49.0
 ゴールデン      53.77  2.63   44.28  52.9

 (河村は「今季のBリーグ」、ノウェルは「今季のNCAA」、フェルダー、メイソン、D・ジョーンズは「今季のCBA」、ゴールデンは「昨季のCBA」での成績。ゴールデンは今季は成績を落としているため昨季の成績で示してます。)



 いま挙げた成績。これは、中国CBAは中心選手への依存度が主要各国リーグの中でも特に「中心選手への依存度が突出しやすい傾向である」ことに留意の必要があります。また外国人選手は「自分の価値・存在意義を証明したい」想いがより強く、それも相まって「USG%が跳ね上がりやすい傾向になる」ことにも留意になります。
 一つの目安として、「『USG%が30%超え』になると、『その選手への依存度が特に高い』『その選手のボール独占傾向がより強い』ことを意味する」といえます。

 この「USG%」「A/TO」とかに関係して、より話を掘り下げます。



 (←「ボールホグ」について特に詳しい参考動画。
 「ボールホグ」とは「ボールを独占する傾向が強い選手」の意味。
 動画では「ボールホグの代表例」として「アイバーソン、マーブリー」に言及されてます。)








 (←「USG%」をより強調できるようにリンク添付させて頂いてます。
 「中国CBA」が「USG%」が跳ね上がりやすい傾向にあることが、より伝わるかなです。)


 (←「AST%」をより強調できるようにリンク添付させて頂いてます。
 「中国CBA」が「AST%」が高い選手がより多い傾向にあることが伝わるかなです。
 それと、斎藤[名古屋D]の「44.8%」という数値だって充分にすごいのです、「能力的には中国CBA、豪州NBLでも通用できるのでは?」ということが伝わるかなです。)



 で、河村の「USG%」は「33%台」である、これは正直とても高いです。これはBリーグでも異例の数字といえます(そもそもPGは「USG%が高くなりやすい」のはある種当然ではありますが)。
 ですけど、河村の「USG%」が跳ね上がるのは、自分は下記のように解釈してます。


 「河村のUSG%が跳ね上がるのはやむを得ない。」
 「そもそも『戦術河村』が最も合理的で、実際に機能できていて、しかもチームメイトもスタッフも皆が同じ方向を向けている。」
 「河村と共に、ジャクソン・オリバー・キング等、周りも成長できている。」

 →「少なくとも河村は『単純なボールホグ』ではないし、勝利するために『戦術河村』が最も合理的なことは『vs宇都宮』『天皇杯でのvs琉球』『3月15日でのvs川崎』などから明らか。何よりも、『周りがそれで納得している&成長できている』訳で、何が悪いの?が正直な感覚です!」


 個人的には、少なくとも「アイバーソン」「(ロケッツ時代の)ハーデン」「ドンチッチ」も、「単純なボールホグ扱いは心外だなあ」と思ってますけど(そして3人共に大好きな選手です、とも強調させて頂きます)、その一方で「ボールホグ」という解釈も確かに一理あるとも感じます。

 それと河村の場合、本来は「パス優先型」の選手です。これは「AST%」「A/TO」の圧倒的数値から明確に読み取れます。
 河村の今季の「AST%」の「54.28%」という高数値は、Bリーグの歴史上でも歴代1位ペースです(というか事実上の歴代1位が昨季の河村の「54.06%」ですので)。


 話が脱線してきている感じがしないでもないですが(苦笑)、ではまずここまでの話で何を伝えたいのかと申しますと、



 (【現時点で、かつ現状のままと仮定して】の上でだが)

 河村の海外挑戦は『高確率で来オフ(2024年夏)』と考えてよい。」

 「NBA挑戦は、現時点では『マーキース・ノウェルが来季どのような結果を残すか』に依存すると考えてよい。『ノウェルが一定以上の結果を出せば、河村へのNBAへの扉はあり得ることになる』と。ただ、『NBAは180cm未満の低身長PGへの扉はほぼ門前払い状態である』現況だが…。」

 「ただ、NBA挑戦の可能性をより高めるためには、河村自身が『来春あるいは来年6月頃?の世界最終予選での活躍』が特に重要になると考える(尤もこの世界最終予選のステージに立てるかの問題はあるが)。」

 より現実的な海外挑戦先は『中国CBA』と考えてよいのでは。
 
『【USG%が30%超え】【AST%、A/TOに特化】【一定以上の得点能力を併せ持つ】【でも低身長PG】』の特徴を考慮すれば、このタイプの選手がより輝けるリーグは中国CBAであるのはデータ的な積み上げで浮き彫り。
 実際、河村は集客力やスター性は既に証明済みであり、中国CBAはアジア枠はないが、普通に実力で外国人枠に入れる。『相手があること』に留意が必要とはいえ、中国CBA入りは現実的といえるかと(勿論これは、河村は中国CBAで活躍できるとの判断からでもある)。」

 (尤も個人的には、テレビとかで「今日の河村勇輝」の情報をスポーツニュースで取り上げてもらえる意味では、「豪州NBL」の方がより望ましいが。時差や英語圏なことを考慮すると。
 それと「中国CBA」は外国人枠でも容赦なく出場時間を削ることが少なからずあるが、「豪州NBL」は外国人枠はある程度出場時間は与えられる傾向が強い。ただリーグレベルはこの2年でBリーグが豪州NBLに追いつきつつあること[給与水準も豪州NBLはBリーグとほぼ同等と伺う]、「中国CBAの方が、より海外挑戦感が強い」感じに映るが。)



 という感じになります。いえることは、今オフは「河村が動くことはまずない」ことに照らせば、


 少なくともPGの移籍市場では、リーグの勢力図を大きく動かす程度の移籍が起こることは(一部の例外的選手を除けば)ほぼないと考えてよいであろう(勿論、『環境を変えた方がよいPG』の移籍が起こる可能性は充分にあり得るが)。
 その一方で、河村の海外挑戦の可能性の最有力が『来オフ』と、ほぼ時期が読める意味で『とても異例である』といえる。その意味で、オールスターレベルの有力PG(はっきり述べれば、『久保田(京都)』『テーブス(滋賀)』)あたりは、来オフに動く可能性は充分にあり得るし、来オフは(いくつかの)球団側からしても『有力PGの補強に相応の資金を充てる』と考えてよいといえる。
 つまり視点を変えれば、SG/SFの選手は『今オフに動けば、市場価値よりも大きな契約を手にできる』可能性が理論上はより大きくなる(が、昨オフに動いた選手は2年契約を結んでいて身動きが取れない可能性が高いので、昨オフに動かなかった選手の価値が相対的に上昇することになる)。」

 (ツイッター上では、「久保田は今オフに移籍の可能性がある」声があるが、「久保田目線」で考えると、「いま動く」と「来オフに動く」では、「より大きな契約を手にできる」「よりCSレベルの有力球団に行ける」可能性の意味で、「来オフの方がはるかに合理的である」は明らかだし、そもそも今季は3月以降は失速傾向にあり、その意味でも「いま動くのは得策ではない」といえる。
 個人的には、久保田は「1年でも長く京都にいて欲しい」が、より客観的に見た場合、「自分の市場価値をより最大級にできる状態で他球団の評価を聞く」ならば「来オフのほぼ1択」になる。)


 ということです。後述の【論点3】で、「ベンドラメ(SR渋谷)」を「例外的な事情を持つ選手」として綴らせて頂きますけど、ベンドラメの場合は「優勝したい」という想いがどれほど強いか、それが強い場合は「移籍市場に出る合理的な理由があるよね」になる感じだから、があります。



 【論点2】「磯野寛晃(SG/SF。熊本〈B2〉)」
 【論点3】「ベンドラメ礼生(PG。SR渋谷)」
 【論点4】「馬場雄大(SG/SF。テキサス・レジェンズ〈Gリーグ〉)」


 では、(その2)で、【論点2】、つまり「磯野寛晃(SG/SF。熊本〈B2〉)」についてを綴らせて頂きます。



 【バスケットボール#26B】

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