【バスケ】【Bリーグ】2022年GW直前、自分(愛球人)が考える今オフの移籍市場「6つの論点」(その3)。

 前記事エントリーのリンク添付

 まず、前回の記事、(その2)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。


 (論点5)「貴重なアジア枠、D・ラモス(富山)争奪戦の動向は?」

 【ドワイト・ラモス(富山)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「11.69」、PPG「11.92」、APG「2.68」、SPG「1.22」、eFG%「45.3%」)



 いま、Bリーグの現行レギュレーションにおいては、
 「『帰化枠』『アジア枠』を擁することのアドバンテージの大きさ」
 があると映ってます。勿論、この「帰化枠」「アジア枠」の選手が一定水準以上のEFFを見込めるとか、機能できるとかが前提になりますが。

 で、今季のBリーグは「アジア枠」の選手が一気に増えました。
 昨季からいる「S・ラベナ(三遠)」に加えて、今季からでだと

 「K・ラベナ(滋賀)」「D・ラモス(富山)」「パークスjr(名古屋)」「パラス(新潟)」

 等がいます。いま挙げた選手の動向は、今オフのBリーグの移籍市場の「重要トピック」といえると映ってます。
 このうち「パークスjr」は、CS出場を決めた名古屋Dで主力の座を不動にしています。ですので「移籍する理由がない」ので、移籍市場の俎上からは「除外」といってよいでしょう。




 まず、「S・ラベナ」。4月16日に、三遠の考察についての一連の記事執筆をさせて頂いたときに、「『昨オフの契約延長の際に複数年契約を結んだ』と球団は明言しているけど、現HC代行(清水太志郎)が使いこなせてないこととかに照らすと、契約解除金を使っての引き抜き移籍や、期限付きの形での移籍は充分に考えられるのでは」と綴りました。

 ですけど、4月16日の一連の記事を完成させる直前に、「S・ラベナは昨オフの契約延長の際に3年契約だったのでは?」という話が出てきました。
 書き換える時間が取れなかったので、そのままアップさせて頂きましたけど、ちょっと整理する時間が必要だなあと。


 で、そのような中で、先日の4月24日日曜日の三遠戦。
 この試合、S・ラベナにとっては負傷明けからの復帰戦でした。
 そのプレー内容もですけど、「ああ、これはS・ラベナは来季も三遠に残留と考えてよいなあ」と強く感じたのが、チームに馴染めていることがとても伝わること。
 少なくとも「不満はない」感じ。いま、三遠のチーム状況は正直苦しいですけど、「S・ラベナは今オフの移籍市場から除外」と考えてよいことは、今オフのアジア枠の選手の動向に少なからず影響がある、と映ってます。

 で、少し話を脱線させますけど、三遠でいえば、「早坂マネージャー」の存在がとても重要であることを、4月16日の三遠の一連の考察で言及させて頂きましたけど、早坂マネージャーと共に、重要なファクターといえるのではと思ってるのが、
 「マックス・ヒサタケ」
 です。今季、SR渋谷でBリーグデビューをして、3月の「トレードデッドライン」で三遠に移籍しましたが、「1日1ダンク」と称されるダンクシュートのみならず、特に守備やリバウンドへの意識が高く、課題の攻撃技術も徐々にかつ確実に成長中です。
 そして何より、とても「明るい」、「笑顔を絶やさない」。
 もう、いい意味で「銭が取れる選手」。今季のBリーグの「隠れた素敵なトピック」といえるのではと、一バスケファンとして感じてます。

 あと個人的には、4月17日日曜日の「三遠vs京都」、試合は「63-58」で三遠の勝利でしたけど、試合終了直後、ヒサタケが早坂マネージャーにタオルをかける場面(勿論「感謝の気持ち」として)、一バスケファンとして以上に、一人の人間として「エモい」感じだったなあと。まさしく「優勝!」でした。


 【マックス・ヒサタケ(三遠)、今季成績[30分換算]。】
 通算(EFF「15.86」、PPG「10.90」、RPG「10.00」、SPG「1.90」、eFG%「60.1%」)
 三遠移籍後(EFF「17.71」、PPG「12.29」、RPG「10.28」、SPG「1.75」、eFG%「60.5%」)
 ダブルダブル(6回[うち三遠移籍後4回])



 ヒサタケ、攻撃面は成長途上ですけど、守備面はとても有能なことが伝わるかなです。
 ハワイ系ですけど、日系人でもあるとのことですので、ヒサタケには将来的な帰化をとても強く期待の感じです。
 三遠は、今オフの重要課題の一つとして、「ヒサタケの将来的な帰化を見越しての日本語教育」をしっかりと御願いしたい感じです、一バスケファンとして。
 (4月16日の三遠の一連の考察で、ヒサタケのことを書きそびれてしまったので、この機会を用いて補足説明を兼ねて綴らせて頂きました。)


 話を大きく脱線させてしまいました。アジア枠のことに戻します。

 「K・ラベナ」。今季ははじめはBリーグのリズムにいまひとつ馴染めてなかったかなの感じですけど、2回目の代表ブレイク明けの3月からは本領発揮になっています。ただ正直述べれば、「動向を見守る」の感じかなと正直映ってます。
 というのも、滋賀も三遠と同様に、「K・ラベナ」を球団のフラッグシップ的な選手と位置付けている感じなんですよね。それにいまや、完全にエースの感じですし。移籍市場に出る可能性はゼロではないですけど、残留の可能性がより大きいのかなと、現時点では解釈してます。

 「パラス」については、有力選手の一人ではありますけど、いま挙げた選手や、これから言及させて頂く「S・ラモス」に比してだと、正直少しレベルが落ちる感じです。勿論「B1レベル」ではあるのですけど、移籍市場での補強の優先順位としては「あくまでも次善策」の感じかなと自分はイメージしています。


 で、「D・ラモス」です。
 正直、今オフの移籍市場での「アジア枠」の補強において、この「D・ラモス」が「現実的な最大ターゲット」になってくるのではと、自分はイメージしています。




 結論的に述べれば、移籍の可能性自体は「90%」と思ってます。
 理由を下記で示させて頂きます。


 【なぜ、D・ラモスの今オフの国内移籍が「ほぼ確実」と読むのか。】
 (1)契約が恐らく「単年契約」であり、必要な資金投資が恐らく多くはかからないこと。
 (2)「今夏で24歳」と若い、つまりこれからの成長が見込めること。しかも今季の「30分換算でのEFF」は「11点台」であり、うまくチームシステムに組み込めれば「3rdオプション」あたりで計算できること。
 (3)現所属の富山は、いわゆる「スモールマーケットの球団」であること。加えて現HC(浜口炎)は正直「D・ラモス」を使いこなせているとは言い難いこと。
 (4)若さと爆発力が故に、複数年契約を提示しても、恐らく高確率で「元を回収できる」と考えられること。いわば「コスパ優良案件」になる可能性が高いので、争奪戦を覚悟で資金投資する価値があること。



 で、実際に「京都vs富山」(4月23日土曜日)を生観戦させて頂きました。そう、「D・ラモス」は「CSレベルの球団」でも争奪戦に参加する価値のある選手であるかと。
 結論を述べると「ある」です。好不調の波は正直ありますけど、攻撃時の爆発力はとても魅力ですし、特にSFで機能できることは選手編成的に大きなプラスでしょう。それに守備意識も、見た目のスタッツ以上にある(少なくとも水準以上はあるといえるのではと)。


 恐らく、高確率で争奪戦になるだろうと読みますけど、では、もし争奪戦になるとして、どの球団が参加すると考えられるかです。
 これについては、自分は


 「『大阪』は高確率で参加するだろう(帰化枠/アジア枠は今オフの重要補強ポイントであるので。ブラウンは今季中盤以降、スタッツ以上に衰えが否めないから)。
 争奪戦の重要ファクターとしては、『宇都宮』が参加するかどうか。スコットは将来的に帰化希望ではと自分は読んでいるが、それによって動向が異なってくる。
 他には、『京都』『北海道』とかも「帰化枠/アジア枠」が重要な補強ポイントになるけど、この2球団は『勝者のカルチャー』醸成が目下の重要課題になるので、その意味ではブラウン(あるいはニカ[島根])の方がよりチーム状況にフィットするのではと読むが。」


 そう、「D・ラモス」が争奪戦になるとすれば、そのポールポジションは大阪になる、これが自分の読みです。
 大阪は都市自体が国際都市であること。そして何よりも、今オフの大阪は「大型補強」が絶対命題となっていますけど、特に
 「大阪は、今オフに『ビッグマン』(←できれば2人とも)『帰化枠/アジア枠』を補強して、やっとCS出場権争いのスタートラインに立てる」
 というチーム状況ですので。


 【アイラ・ブラウン(大阪)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「13.67」、PPG「11.40」、RPG「7.06」、SPG「1.04」、eFG%「45.1%」)



 実は、ブラウンの見た目のスタッツは、(タイプが異なるので完全比較はできませんが)D・ラモスを上回っています。
 運動量自体は落ちていませんし、代名詞である「ランニングプレー」はまだまだ健在です。
 ですけど、大阪の試合を観ていると、特に今季の12月以降、「信じられない凡ミス」が目につくようになってきています。eFG%が50%を大きく下回っていますけど、これも「凡ミスが目立つようになった」影響かもです。

 とはいえ、ブラウンのプレーレベル自体は、もはや「CSレベル」ではなくなりつつあるとはいえ、「B1レベル」でならば恐らくまだ2年くらいはできそうな感じですし、再建を目指す球団(例えば京都とか)で「勝者のカルチャー」醸成に重要な役割を担う意味でならば、ブラウンはむしろ「ドンピシャの選手」になるのではと。
 加えて大きな負傷離脱がないことも、ブラウンの大きなプラスポイントの一つでしょう。


 とはいえ、「D・ラモス」争奪戦でいえば、大阪がポールポジションと思ってますけど(そして大阪ブースターでもある自分としては、『御願いだから全身全霊でS・ラモスを獲って欲しい!』が正直な強い想いです。特に島根や広島が今オフもほぼ確実に大型補強をするだろうと考えれば、この「D・ラモス」補強成功は「最低条件」といえる感じです)。
 ですけど、宇都宮の動向、よりはっきりと述べれば「スコットは将来的な帰化希望を持っているのか」は、今オフの移籍市場の「隠れた重要ファクター」といえるのではと自分は強く思ってます。


 (論点6)「ハーパー(京都)は今オフ、残留か移籍か?」

 【ジャスティン・ハーパー(京都)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「19.75」、PPG「17.76」、RPG「7.87」、BPG「0.56」、eFG%「57.3%」)



 読者の中には、「えっ?ショーン・ロング(北海道。今季のBリーグ得点王の座をほぼ手中にしている)ではなくて、ハーパー(京都)なの?」という人間が少なからずいるかもです。
 確かに、ロングも有能なビッグマンですし、移籍市場にもし出たら魅力的な存在の一人でしょう。ですけど自分は、今オフの移籍市場における「外国人ビッグマン」の「最大の注目選手」は「ハーパー」と即答です。


 正直に述べれば、ハーパーについては、「3人の自分」が複雑に交錯しています。

 (1)大阪ブースターとして(大阪は、ハーパーを最優先ターゲットとして全身全霊で獲って欲しい!獲得が実現できればニュービルとのホットライン構築で、これでようやく「スタートライン」に立てるから!)
 (2)京都ブースターとして(御願い、京都から出ていかないで!来季も残留して欲しい、それもできれば複数年契約で!いまの京都からハーパーが退団したら、ガチで「勝負にならない」感じだから!)
 (3)一バスケファンとして(シンプルに「CSレベルの有力球団で躍動するハーパー」が見たい!今季のハーパーは「さすがNBA経験者!」といえる、要所で「違い」を生み出しているから!


 では、ハーパーの移籍可能性の考察をさせて頂くにあたり、ハーパーの「選手としての特徴」を示させて頂きます。


 【ジャスティン・ハーパー(京都)、「選手としての特徴」。】
 (1)ビッグマンなのに「圧倒的なシュートレンジ」。FG試投数に占める3P試投数の比率が、昨季は「34.8%」、今季は「30.7%」ある。
 (2)「アンセルフィッシュ」、つまり「バスケIQが高い」攻守両面で「ポジショニング」に優れる感じで、アシスト数自体は多くないけど、プレーの行動原理が「フォアザチーム」であること。
 (3)((2)と関係するけど)「2nd,3rdオプションでも機能できる」こと。また今季は特に、鈴木達との強固なホットラインを形成している。
 (4)走力が高いので、「アップテンポな攻撃、ランニングプレーに対応可能である」こと。その一方でインサイドのパワー面は平均レベルであることにも留意が必要。
 (5)ベンチにいるときでも声を出せる「ナイスガイ」であること。尤もそれ故に今季前半の大型連敗では敗戦の責任を一人で背負い込むときもあった感じだが。



 そう、自分が今オフの移籍市場で「ハーパー」を要注目選手に挙げるのは、「アンセルフィッシュ」で「ナイスガイ」であることも正直大きな理由の一つですけど、特に「ビッグマンなのにシュートレンジが広い」こと、いわば「ストレッチ4としての資質能力が高い」ことです。
 それでいて、パワー面に優れるとは正直言えませんけど、(ナチュラルポジションはPFですが)Cにも対応できます。これにより「ビッグマンの選手編成に柔軟性をもたらせる」メリットがあるんですよね。




 なぜハーパーを強く推すかって、「俺様がハーパーだぞ!」という感じが、いい意味で全くないんですよ。
 尤もそれ故に、「CSレベルの有力球団にドンピシャの存在だから、そこでのプレーを是非見てみたい!」想いと、「単純に1年でも長く京都でいて欲しい!」想いが複雑に交錯するのですけど。


 京都の試合を観ている人間ならば伝わるかなですけど、ハーパーが京都の仲間を進んで応援していることが伝わるし、京都の仲間もハーパーを応援している、いわばハーパーは「win-winの関係」を京都のチームメイトやHC、スタッフと築けてることが伝わるんですよね。

 京都には、サイモンという優良外国人がいます。
 今季は度重なる負傷、及び加齢により、稼働率及びスピードの衰えが隠せなくなっています(とはいえ出場時での高い得点力及びパワーはいまも健在)が、自分は「サイモンは、『京都の背番号50』が永久欠番になるにふさわしい選手である!」と強く思ってます。で、サイモンもまた「ナイスガイ」なんですよね。

 だからこそ、ハーパーにとって今オフは、とても大きな「決断」になると思うのです。
 恐らく今オフ、京都はまず確実に複数年契約を提示するでしょう。残留を決断すれば、いずれ「『京都の背番号32』を永久欠番にできる」道筋が見えてきます。
 その一方で、現在の京都は、いわば「ドアマットチーム」です。で、今季のハイパフォーマンスを考慮すれば、ハーパーは「CSレベルの有力球団」から、ほぼ確実に声が掛かると読んでいます。


 では、ハーパー(京都)の今オフでの移籍の可能性は?の自分の回答は「50%」です。これはシンプルに、ハーパーが今オフの「決断」において「優先順位に何を置くのか」が正直読めないからです。
 では、ハーパーが今オフに、もし移籍を決断するならば?の移籍先球団を挙げれば、「大阪」「広島」の2球団になります。

 そう、これは理由はシンプルで、「大阪」は今季は散々なシーズンでしたし(それ故に大型補強がマストになっている訳ですが)、「広島」は昨オフに大型補強に成功したはずなのに、特に2月以降は大失速になりました。
 「大阪」「広島」が不本意なシーズンに終わった理由の一つに、「ビッグマンの編成のいびつさ」が挙げられる感じです。


 大阪(ハント、ドブラス、竹内譲)
 広島(エチェニケ、ジャクソン、メイヨ)


 大阪も広島も、主要なビッグマン3人のうち、「3Pがほぼ全くできない選手」を2人も抱えてしまっています(大阪に至っては竹内譲も、今季は得点面ではペイントエリアでのプレーにほぼ限定されている)。
 必然的に、例えば「ハント、ドブラス」が同時出場の感じになり、守備側である相手にとっては「怖さが減退」になってしまいます(クーリー、サイズ、スコット、エサトンのように「ゴール下での強力なパワー」があるならば話は別だし、広島のエチェニケ、ジャクソンは共に強いパワーの持ち主ではあるが)。
 「とりあえず、ペイントエリアを抑えておけばよい」となる、いわば「守り方を確立されるリスクが高くなる」こと。大阪もですし、広島も急失速の一因にはこれがあったのでは、と自分は思ってます。

 (加えて広島の場合、期待の若手であるマーフィーが「チームスタイル」に適応できなかった[はっきり言えば「浮いていた」]ことも、不本意な結果に終わった一因ではと自分は映ってます。正直申し訳ないけど、自分が広島のGMならば、マーフィーは「見切りをつける」で即答です。
 大型補強をするチームにありがちな、「既存の選手がむしろ足を引っ張ってしまうパターン」の典型例ともいえるかなですけど。)


 そう、「大阪」「広島」のいずれであれ、ハーパーはこの「ビッグマンのいびつな選手編成」を改善させる重要な存在になり得ると強く映ります。しかも「大阪」「広島」のいずれでも、ハーパーに資金投資できる資金力を充分に確保できていると考えられます。
 選手編成的なことに加えて、特に広島は、メイヨがいま一つフィットできていない感じがあります(しかもメイヨは「将来的なNBA挑戦希望」を抱いているといわれているので、今オフに見切りをつけてその後継にハーパー、という可能性も充分に考えられます。尤もその場合だと、メイヨがハーパーになるだけでは「問題の本質的な解決とはいえない」ですので、エチェニケあるいはジャクソンのどちらかを、例えばマブンガ[富山]、カーター[元三遠]のいずれかに替えることを併せて要検討になってきますけど)。

 ですけど、ハーパーが今オフの決断で、もし「移籍」という判断をする場合、その最有力は「大阪」と自分は読んでいます。これは「球団の資金力」、「アップテンポなバスケスタイルに符合できるから」も理由の一つですけど、
 「大阪だと、現所属の京都と生活圏がほぼ重なるので、環境への適応がよりスムーズにできるのでは?」
 これが大きな理由です。

 それに、移籍先がもし大阪になれば、「『ニュービル-ハーパー』のホットラインが結成」になりますけど、これによりハーパーは「2ndオプションに回りつつ、CS進出、及びさらにその先を目指せる」というメリットが生まれます。その意味でも、移籍を決断するとすれば大阪が最有力といえるのでは、と考えるんですよね。
 それとハーパーの場合、恐らく契約状況は「今季で契約切れ」なんですよ(昨季のパフォーマンスを考えると、昨オフの時点での複数年契約は、ほぼ考えられない。尤も仮に昨オフに2年契約をしていたとしても、今季のパフォーマンスに照らせば、「残り1年分の契約解除金を支払ってでも獲得に動く価値は充分にある」とは思いますけど。


 上述の考察を踏まえて、「今オフの移籍市場の『6つの論点』」、改めてまとめさせて頂きます。


 【自分(愛球人)が考える、今オフの移籍市場の「6つの論点」。】
 (1)「齋藤(名古屋D)の海外移籍は起こり得るのか?」
 (2)「ベンドラメ(SR渋谷)は今オフ、残留か移籍か?」
 (3)「比江島(宇都宮)の決断は?もし移籍ならばどこへ?」
 (4)「ロシター(A東京)の島根への移籍は起こり得る?」
 (5)「貴重なアジア枠、D・ラモス(富山)争奪戦の動向は?」
 (6)「ハーパー(京都)は今オフ、残留か移籍か?」



 およそ、上述の感じです。では、あともう少しの考察として、「今オフの移籍市場、その他の注目選手」を示させて頂きます。


 今オフの移籍市場、その他の注目選手を3人(テイラー、松脇、テーブス)

 (1)ジョーダン・テイラー(A東京)

 【ジョーダン・テイラー(A東京)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「19.29」、PPG「16.32」、APG「5.87」、SPG「1.55」、eFG%「51.5%」)



 今オフ、テイラーは改めて移籍市場に出る可能性が高い、と自分は読んでいます。理由を下記に示します。

 (1)ルカHCはテイラーに対して「一定の信頼性は示してるが、それ以上の信頼性を持っている訳ではない」と映ること。
 (2)ロシターの退団、及びカークの来季中の帰化が有力視であること。しかしカークは帰化が叶うまではあくまでも外国人選手扱いであるので、外国人選手の運用面を考えると、ビッグマンではないテイラーは「はじき出される」可能性が結構高いのでは。
 (3)正PGを外国人PGに求める可能性が少なからずある球団が複数あること、はっきり名指しすれば「三遠」「京都」。J・テイラーはPGとしては高いレベルのパフォーマンスを保証できるので、日本人選手の正PGを見出せない球団にとっては「これ以上ないターゲット」といえること。


 移籍の可能性については「90%」、移籍先の予想球団は、いま示したように「三遠」あるいは「京都」です。来季はこのどちらかの球団でのプレーの可能性が高いのではないかなと、自分は読んでいます。


 (2)松脇圭志(三遠)

 【松脇圭志(三遠)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「7.70」、PPG「10.29」、APG「2.81」、SPG「1.58」、eFG%「52.0%」)



 昨オフに三猿に移籍したばかりですけど、今オフに改めて移籍市場に出る可能性が高い、と自分は読んでいます。理由を下記に示します。


 (1)シンプルに「個人としてCSレベル」にあること。三遠の今季の選手入場時にも「3&D」とはっきりと明言されているけど、特に「DF型の日本人選手」でならば、移籍市場に出れば恐らく「最高レベルの選手」になると考えられること、つまり「ニーズがある」こと。
 (2)「CSレベル」の有力球団で、特に「DF型」を要補強ポイントにしている球団が複数あること。特に「宇都宮」は、「DF型のSG」という選手タイプに加えて、「この5月で25歳」という年齢的な若さも「補強ターゲットとして特に魅力的」と考えている可能性が高い。
 (宇都宮の今オフの最大の補強ターゲットは「20代半ばでCSレベルにあるPG/SGの日本人選手」。松脇はこの条件に最もドンピシャで合致し得る選手であること。)
 これに加えて、大阪も「DF型」が要補強ポイントの一つであるので、争奪戦に参加する可能性が高い。
 (3)アップテンポなバスケに対応可能であることを今季証明したこと。宇都宮も大阪も、この「アップテンポなバスケ」を志向しているので、松脇にとっては「ステップアップ」になること。
 (4)いまの三遠は、完全な「再建チーム」「ドアマットチーム」であり、しかも現在の清水HC代行の下では、正直「使いこなせている」とは言い難いこと。


 移籍の可能性は「50%~70%」ですけど、特に宇都宮にとっては「年齢構成的な課題を解決できる最高の補強ターゲット」ですので、「残留か宇都宮か」のほぼ2択ではが、現時点での自分の読みです。
 コスパが恐らくあまりかからないであろうことも、財政状況がカツカツといわれている宇都宮にとっては、補強するであろうことにより説得力を与えると映ります。


 (3)テーブス海(宇都宮)

 【テーブス海(宇都宮)、今季成績[30分換算]。】
 (EFF「8.77」、PPG「9.66」、APG「4.90」、SPG「1.15」、eFG%「42.4%」)



 正直、テーブスの今オフの動向は、今オフは「残留か移籍か、正直読めない」のが現時点での自分の正直な解釈です。ですので、移籍可能性の%は「?」になります(ですけど、「齋藤の海外挑戦」「ベンドラメの国内移籍」の可能性よりは恐らく高いでしょう)。

 今季のテーブスのパフォーマンス、あるいはスタッツで見ると、昨季よりは確かな成長は伝わりますけど、「正直、その潜在能力を考えれば、こんなものではない」と強く感じてます
 スタッツでも、試合を観ての技術レベルでも、「CSレベル」には確実にあります。ですけど、テーブスの本来の潜在能力に照らせば、「30分換算でのEFF」は「10点台超え」になっても不思議ではないはずと思っていて、その意味では「環境を変えることも一つの方法かもしれない」と。


 宇都宮は、「年齢構成的な高齢化」という課題を抱えています。それも、この改善が「急務といえるレベル」です。
 テーブスは、この9月で「24歳」。年齢構成面を考えれば、「絶対に残留させることがマスト」と映ります。
 ですけど、宇都宮のチームスタイルに符合できているかといわれれば、正直「NO」に限りなく近いです。実際、重要な場面ではPGはほぼ鵤ですし、比江島がPG的な振る舞いをすることも少なくないです。

 今季の宇都宮はよりアップテンポなスタイルに舵を切っており、昨季に比してだとテーブスのプレーに躍動感が出てきていると感じます。
 ですけど、宇都宮のブースターの中には、「テーブスはスタイルに合っていない、彼自身のためには環境を変えた方がよい、安齋HCの下では優先順位は恐らく『鵤≧テーブス』は動かさない可能性が高い」ということが公然と燻っています。


 移籍した方がよいのかは、現時点では正直「わかりません」です
 ただ、今オフは移籍交渉のテーブルには着いた方がよい、つまり「現所属の宇都宮を含めて、テーブスを必要とする球団すべての声を、まずは一通り聞くことが最も必要なことでは」と。

 具体的な移籍先はというと、正直すぐには思い浮かびません。
 ですけど、少なくともはっきりといえることがあります。

 「いまのテーブスに最も必要なことは、『正PGとしての出場機会』である。宇都宮では恐らくこれは叶う可能性が低い。今オフは、とにかくCS出場という思いをいったん捨てて、『一選手としての出場機会』により強く拘った方がより望ましいのでは。」

 これが、一バスケファンとしての、自分のテーブスへの正直な想いです。


 では、具体的な移籍先候補はといえば、「正PGを確約できるだろう球団」になりますので、おのずと絞られてきます。考えられる球団だと
 「三遠」「京都」「群馬」
 この3球団です。「三遠」「京都」は、選手編成的には「外国人の正PG」の方がより望ましいのではと自分は考えてますけど、この2球団は集客面にも課題を抱えています。テーブスは「華のある選手」でもありますので、「正PGを確約しつつ、集客面でも」という意味では、獲得に動く価値は大きいと考えます。

 その一方で、外国人選手の編成をも考慮して考えると、ポールポジションにいるのは「群馬」ではないかと自分は考えます。理由はシンプルで、
 「『正PGが事実上不在』であり、『外国人を正PGに充てる可能性がほとんどない』から。」
 と。宇都宮とは地理的にわりと近いので、移籍を決断するとすれば群馬が最有力ではという根拠の大きな一つになります。


 それと、もう1球団。可能性としてあり得るのではと自分が読むのが
 「北海道」
 です。いうまでもなく、社長は折茂武彦さん、HCは佐古賢一さんという、日本バスケ界の「生ける伝説」コンビが率いる球団です。
 「テーブスをこのまま埋もれさせる訳にはいかない」、一バスケ人として、この想いは恐らくあるのではないかなと。ですけど一方で、今季の北海道は寺園が正PGですけど、寺園は一選手として今季大きな成長を遂げていて、「CSレベル」に昇華した感があります。

 ただ、北海道も集客面に課題を抱えている球団の一つであり、その意味で「華があり、集客要員になり得る」テーブスは「これ以上ない補強ターゲット」といえるのではと。それと寺園、橋本竜という2人のPGが、いずれも今オフに他球団への移籍が少なからず考えられることも、背景にあります。

 (橋本竜は「北海道にとても馴染めている」と公言している。恐らく移籍するとすれば、島根あるいは広島が「比江島獲得のための重要カード」として補強に動く場合のみかと。寺園については、中山と東海大時代からの盟友であり、「いつか一緒にプレーしたい」と公言したことがある、しかも秋田は今オフの要補強ポイントは「正PGの補強」と「古川の契約延長」とピンポイントにできることや、そのプレースタイルから寺園の今オフの秋田への移籍は可能性は低くないのではと。
 そう考えると、「テーブスの北海道移籍説」は「むしろロジカル」と映るんですよね。)


 いずれにせよ、テーブスは「このままで終わって欲しくないPG」です。正直、好きな選手の一人でもありますし。
 どのような決断になっても、勿論尊重しますけど、「後悔のない決断をして欲しい」、今回挙げたどの選手の中でも、特にテーブスにはそう強く思ってます。


 移籍市場は、1日で、いやその一瞬で、動向が激しく動きます。
 その「ドラマ性」が大好き。でも選手にとっては、「人生をかけた決断」になる訳です。
 「後悔のない決断をして欲しい」。いま特に伝えたいことは、これです。

 一バスケファンとしては、島根が今オフに「日本版デスラインナップ構想」を実現させるのかを、特に楽しみにしています、それができる圧倒的な資金力と、コアメンバーがいる訳ですので。
 そして、大阪。CS出場、そしてCSファイナル進出、これを叶えるには「チームを大幅改造する覚悟での大型補強」がマストと、声を大にして伝えたい!昨オフのように「補強に失敗しました」を繰り返して欲しくない、そう強く伝えたい想いです。


 【バスケットボール#5C】

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