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河村勇輝の海外挑戦の可能性の自分的考察(その1)。【Bリーグ】【NBA】【エッセイ】

 プロローグ




 「河村勇輝が、名実共に『Bリーグのno.1の中心選手』に上り詰めたことを証明した瞬間。」

 2022年12月3日、12月4日。「熱狂の空間」(個人的には、Bリーグ版の「地獄へようこそ」であると思ってますけど)といえる「ブレックスアリーナ宇都宮」での、「宇都宮vs横浜BC」。
 相手である宇都宮は、「直近の優勝チーム」「異次元の熱量を持つファン」「人気と実力を併せ持つ比江島を擁する」「リーグ最高レベルの組織的守備」、つまり、河村を擁する横浜BCにとっては「これ以上ない最高の相手の一つ」です。

 実は「宇都宮vs横浜BC」は、今季のPSM(プレシーズンマッチ。9月18日に「TKCいちごアリーナ(鹿沼)」で開催)でも1試合していて、そのときもバスケットLIVE視聴をしてましたけど(後追いでですが)、「71-71」と結果は引き分けでしたが(PSMでは基本的に延長はないことが多い)、河村の成長を感じた(このときは「13得点、13アシスト」)試合でした。
 今季の開幕直前展望で、自分は横浜BCを「今季の『要注目球団』。河村が健康体ならば中地区2位は現実的」「今季に横浜BCをCS出場に導ければ、河村はそれだけでもMVPに大きく近付くといってよいと、真顔で思ってます」と述べてますけど、そのように考えた理由の一つが、PSMでの宇都宮戦の試合内容でした。「これはCSレベルの有力球団とも、ある程度は勝負できるのでは」と。
 とはいえ、12月3日、4日の宇都宮との2連戦での河村は「想像以上の成長で、異次元の領域に到達しようとしている」、そう感じたんですよね。


 【河村勇輝(横浜BC)、「vs宇都宮」での、圧巻のスタッツ。】
 12月3日(42EFF)(32得点、13アシスト、3リバウンド、4スティール)
 (FG「14/22」、3P「3/9」。3Q以降は主導権をほぼ掌握。
 チームEFF「97」の40%強を河村1人で叩き出す。)
 12月4日(39EFF)(34得点、6アシスト、5リバウンド、1スティール)
 (FG「10/15」、3P「6/10」、FT「8/9」。ほぼブザービーターの3P。
 チームEFF「73」の半数以上を河村1人で叩き出す。)


 この2試合、「バスケットLIVE」で観ていました(「4日日曜日」は後追いでしたけど)。「異次元のパフォーマンス」と自分は感じてますけど、その後の「三遠との3連戦」(7日、10日、11日。7日は天皇杯)「仙台との第2戦」(18日)と、「異次元のパフォーマンス」を連発しています。「大阪との第1戦」(24日)での「ラスト1分35秒での『7得点1アシスト』」も、これに含められるでしょう。
 「ゾーンに入った」という表現だけでは説明し切れない、そのような感じに映ってるんですよね。


 「コートに立ちたくても立てない選手だったり、いま自分がコートに立てているのは当たり前じゃないんだというところを、試合に、コートに入る前に再認識するために、(可能な限り)一礼して全力で戦うんだと誓って、やっています。」
 (2022年12月3日、「横浜BCvs宇都宮」試合終了後の河村へのインタビューの言葉より。質問者はこの試合の解説を務めた網野友雄さん[現白鴎大学監督。元アイシン〈現三河〉など、現役時代はSF/PFとしてアイシンで「JBL2回、天皇杯4回優勝」に貢献、日本代表でも活躍]です。)


 プレー面のみならず、一人の人間としてもとても素敵であること(一緒に仕事ができれば、とても幸せだろうなあと)、それも河村の魅力の一つであると感じます。



 いまのようにBリーグを生観戦するきっかけの大きな一つが、2019年ウインターカップの河村でした。

 いや、高校野球でいう松坂大輔さんみたいに、「永遠の伝説」でしょう、高校バスケでの河村の輝きは。


 いま、12月20日火曜日の「B MY HERO」(毎週「火曜日18時」に、バスケットボールキングのYouTubeチャンネルでライブ配信です)のリンク添付をさせて頂きましたけど、そこで自分は、「Bリーグを生観戦するきっかけの大きな一つが、2019年ウインターカップの河村でした」と述べてます。
 それと、このコメントの少し後で自分は、「いや、高校野球でいう松坂大輔さんみたいに、『永遠の伝説』でしょう、高校バスケでの河村の輝きは」とも併せて述べてます。



 で、2016年。紆余曲折を経て、「Bリーグ」誕生。
 (バスケファンならば御存じの人間が多いかなですけど、)日本バスケ界は、それまでいわゆる「分裂状態」でした(「JBL/NBL」[旧実業団が中心]と「bjリーグ」[完全プロだが、競技環境では見劣り感が]の分裂状態)。なぜ自分が国内バスケと「心の距離」が生じてたかというと、シンプルに「テレビで観る機会が物理的になかったから」、これに尽きます。
 「Bリーグ」が誕生してからは、生観戦の機会はなかったですけど、テレビであるときは、時間が合えばですけど観てはいました。でも、いまのように「とても強い熱量で楽しむ」とは、正直想像していませんでしたけど。

 そんな中で、2019年。「河村勇輝(現横浜BC)の躍動」。その前年から、福岡第一で「とても質の高いプレー」で、高校バスケを席巻でしたけど、高校3年生になったこの年、その衝撃は町田を凌駕する、まさしく「異次元」の感じでした。
 特に、ウインターカップ決勝での「vs福岡大大濠」。最終スコアは「75-68」でしたけど、得点差以上に内容がとても濃密で。ラスト、大濠の横地の「渾身の3Pシュート」、そして御互いを称える姿に、「だからバスケットボールって素晴らしいんだ!」と、とても心を揺さぶられたんですよね。いま思えば、この試合は「いまの自分をつくる大きな転機」と感じます。

 (「2022年11月19日」の自分のnote記事「2022年秋、『日本バスケ界が1人でも多くの人間に愛されることが叶う』ための方法論の私見(その1)。」より。)


 で、先程、河村について「高校野球でいう『松坂大輔』のような存在」と述べました。自分にとってはそれほど「とてつもない衝撃」という意味ですけど、自分にとって「1998年夏の選手権大会の横浜高校」は、自分自身の「心の原点の一つ」といえる「特別な存在」としてあるのです。


 「スポーツ観戦」、自分にとって「心の原点」であるのが、1998年夏の高校野球の選手権大会。いわゆる「松坂世代」の夏大会で、特に優勝した横浜高校の「ラスト3試合」は、それこそ「永遠に語り継がれる」伝説です。
 その中でも、準決勝の「0-6からのラスト2イニングでの『奇跡の大逆転サヨナラ勝利』」。この試合の生観戦が、自分自身の大きな「心の原点」です。というのも、この当時の自分は「中学2年生」でしたけど(中学3年生まで、阪神甲子園球場がある西宮[兵庫県]に住んでいた。その後は大阪)、このときの記憶は、いまもずっと自分自身の「心の支え」「誇り」であり続けています。つらいとき・苦しいときに直面すると、「あのとき自分はあの感動を経験できたんでしょ?」と自分を奮い立たせる一助になってますし。

 (「2022年11月19日」の自分のnote記事「2022年秋、『日本バスケ界が1人でも多くの人間に愛されることが叶う』ための方法論の私見(その1)。」より。)



 高校時代である1998年に、それこそ「社会現象といえる衝撃」を示した松坂は、プロ入り後も瞬く間に「日本球界のエース」に上り詰めて、2006年、2009年の2回のWBCでは「日本代表のエース」を務めました。
 現役晩年は「ボロボロになるまで」の感じは拭えませんけど、それでも自分にとって松坂は「心のヒーローの一人」です。

 そう考えると、自分にとっての「河村勇輝」は、日本バスケ版の「松坂大輔」といえるのです。尤も松坂が「より感覚的」な選手であったことに対して、河村は「より理論的」な選手であると自分は解釈していますので、その意味で違いがあるといえますけど。


 で、いまでも自分は野球も大好きです。というか、自分のnote記事ではバスケットボールが最大のメインですけど、自分にとってはバスケットボールも野球も、どちらもとても大好きです。これについては、恐らくこれからもずっとそうでしょう(それに現実論として、安定して地上波及びBSで放送してくれる野球と相撲はとても貴重な存在でもある訳で、その意味でも野球の重要性が大きく落ちることは考えられないということもあります)。

 ですけど、自分がこうしてバスケットボールに魅了されるのは、いくつもの理由があると感じています。

 【自分(愛球人)が「バスケットボールに魅了される」理由。】
 「頭を使う」、これが自分の性(しょう)に合うこと。
 「よく得点が入る」けど、その一方で「いかに得点を取るか」「いかに失点しないか」の激しい攻防があること。
 「スポーツ観戦」であり、かつ「ライブ鑑賞」でもあること(←この「一挙両得」はバスケットボール独特と感じてます!)。
 携わる人間(球団職員、マネージャー、アナリスト、チアリーダー等)の「息づかい」を感じられること、そして携わる人間の「想い」が詰まっていること。

 だからバスケットボールに魅了される、と感じているのです。


 話を戻しますと、いずれにせよ、「宇都宮との2連戦」「三遠との3連戦」での圧倒的な活躍を踏まえて、自分の中で
 「『2023年のnoteの第1回』のテーマは『河村勇輝』にしよう。」
 と、心に決まりました。もう、「自分が日本代表のHCであれば」、「日本代表の正PGは河村で固定する」の感じですし(ちなみに個人的には現況では「河村、齋藤、富樫」であると考えてます、この3人が同時代でBリーグで躍動していることにとても感謝ですけど)、「いずれそう遠くないうちに『海外挑戦を決断する』は充分にあり得る」と。

 そう考えると、「河村の海外挑戦の可能性を考える」、これは「ホットなテーマである」といえるのでは、と感じるんですよね。で、「河村の海外挑戦を考える」を「2023年のnoteの第1回のテーマ」にすると決断したのが、「京都vs三遠」を生観戦する前日の「12月16日金曜日」です。



 いまリンク添付させて頂いた記事は、趣旨としては
 「『NBA』『ユーロリーグ』『中国リーグ』それぞれの特徴及び違い。」
 がテーマです。

 あとで述べますけど、日本人選手(Bリーグの選手)が海外挑戦をする場合の「理論上の選択肢」としては、下記の感じになります。


 「NBA」「Gリーグ(NBA傘下)」「ユーロリーグ」「欧州各国リーグ(ユーロリーグ出場圏でない球団)」「中国リーグ」「豪州リーグ」等。


 よく、日本人選手の海外挑戦で真っ先に語られるのは「NBA」です。
 自分自身、もともとはNBAメインで見ていて、「2019-2020」シーズンにBリーグの生観戦を始めるまでは、欧州各国リーグなどの外国バスケの事情を全く存じていませんでした。ユーロリーグは欧州各国リーグの球団の中でも「選ばれし球団」によるリーグであることも。


 【主要な海外リーグ、それぞれの特徴。】
 (リンク添付の記事に明記されていないことも一部含まれてます。)

 NBA(説明不要の「世界no.1のリーグ」で「永遠の憧れのステージ」。プレーの質は勿論、給与水準、メディカルケア水準も他国リーグを圧倒。長所を顕著に示せると重宝され得るが、短所を炙り出されやすい傾向も。)

 ユーロリーグ・欧州各国リーグ(「攻守両面で組織的」「まずは守備ありき」が特徴で、アイソレーションをほぼ使わない傾向。また、「ユーロリーグ球団」と「それ以外の球団」で給与水準に大きな差が。)

 中国リーグ[CBA](「攻撃重視」「個人主義的」の傾向が強いことが特徴で、給与水準はNBAに次ぐno.2。全体のリーグレベルはユーロリーグをやや下回る。ただし外国人枠が「3枠」に限られている。)

 豪州リーグ[NBL](リーグレベルは中国リーグをやや下回るが、Bリーグよりは上。アイソレーションも用いるが全体的にはむしろ組織的な傾向が。ただし外国人枠が「3枠」に限られているが、これとは別に「アジア枠」が「1枠」あり、理論上は「最大4枠」になります。)
 (河村がNBLに入団の場合は「アジア枠」になります。豪州NBLは「10球団」ですけど、現時点で「アジア枠」の適用選手は「2人」のみです。)


 いま、各国リーグの特徴・傾向を示させて頂きました。
 欧州各国リーグについては、位置付けがはっきりしていない感じがありますけど、それ以外の主要なリーグ(Bリーグを含む)では、下記の感じがはっきりと読み取れます。


 「NBA」≧「ユーロリーグ」≧「CBA」≧「NBL」≧「Bリーグ」≧「KBL」及び「PBA」
 (「KBL」は「韓国リーグ」、「PBA」は「フィリピンリーグ」。)


 今回の考察・論述において、まず、いま示させて頂いた「格国リーグの特徴・レベルの位置付け」を抑えて頂ければと思い、「主要な海外リーグの特徴」の概要をまず綴らせて頂きました。


 で、記事の構想を考える中で、下記のツイートが飛び込んできました。



 簡潔に述べれば、「各国のプロリーグ(NBA参加のリーグである「Gリーグ」在籍をも含めてです)在籍選手の中で、『将来のNBA選手候補ランキングの30位』に河村が入った。」という内容です。
 勿論これは「とてもすごいこと」です。ただこれは「からくり」があって、「NCAA(米国の大学バスケ)在籍選手が含まれていない」ですし、「Rating」の欄で河村は「5.31」とありますけど、そう考えると
 「将来のNBA候補選手ではあるといえるけど、今後1~2年でのNBA入りの可能性は『あり得ない訳ではないけど』のニュアンスが現況では。」
 と、自分は正直感じています。

 ですけど、河村について、「持っているスキル」の意味では、自分は
 「スキルという意味だけでいえば、NBAでも勝負できる感じといえるのでは。」
 と、自分は感じています。でも一方で
 「心情的には、NBAで観たい。でも現実的には『【よほどでない限り】は、NBA到達は【172cmという身長】の1点で、恐らく【門前払い】』では。その一方でやり方次第では(例えば3~5年後とかに)NBAへの扉をこじ開ける可能性はゼロではない。」
 が、自分の解釈です(河村の現時点での身長・体重は「172cm,68kg」です)。どのようなことか。



 河村と似たタイプの選手で、「ファクンド・カンパッソ」というPGがいます。
 「180cm,88kg」で、アルゼンチン代表で長く正PGを務めています。レアル・マドリード(スペイン)で「2017年~2020年」の3年間で正PGを務めました。
 恐らく「非NBAの選手では最高レベルのPG」です。で、2020年に満を持してのNBA挑戦(このとき29歳)、ナゲッツに2年契約で入団します。
 ナゲッツでは第2PGを務めて、NBAでも通用できていたと自分は解釈してますけど(1年目、2年目共に「65試合出場」「出場時間は20分程度」。ちなみに渡邊雄太がラプターズ時代が「12分程度」、今季のネッツでが「19分程度」です)、昨オフは移籍先探しに苦労して、今季の所属先決定(マーベリックス)は開幕直前。で、今季は「8試合、出場時間6分程度」と、いわばほぼ起用されずで放出、いまは「ツルヴェナ・ズヴェズダ」というセルビアリーグの球団でプレーとのことです(「ユーロリーグ」級の、欧州では有力球団の一つです)。

 このカンパッソ、NBA時代は「パス優先型のPG」と評価されることが多く、守備力も特徴の一つと評価されていました。ですけど結果は、この「非NBAの選手では最高レベルのPG」と評価されているカンパッソでさえ「わずか2年強でNBAを去らざるを得なかった」が現実である訳です。



 それに、ここ5年くらいで、NBAのスタイル、戦術が急激に変化してきています。特に淘汰が急激に顕著であるのが「180cm未満のPG」「古典型ビッグマン」の2タイプです(全くなくなっている訳ではないですけど、需要が減少していることははっきりしています)。

 実際、NBAの正PGの身長をみると、ほとんどが「185cm以上」で、しかも半数ほどの球団が「190cm超えの正PG」です。
 「190cm前後」って、BリーグだとSFの身長です(実際、ニュービルやライトはしばしばSFを務めていますし)。



 「アレン・アイバーソン(元シクサーズ等)」。自分が大好きな選手の一人ですけど、アイバーソンは公称では「183cm」です。ですけど実際は「175cm~178cm程度」であったといわれています。アイバーソンの場合は「圧倒的な得点能力と精神力」が故に「スーパースター」へと上り詰めた訳ですけど。



 アイバーソンと共に、「サイズに恵まれない(背が小さい)バスケ選手」の代表例として、「マグシー・ボーグス(元ホーネッツ等。160cm)」「アール・ボイキンス(元ナゲッツ等。165cm)」「アイザイア・トーマス(元セルティックス等。175cm)」が挙げられます。
 トーマスは、昨季までNBAに在籍してましたから、記憶している読者は恐らく多くいるのではと想像です、特にセルティックス時代は「オールスター出場2回」「平均得点20点超え」等の鮮烈な活躍でしたので。

 その中でも、河村にとって「よきロールモデルの一人」になり得ると考えるのが、ボーグスです。ボーグスが輝いた時代(主に1988年~1996年)と現在とでは、特にNBAはスタイル・戦術が大きく変化していますので、単純比較はできない感じではあります。
 ですけど、ボーグスには「4つの大きな魅力」がありました
 「バスケIQ」「コートビジョン(視野の広さ)」「守備能力(スティール能力を含む)」「精神力(気持ちの強さ)」です。




 あとで説明させて頂きますけど、河村の「選手としての特徴」も、ボーグスの4つの特徴とほぼ合致しています。「バスケIQ」「コートビジョン」が河村の大きな魅力ですけど、「守備能力の高さ」も河村の特筆の一つです。
 それに河村の大きな魅力の一つとして、「頭のよさ」もありますけど、「向上心が人一倍強い」ことが伺えます。これはある種「求道者」のような感じとも映りますけど。



 1つ目はピッチャーの投球ラインに沿ってバットを入れていく後ろの大きいイメージのスイング。これが自分のベースとなるスイングです。
 2つ目はトップからインパクトまでの距離を最短でとることを意識した、上からたたく大根切りのイメージのスイング。前でさばく必要のある高めの球を処理する確率を上げたいときに使うスイングです。
 3つめは投球ラインよりも少し下からバットを入れていくスイング。ミートの確率が多少下がることを承知で、ホームランを打つ確率を上げたい時などに使います。

 (高校野球ドットコム「卓抜した打撃理論を持つ吉田正尚はMLBでも高次元の成績を残せるか」[2022年12月18日]より。)


 野球の吉田正尚(オリックス→レッドソックス)は、卓越した打撃技術で日本球界のトップ選手へと上り詰めて(プロ入り前は「大学日本代表の4番打者」であったが、当時の評価は必ずしも高くはなかった)、今季からMLB挑戦を叶えますけど(「出塁能力の高さ」が特徴であるとよくいわれますけど、確かに本塁打数は「20~25本塁打程度」ですけど、その飛距離は実は日本人選手では卓越なんですよね)、そこには「独特の緻密な打撃理論」があるといわれてきました。で、いまリンク添付させて頂いた記事では、この「独特の緻密な打撃理論」を持つ説を証明していることが伝わります。

 河村も、吉田正尚のように「求道者」のような感じである、と自分は解釈しているんですよね。


 で、話を「河村の海外挑戦の可能性」、特に「NBAに到達することは可能であるか」に戻しますと、


 「心情的には『NBAで観たい』し、単純な『個人スキル』『バスケIQ』でいえば『NBAでも通用できる』と期待したい。でも現実論として、少なくとも現時点では『172cmという身長が、大きなリスクになる。直近の1~2年でというのは、ほぼゼロと考えざるを得ない』に近い。
 ただ、『日本代表の活動』、特に『2024年パリ五輪の世界最終予選の突破(=パリ五輪出場)に貢献』を叶えて、『中国CBAまたは豪州NBLで2年程度のハイパフォーマンス』を示し続けて、という『いくつかのステップ』を突破できれば、『NBA球団での第2PG』の道に届くかもしれない。

 その一方で、『ユーロリーグ』『欧州各国リーグ』は、スキル的には対応可能とは映るけど、『言語』『治安』『日本代表の活動への影響』の3つに照らせば、『リターンよりもリスクの方が恐らく大きい』ので、積極的な選択肢とはいえないのではと。
 現実論として、例えば『現役の豪州代表のレギュラークラス』にして『Bリーグ史上最高レベルの外国人選手』である『ニック・ケイ(現島根)』は、『豪州NBLでのMVP』という実績を引っ提げての欧州リーグ挑戦を叶えたけど、その挑戦先である『レアル・ベティス(スペイン)』は、『ユーロリーグ級の球団』ではなかった(リーグレベル自体は欧州で最も高いスペインリーグであったが、スペインリーグの中では「平均やや下」の立ち位置の球団であった。しかもニック・ケイの欧州挑戦はわずか1年であった)。

 それに河村の場合、『日本代表への想い』が特に強いように映るので、海外挑戦の実現の場合はこれを特に考慮の必要があると考えられる。そう考えると、例えば『2023年夏』あるいは『2024年夏』での海外挑戦の行き先で考えると、特に『リーグレベル』『日本代表活動への影響』『NBA行きへのステップの可能性を残す』の3つの観点に照らせば、『中国CBA』『豪州NBL』のほぼ2択であると考える。

 より可能性があるとすれば、『豪州NBL』と考える。理由は特に『アジア枠の存在』『言語面』の2つで(中国CBA、豪州NBLは共に「外国人枠の3枠」に入る必要があるけど、豪州NBLは「アジア枠が別に最大1枠」あるため)


 上述のことが、現時点での自分の考えです。「より望ましい挑戦時期」については、これについて話すだけでも長くなるのが目に見えてますので、(その2)で言及させて頂くことを、御理解頂ければです。

 理想としては、河村が「日本のボーグス」になれれば、最も望ましいことであると考えますけど、より現実的な感じとしては、下記の2人の感じの領域にまずはどれほど近付けるかになるのでは、と自分は考えてます。



 「Kay Felder」(ケイ・フェルダー。1995年生まれ、「175cm,80kg」、中国CBAで現在5年目。CBAでは「20得点、8アシスト」程度と活躍)。
 「Bryce Cotton」(ブライス・コットン。1992年生まれ、「182cm,75kg」、豪州NBLで現在7年目。豪州NBLでは「パース・ワイルドキャッツ」一筋で、「NBL優勝3回」「NBLでのMVP3回」等に輝き、「生ける伝説」扱いと伺う。パースとは「2025年夏」まで2年半もの現行契約を残していることがその証といえる)。

 特に「ブライス・コットン」は、河村の「当面の大きな目標の一人」といえるのではの感じです。コットンの豪州NBLでの成績は
 「22得点、4.5アシスト、1.5スティール、20PER」
 (「PER」は「EFF」と計算式がやや異なるけど、「貢献度の指標」ですので、わかりやすく選手の価値を示す指標といえます。)
 と、河村よりは「スコアリング型により近い」といえますけど、圧倒的な数字を7年間ずっと示し続けています。現行契約を全うできると仮定すると、そのときには「9年間をパース[豪州NBL]でプレー」の計算です。

 ですけど、そのコットンは「NBA経験者」ですけど、NBA時代の成績は「23試合(先発0)、8.6分」と、爪痕さえ残せませんでした。フェルダーのNBA時代の成績は「58試合(先発0)、9.2分」と、こちらも同様です。
 Bリーグで圧倒的な輝きを示し続けている「ペリン・ビュフォード(島根)」「ディージェイ・ニュービル(大阪)」「ニック・ケイ(島根)」も、実は「NBA経験はゼロ」ですけど、つまり「NBAは異次元のステージ」であることが伺える訳です。


 では、(その2)では、河村勇輝についてをより深く掘り下げて、「河村の今季のスタッツ・内容」「河村の海外挑戦はいつの実現がより現実的か」「河村は『中国CBA』『豪州NBL』への挑戦はどれほど現実的か」についての言及へと進めます。


 【バスケットボール#20A】【エッセイ#9A】

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