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比江島、優勝おめでとう!(その1)【#Bリーグ】【2022年CS決勝】

 プロローグ(比江島のCSでのスタッツ)

 【比江島慎、優勝インタビュー(2022年、CSファイナル第2戦。2022年5月29日、東京体育館)。】
 (涙声、早口が混じっているため、完全な「文字起こし」になっていないことに御留意頂ければです。)

 Q1「年間王者、おめでとうございます。」
 比江島「(涙を拭いた後に)ありがとうございます。」

 Q2「いま、熱いものがこみ上げています。いまどんな気持ちでしょうか?」
 比江島「(しばらく泣いた後)すごく嬉しいです。」

 Q3「去年、このCS決勝で悔しい思いをしました。去年の悔しい思いは、この優勝につながっていますか?」
 比江島「そうですね、同じ舞台で、悔しい思いをしましたし、まあ個人としても、チームとしても、すごく成長を感じられたし、正直すごく嬉しいです。」

 Q4「今日、24得点。前半からガンガン攻めました。終盤まで動きが落ちませんでした。振り返っていかがですか?」
 比江島「まあ、あの、チームでタイムシェアをしながら、チーム一丸となって、この2試合戦ってこられたので、最後は本当に『我慢勝負』でしたけど、しっかり全員で戦えて、よかったと思います。

 Q5「これで、CS、無傷の6連勝。しかも、並み居る強豪(千葉J、川崎、琉球)を倒しての優勝です。振り返っていかがでしょうか?」
 比江島「本当にタフな道のりといいますか、去年のチャンピオン(優勝)の千葉Jさんに勝って、川崎さんにも勝って、千葉Jさんと川崎さんの想いを背負って、最後、琉球さんという西地区で最も素晴らしいチームと戦えて、本当に幸せです。」

 Q6「最後に伺います。比江島さんのキャリアの中で、この優勝、どんな価値があるでしょうか?」
 比江島「いやまああの、一つの夢でもあったので、まあ本当に、長かったですけど、ここまでくる道のりは。でもまあ、やってきたことが間違っていなかったことを証明できましたし、本当にあの、ここまで成長してこられたので、今日は、優勝を分かち合いたいなあと思います。


 「叶え、みんなの夢」。
 テレビアニメ『ラブライブ!』2期13話のタイトルです。
 その1話前の2期12話「ラストライブ」は、日本アニメ史上でも最高レベルの伝説回ですけど。

 それになぞらえさせて頂けば、この「2022年、CS(チャンピオンシップ)」。

 「叶え、比江島の夢!」

 これがテーマであったと、自分は解釈しています。
 今回の記事では、勿論、宇都宮と琉球で勝敗を分けた要素についても言及させて頂きますけど、記事の大半は「比江島」に光を当てさせて頂くことを、何卒御理解頂ければです。


 【比江島慎(宇都宮)、2022年CS、6試合の主要スタッツ。】
 5.14(第1S第1戦、vs千葉J)(81-70、27:19、EFF24)
 (21得点[FG8/14、3P3/6、FT2/6]、7A、3ST)
 (今季の比江島は「PG的なプレー」が多くあった。)

 5.15(第1S第2戦、vs千葉J)(77-70、23:44、EFF8)
 (14得点[FG5/14、3P1/5、FT3/4]、5A、3R、1ST)
 (EFFがやや下がったのは、4ファウル、TO4の影響?)

 5.21(準決勝第1戦、川崎)(83-70、27:42、EFF20)
 (12得点[FG3/8、3P1/5、FT5/6]、7A、4R、1ST)
 (フィーラー、スコットの爆発を活かすプレー重視の結果?)

 5.22(準決勝第2戦、川崎)(77-73、31:44、EFF28)
 (24得点[FG5/13、3P5/10、FT9/9]、6A、3R、1ST)
 (4Qだけで「11得点」。うちFTが「8/8」。)

 5.28(決勝第1戦、琉球)(80-61、26:22、EFF25)
 (17得点[FG5/10、3P0/2、FT7/7]、4A、2R、3ST)
 (4Qだけで「11得点」。圧巻の「比江島ステップ4連発」!)

 5.29(決勝第2戦、琉球)(82-75、31:52、EFF23)
 (24得点[FG8/14、3P1/3、FT7/11]、2A、4R、2ST)
 (4Qだけで「14得点」。特に「0:46」のバスカンで勝負を決めた!)

 成績(168:43、EFF128)[平均28:07、EFF21.3]
 合計(112得点[FG34/73、3P11/31、FT33/43]、31A、16R、11ST)
 平均(18.7得点[FG5.7/12.2、3P1.8/5.2、FT5.5/7.2]、5.2A、2.7R、1.8ST)

 CS平均成績(30分換算)(EFF[22.7]、「28:07」)
 (20得点[FG6.1/13.0、3P1.9/5.5、FT5.9/7.7]、5.5A、2.9R、1.9ST)

 4Qだけでの得点数(「0-6-2-11-11-14」、合計「44得点」)
 (平均得点数[7.33])

 RS平均成績(30分換算)(EFF[18.04]、「22:01」)
 (15.7得点[FG5.5/11.2、3P2.2/5.2、FT2.4/3.3]、5.1A、3.0R、1.5ST)



 いま、比江島のCS(及びRS)のスタッツを、示させて頂きました。
 RSに比してだと、このCSでの比江島は、下記の特徴が見えてきます。


 【2022年CS、比江島(宇都宮)、RS時との相違の部分。】
 (1)平均出場時間(「22:01」→「28:07」)
 (CSでは平均出場時間が上がること自体はある種当然だが、安齋HCが「優勝モード」に入った証明といえるかと。)

 (2)FG試投数[30分換算](「11.2→13.0」)
 (「3P試投数」自体は変化はない。RSでは「3P試投数」を増やしていた感があったが、CS、特に決勝では代名詞の「比江島ステップ」を多用。)

 (3)FT試投数[30分換算](「3.3→7.7」)
 (4Qの「ファウルゲーム」による部分も含まれるが、それを考慮しても試投数が大幅に増加。いわゆる「バスカン」(アンドワン)の奪取によるものが含まれるからか。特にCS決勝では第1戦、第2戦共に、試合の流れを決める「アンドワン」奪取があった[いずれも成功]。)



 後で改めて言及させて頂きますけど、このCS、とりわけ決勝での比江島は、「伝説的なパフォーマンス」として後世に語り継がれて欲しい、これは自分が比江島が「最推し選手」だからということを抜きにして、純粋に「一人のバスケファンとして」、そう強く感じます


 「『点を取る形』では、琉球が有利。宇都宮は『比江島』か『インサイドでのゴリ押し』の2パターンの傾向が強い。特に比江島がファウルトラブルに陥れば、宇都宮は『詰み』といってよい。」

 ((中略)

 その一方で、宇都宮。「点を取る形」は、本質的には「比江島」か「インサイドでのゴリ押し」の2パターンの傾向が強い。勿論、日本人選手の3Pも有効な方法だけど、あくまでも「ロールプレイヤーの延長線上」の域を出ない。
 「ラストでのデザインプレー」の勝負になったとき、宇都宮ができる方法は「比江島ありき」に絞られるのではと。それが「3P」か「1on1(いわゆる「比江島ステップ」)」かはともかくとして。
 そう考えると、「勝負どころ」での「守備戦術での優先順位」では、琉球により有利になる。考えられる方法は、2つに絞れるから

 「琉球の守備戦術で、より優先順位が高い2つの守備戦術」とは、第1に「比江島個人軍」化すること[現にCS準決勝で琉球は、島根を「ビュフォード個人軍」化させた。具体的には「安藤誓の無力化」]。第2に「比江島を封じて、ファウルトラブルに持ち込む」こと
 「比江島をどう封じるか」は「わかっていても難しい」リスクはあるけど、比江島を「ファウルトラブルに陥らせる」戦術は導き出す可能性はあるかもと。はっきり述べれば、比江島が「ファウルトラブル」に陥れば、宇都宮の「攻撃の2ndオプション」は、質が大きく落ちるからだ(その意味で、ロシターの退団は大きなダメージといえる)。

 そして琉球には、「比江島封じの切り札」がいる。そう、「フリッピン」である。現にフリッピンは、千葉在籍の昨季のCS決勝で、攻守の両面で比江島を苦しめ続けた
 今季の比江島は、自分が「no.1オプション」として躍動していて「キャリアハイ」のパフォーマンスであるので、昨季の比江島とは単純比較できないことを考慮の必要はある。しかし、琉球が「フリッピン」という「比江島封じの切り札」を擁していることはアドバンテージになる可能性はある。)

 (2022年5月27日、「CS決勝(琉球vs宇都宮。2022年)、自分なりの展望(その2)」より抜粋。)



 よくも悪くも、宇都宮は勝負どころでは「戦術比江島」でいくだろう。
 それこそ、かつてのロケッツの「ジェームズ・ハーデンの1on1頼り」、ニックスの「カーメロ・アンソニーの1on1頼り」のように。
 というか今季は、安齋HCが「戦術比江島」を公言していた。
 そう、琉球だって「わかっている」はずである。それに対して、どう対応するのか。

 「やってくるんだろう?やればいいじゃないか」と割り切るのか。
 「やってくるんだろう?ならば絶対に封じてやる」と真っ向勝負か。

 CS準決勝で琉球は、「vsビュフォード」という意味で、前者の戦術を選択していました。ですので、「vs比江島」という意味で、どちらの戦術を取るのかは、とても興味深い感じでした。


 で、結論を述べると、琉球の戦術は「真っ向勝負」(つまり後者)を選んだ。しかし、
 「わかっていたのに止められなかった、より正確には『止めさせなかった』」
 そう、「比江島ステップ」は「究極の領域」に到達した。だから、「優勝」「ファイナルMVP」を叶えた。自分は、そう解釈しています。


 「比江島ステップ」を改めて、自分なりに問い直す


 「比江島ステップ」と「ユーロステップ」は、どう異なるのか?
 自分では、どう異なるのかを「言葉に落とし込めない」。



 ずっと自分は、一人のバスケファンとして、この「比江島ステップ」と「ユーロステップ」の違いを、問い続けてきました。
 だけど今季の1年間を通して、及び、このCS、特に決勝を通して(第1ステージ、準決勝は、島根によりウェートを置いて見ていたので)、自分の中で、やっと「言葉に落とし込めた」感じがしています。


 「比江島ステップ」と「ユーロステップ」は「全く似て非なるもの」
 より厳密には、「比江島ステップ」は「誰にも真似できない、必殺のオリジナル技」、いわば「野球でいう『魔球』」のようなもの
 あえて述べれば、「比江島ステップ」は、1990年代にNBAを席巻した、「アキーム・オラジュワン(元ロケッツなど)」の「ドリームシェイク」の「日本人ver」と形容する方がより「すとんと落ちる」。

 そう、「比江島ステップ」も「ドリームシェイク」も
 一連の動きの中に、複雑にいくつもの動きを同時に組み合わせて使い分けているので、それ故にわかっていても止めようがない」
 その意味で、とても相通ずるのではと。




 いま、まず、今季のRSの比江島の動画を3つ、リンク添付させて頂きました。

 (動画1)「2021.10.17、vs茨城」(「20:03」、EFF18)
 (17得点、4A、2ST、1B)
 (「1:42~2:03」が、代名詞の「比江島ステップ」。この場合、「一瞬のアジリティー」「シュートフェイク」で違いを生み出している。
 この直前の「1:20~1:42」でのブロック。この場面と、その直後の「比江島ステップ」で、「今季の比江島は違うぞ!」と強い期待感を持てた。
 ちなみにこの試合、「NHKBS1」で放送、自分も見てました。)

 (動画2)「2021.10.27、vs千葉」(「28:17」、EFF27)
 (21得点、3A、2R、2ST、1B)
 (「0:13~0:37」「1:05~1:19」「1:19~1:33」「1:33~1:58」と、「比江島ステップ」がこのハイライト動画だけでも4回載っている。
 「8.6万回」とバズっているが、このパフォーマンスで、「比江島は完全復活どころか、それ以上もあるのでは」という期待感に。最終的に「今季はキャリアハイ」であった訳だが、この象徴的試合といえるかと。)

 (動画3)「2022.4.24、vs秋田」(「25:13」、EFF18)
 (21得点[FG9/14]、2A)
 (この動画の特徴は、いままでの比江島だと「比江島ステップ」がより強調の傾向であったけど、「3Pの使い手としてもトップレベル」であることを示している動画なこと。実際、今季は3Pの試投数も成功率も大きく上げており、この試合でも3Pは「3/4」。またFG「9/14」は、試投数、成功数共に今季最高の数値でした。)


 三河時代に戻ったって言ってる人多いけど三河の時の倍ディフェンスやってる事忘れてるぞ。
 橋本比江島金丸JRギャビン時代なんてほとんどディフェンスやってないようなもんだったよ。オフェンスにその分振り切ってたんだから。そりゃ30点近く取れるさ。しかもハーフコートオフェンスがメインだし。宇都宮に来てからは前からディフェンス厳しくチェックついて時には相手チームのエース級にマッチアップしてトランジションオフェンスで走りまくって4Qの大事な場面でラストショット任せられるって、いくらタイムシェアしてるからって労力半端ないぞ。
 宇都宮でのDFの成長はオリンピックの試合にもかなりいい影響与えてたし。
 洛南高校時代からずっと応援してる身としては、三河の時みたいに30点以上取る比江島ももちろんみたいのは分かるけど、ディフェンスをどれだけちゃんとやっての20点なのかもちゃんと評価して欲しい。
 (出典:「YouTube『【変幻自在】これが宇都宮のエース!必殺"比江島ステップ"でゲームハイの21得点!!|宇都宮#6 比江島 慎』」でのコメント[2021年10月27日])
 [https://www.youtube.com/watch?v=lhlUe5V6Cto]



 いま、引用させて頂いた言葉。この言葉、3月28日のnote記事(3月16日の「大阪vs宇都宮」、つまり「初めての比江島の生観戦」の記事でも、引用で用いさせて頂いた言葉です。
 これを改めて引用させて頂く理由。そう、シンプルに
 「一バスケファンとして、全面的に共感できるから!」




 いま、「比江島ステップ」に特化した動画を、3つリンク添付させて頂いてます。時間及び文章量的なことから、細かい説明はここではしませんけど。
 日本バスケで、「ファンタジスタ」といえば、並里成(琉球)を形容する言葉として使われることが多いです。勿論、並里が「ファンタジスタ」であることは、自分もとても共感ですし、並里も好きな選手の一人です。
 ですけど自分は、
 「比江島こそが、日本バスケ界でno.1の『ファンタジスタ』である!」
 そう強く思ってます。




 「ファンタジスタ」。自分は比江島が「最推し選手」である理由は、まさしくこれに尽きるのですけど(それでいて、オフコートでは「俺様が比江島だぞ!」感が全くないギャップも魅力ですけど)、NBAでも、伝説的な「ファンタジスタ」がいます。

 「マヌ・ジノビリ(元スパーズ、元アルゼンチン代表)」。
 「ミスタースパーズ」の一人であり、「ユーロステップ」の始祖でもあります。
 「比江島ステップ」は、現時点では「誰にも真似できない」、それ故に「ドリームシェイクの日本人ver」と自分は解釈していますけど、「ユーロステップ」は、その派生型を含めて、いまではバスケの有名な技巧の一つになっていること。


 オラジュワン。ジノビリ。ああ、だから自分はバスケが大好きなんだ、と学ばせてくれる存在です。ですけど、NBAなこともあり、「手が届かない存在」という感覚が正直あります。
 そう考えると、自分は正直、こう感じているのです。


 「比江島慎」という「稀代のファンタジスタ」を、こうしてずっと日本で観られること、これ自体が「奇跡」だし「感動」だし、「感謝」に尽きる
 それでいて、3Pやパスの技術、さらにはスティール能力まで向上し続けていて、「スキル」に加えて、その「向上心」も見習いたい。
 だからこそ強く思う。「いつの日か、『比江島ステップ』が、その派生型でもよいから、その使い手なる日本人選手が生み出されて欲しい。
 それと共に、比江島がいつか、オラジュワンのように、その「比江島ステップ」や「幾多のオフェンススキルの極意」を、「若い選手」や「中高生世代」に伝えられる「スキルコーチ的な存在」としてずっとバスケ界に貢献できると、とても嬉しいです



 尤も実は、比江島は2018年に、豪州NBLに挑戦して(ブリズベン・ブレッツ)、ですけど半年も持たずに帰国を余儀なくされた苦い経験があります。
 これほどの圧倒的な技巧を持っていて、それで豪州NBLで通用できなかったとか、どれほど世界はすごいのか…、と。

 で、宇都宮での3年半。
 正直、「2019-2020」シーズン終了(2年目終了)の時点で、
 「比江島は宇都宮のスタイルに合っていない」
 という意見は、バスケファンの中で公然と出始めていました。
 まあそのときは、移籍説までは出てませんでしたけど。


 ですけど、昨季は、右膝の負傷もあって、シーズン後半は「6thマン」起用。
 「スタイルに合っていない」との声は、特に「6thマン」起用後に一気に顕著になり、そして特に、「CS準決勝」(vs川崎)、「CS決勝」(vs千葉J)での苦悩のパフォーマンス。
 とりわけ、昨季のCS決勝、第3戦。
 「12得点を挙げるも、『FG4/12、3P1/7』。しかも『5ファウル、退場』」。
 「事実上の戦犯、敗因」。そういわれました(確かに真っ向から反論するのは難しいけど…)。
 比江島ファンとして、とても悲しい、悔しい気持ちでした。

 真実は、未だに分かりません。あの「6thマン」起用のことは、比江島も、安齋HCも、ほとんど語ろうとしませんでしたので。いえることは、「確執はなかった、本人の間では相互にコミュニケーションはできていた」こと。
 だけど「6thマン」起用に、一人のバスケファンとして「激しく強い違和感」を抱き続けていました。これは「比江島ファン」だからを抜きにして。

 で、昨オフの移籍市場。比江島は、「移籍市場の最注目選手」になりました。特に広島への移籍説は、公然と囁かれ続けた。
 理由はシンプル。「1stオプションでの起用の確約」「高校(洛南)時代の盟友である辻の存在」「よりアップテンポなスタイルを志向していると思われるので、宇都宮より合うのでは」と。




 で、最終的には、「6月16日」に、残留の発表でした。
 正直、「思ったよりも早い段階での決断」だなあと。

 昨オフの移籍市場のことは、比江島自身からは実質的には語られていません。ですのでこれも、真実は「想像の域を出ない」になります。
 ただ、これは恐らくですけど、「一通りは他球団の話を聞いたけど、まずは残留が第一義」だったのではと。その上で、「スタイル、起用法などを改めて、安齋HC(及びチームスタッフ)とじっくり話し合った」のではと。
 それで納得できて、「早い段階での残留発表」になったのではと。


 東京五輪(あるいはそれに向けての親善試合)での比江島は、
 「吹っ切れた」
 と自分は感じました。「わだかまり」があったのかはわからないですけど、少なくとも「わだかまり」は、「残留発表」の時点でもう完全になくなってたのではと。

 いや、あるいは、安齋HCとの「わだかまり」は、そもそも存在していなかったのかもしれない。
 もしかしたら、あのときの「6thマン」起用は、
 「比江島の今後の選手生命を考えて」
 の「親心」だったのかもしれない。実際、昨季の出場記録を読み返すと、出場時間が「25分」を超えないように留意していることが伺えますので、RS後半戦では「25分の時間制限」をかけていたのかもしれません。


 いままでの宇都宮は、勿論ファストブレイクも用いていましたけど、基本的には
 「ロシターが1stオプション」「ハーフコート主体」
 と、自分は解釈していました。

 ですけど、昨オフに宇都宮は、いわば
 「比江島を中心にチームをつくる。少なくとももう1年は『勝負モード』でいく」
 ことを明確にした。昨季のCS決勝の時点で既に
 「宇都宮の年齢構成面での高齢化」
 はいわれていたけど、日本人選手は全員「残留」になった。

 で、安齋HCは、今季の開幕前に
 「今季は、比江島を最大級に活かす。そのため、『よりアップテンポなバスケ』に挑戦する。」
 これを明言しました。
 実際、いわば「超守備的」なバスケはそのままに、でも「よりアップテンポ」なバスケになったことが明確に伝わりました。


 で、今季の比江島。「キャリアハイ」のパフォーマンスと述べましたけど、実は宇都宮入団からの昨季までの3年間は、「20得点以上の試合がゼロ」でした。


 【比江島慎(宇都宮)、今季のRSでの得点面でのスタッツ。】
 「20得点以上(3試合)、17得点以上(11試合)」
 「10得点以上(32試合/51試合)、FG試投数10以上(18試合)」
 (「17得点以上の[11試合]は、全てが[FG試投数9以上]」)
 「EFF20以上(13試合)、EFF10以上(34試合/51試合)」



 今季のRSの比江島は、目に見えて得点面のスタッツが向上してます。




 で、「挑戦者」として臨んだ、今季のCS。
 「vs千葉J」「vs川崎」。しかも、いずれも「アウェー」。
 しかし、比江島も、宇都宮ブースターも、ギアが上がった感じ。
 (第1Sでのvs千葉は「40%弱」、準決勝でのvs川崎に至っては「50%弱」が宇都宮ブースターでした。「vs川崎」では、等々力がもはや「中立地」と化してました。)

 比江島は、第1S及び準決勝の4試合のうち、3試合で「EFF20超え」。
 「圧倒的パフォーマンス」で、CS決勝の大舞台へ。
 そう、「最大の夢」を叶えるために…。


 気が付けば、この時点で既に、かなりの文字数になっています。
 では、「CS決勝」については、(その2)で綴らせて頂きます。


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