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知恵袋にはないベストアンサー

何度も何度も検索してしまう。

どこかの誰かの恋愛相談とそのアンサーたち。

男友達から恋人に発展する方法,相手の気持ちを確かめる方法,こうなったらあなたのことが好き,異性として見てくれる,告白せずに相手の気持ちを確かめる方法,やらなんやら。

そんなもんが本当の意味で役立ったことは今まで一度だってないし,そもそも私はそんなんで攻略できるような恋愛には魅力を感じていないはずである。

でもなんか不安になって,勇気をもらいたくて,祈りのような感情で思いつく限りの検索ワードを振り絞って何度も何度も,自分と同じようなシチュエーションを,インターネットという大海原の中に探しに出かけてしまう。

そんなことしてる暇があるなら,具体的な行動計画や,どうにか伝えたい言葉の推敲をしている方がよっぽどマシなのに。

いい加減もうやめよう,私と全く同じ状況を生きている人間なんてどこ探してもいるわけないし。

というわけでどれだけ探しても見つからない非常に個人的な恋愛状況と,自分なりに考えたことを書き記しておこうと思う。万が一,奇跡的に,誰かの救いとなることを祈って。

人間的に魅力的すぎる男友達。の話。

彼はあまりにも人間的に魅力的すぎる。今まで出会ったことのないタイプ。仲良くなって5年ほど経ち,その間にいろんな出会いも付き合った人もいたけれど,彼以上に魅力的な人間はいないんじゃないかと本気で思ってしまう。しかも厄介なのは,とんでもなく人として希少性が高すぎるがゆえに,そう簡単に好意を伝えて疎遠になりたくない,失えない,という絡まり絡まってしまった私の感情のあり方。魅力的すぎるから,失えないから,ずっと友達のままでいよう。もう何度,そう決断したことか。

彼といる時がいちばん自分が素敵な人間やってるなーと思えるし,え,私こんな素敵な優しさを持ち合わせてたんだと我ながら関心することもあるし,彼と缶チューハイ片手に代官山から渋谷まで散歩している時が最も世界は面白くて,楽しくて,幸せで,自由でいいんだと思える。どんなありふれた言葉でも、彼から放たれるとそれはもう、全く別物の美しさ、清らかさの形として私の身体に染み渡ってしまう。でもあくまでも大切な友達。だって彼がそう思っているから。数少ない大事な友達だって言うから。それなら,裏で,めちゃめちゃバチバチに私のこと褒めてる,なんて言わないでよ。帰り際,私好みの文庫本をずっと前から渡そうと思ってた,とか言ってさ,いきなり急にプレゼントしないでよ。優しくしないでよ。期待させないでよ。素直になれない私は,私もあなたのいいところバチバチにたくさん言えるよ。なんて言えなくて,何故か「じゃあ今度会った時,褒め合いラップバトルでもするか〜」とか言ってしまった。何だよそれ。

ところで昨日寝る時にふと思ったんだけど,ずっと友達で,なんてありえない話じゃん。結婚したらそう簡単には会えなくなるし,そもそも私だっていつこの世からいなくなるかわからない,正直な気持ちを伝えないと死ぬ時いちばん後悔しそう。一気に怖くなった。いつか絶対にいなくなってしまうこと。私の前からか,この世界からかはわからないけど,それだけは確実。

ずるい私は来週あたり,お酒の力を借りて,酔った勢いで電話し,気持ちを全部正直に伝えることにした。もうこうなったら理想的なシナリオなんて描けないし,もちろん付き合いたいなんて,正面切っていうつもりも無い。だって振られて気まずくなって,会えなくなくなるのだけは勘弁して欲しいから。

あなたは他に類を見ない素晴らしい人であること,いつも助けられていること,優しすぎて心配になること,いくつもの大切な言葉をくれたこと,何かあったら私を頼って欲しいこと,あと今後,その,あなたが嘘か本気かわからない調子で語っている,運命的な出会いとやらが訪れなかったら,もう私の所に来ればいいじゃん,あくまで冗談っぽく,伝えてみよう。何も言わずに死ぬよりは幾分か救われると思う。仲のいい友達に褒められて,嫌な気する人なんていないし。そうあくまでも,仲のいい友達のままで。

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