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【282日前】世界選手権の振り返り

ようやく言語化できそうなので世界選手権の振り返りをします。まずはたくさんの応援、サポートありがとうございました!

今回の世界選手権は東京パラの前哨戦ということで4年サイクルに生きる上ではリオ後一番思い入れのある大会でした。「4位以内で東京パラ代表内定」であったので、来年の目標である「東京パラで金メダル」のためには、今回の世界選手権で4位以内は「当たり前に達成すべき目標」と考えていました。

しかし、結果は6位と惨敗。現状を打破しないといけません。私はリオからの3年間を含めた世界選手権までの取り組みと世界選手権の結果を今一度冷静に振り返る必要があると思い、試合後からこの2週間ひたすらに分析をしてきました。そこで気づいた現時点での解を書きます。

目標設定は正しかったのか?
まずリオからの再出発として、そもそも論として目標設定は正しかったのか?を振り返りました。

結論として、合っていたようでもしかすると間違っていたのかもしれないと気付きました。

その理由は、「金メダル」という自分ではコントロールできないものを盲目的に追いかけていたからです。

もちろんアスリートとして、しかも仕事として競技をするのであれば「結果」は求められるべきだと考えています。その結果を求めて、盲目的に「金メダル」を目指して取り組んできて、いつも「金メダル」を獲ると公言してきました。

しかし、「金メダル」という目標には相手という外的要因が大きく関わるため、自分ではコントロールできない目標となります。

ヴィジョンとして金メダルを考えるのであれば、金メダルがほしい→モチベーションが上がる→いい結果に繋がる可能性は大きくあると思います。

しかし、目標として設定する金メダルには、金メダルがほしい→でも金メダルの行方は当日までわからない…→わからないものに対して予測して努力するのは難しい。

「金メダル」という目標は具体的そうで実はかなり抽象的なものです。抽象的な目標は自分に100%の意識が向いた状態で努力ができるのかという疑問が出てきます。

そして今回も「4位以内」という自分ではコントロールできない目標を盲目的に追いかけました。相手のことがチラついて自分に意識が向きにくい状況を自分で作っていました。

当日の試合展開
11/11には今できるベストな状態に仕上げました。しかし、当日向かい風が強烈な状況で私にとって最悪のコンディションとなりました。

元々体重が軽くパワー系でもないので向かい風には苦手意識がありました。加えて、本番に向けて身体をかなり絞っていたので、試合開始から急な不安に駆られました。

案の定、助走がうまく走れず1-3本目まではベスト8に残るのもやっとの状況。3本目で10位から8位に逆転をしてギリギリ4本目以降に進出。

6本目にやっと向かい風にアジャストできて6位まで順位を上げて競技終了という流れでした。

試合中、ずっと「やべぇ…」と焦っていました。全く冷静ではなく、自分に自信がない状態でした。6位入賞はせめてもの意地です。

振り返ると、やはり「風」というコントロールできない要因を強烈に意識してしまったことで完全に自分を見失いました。もしも自分にフォーカスされた冷静な思考であったならば6本目の動きを1本目から出せたはずです。

そして「4位以内」というプレッシャーが、これまたコントロールできないライバルを強烈に意識してしまい全く自分にフォーカスできず自滅したような感覚があります。

陸上は1センチを競う世界です。自分に集中して自分に自信がある状態で挑まないと最高のパフォーマンスは発揮できません。最高のパフォーマンスができなければ勝つことはできないと痛感しました。少なくとも今回メダルを獲った選手たちからはすごい自信を感じました。試合中、彼らの背中は自分よりも格段に大きく見えました。

今回の世界選手権で学んだこと
手に届くと信じていた目標を逃してしまった切なさ以上に自分にフォーカスし切れず不完全燃焼してしまったことがとにかく悔しいです。これから東京パラに向けて正念場ですが、自分は跳べると強く信じて自分に意識を向かせながら努力することが大切だと思っています。

今このことに気づけたことは今後の人生に大きな影響を与えてくれそうです。

自分を信じて全力チャレンジし続けます。

ここからの成長を楽しみにしていてください。
ありがとうございました!

人の心を動かす、そんなチャレンジがしたいです。パラリンピックに向けた取り組みをぜひ応援よろしくお願いします!