見出し画像

【#44】簡易的に営業キャッシュフローを算出する

こんにちは、公認会計士の三上光徳です。

前々回と前回は、“減価償却”について説明しました。



本日は、その“減価償却”の知識を使って、簡易的な営業キャッシュフローを算出する方法をお伝えします。



前回の復習:減価償却費の最大の特徴


まず、前回のメルマガの復習です。思い出して欲しいのは以下の1点です。

減価償却費の最大の特徴:減価償却費は現金の支出を伴わない』


消耗品費として360が計上されていれば、それはすなわち360の現金支出と、おおよそ同義です。しかし、減価償却費として360が計上されても、現金支出が360あったかといえば、全く関係がありません。
減価償却費というのは、税金計算のための特別な計算で算出された数値にすぎないのです。



簡易的な営業キャッシュフローの算出



~~~~~~~~~~~~~~
キャッシュフローとは
~~~~~~~~~~~~~~

キャッシュフローとは、特定の期間(ex.1年間)にどれだけ現金預金を獲得したのか、あるいは減ったのかということです。

例えば、売上金として1,000獲得して、仕入として800支払ったのであれば、
営業キャッシュフローはプラス200となります。

ちなみに、
営業キャッシュフローの他には
・財務キャッシュフロー
・投資キャッシュフロー
という分類があります。

例えば、1,000の借入を行い、返済を50行った場合、
その期の財務キャッシュフローはプラス950となります。

例えば、1,000の設備投資を行えば、
その期の投資キャッシュフローはマイナス1,000となります。


~~~~~~~~~~~~~~
簡易的な営業キャッシュフローの算出方法
~~~~~~~~~~~~~~


会社の決算にあたって作る決算書は、通常は以下の3つです。

・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書

そうです、「キャッシュフロー計算書」は通常は作りません。
しかし、簡易的に営業キャッシュフローを算出することができます。


その算式は以下のとおりです。
------------------------------
営業キャッシュフロー=営業利益+減価償却費
------------------------------


つまり損益計算書の営業利益に、減価償却費の金額を足しこめばよいのです。


例えば、以下のような損益計算書(P/L)だったとします。

------------------------------
<P/L>
売上:3,000
仕入:1,000
販売費及び一般管理費:1,500
(内、減価償却費は360)
営業利益:500
------------------------------



では、この会社の営業キャッシュフローはいくらでしょうか?

------------------------------
営業キャッシュフロー
=営業利益+減価償却費
 =500+360
 =860
------------------------------


つまり、この会社は1年間で営業活動により、おおよそプラス860のキャッシュフローを生み出したということです。

但し、厳密なものではなく、簡易的なものであるという点は認識しておきましょう。



本日もお読みいただきありがとうございました!
『SuBAL通信』は週2回の投稿を予定しています。

見逃さないように、是非是非フォローお待ちしています!(noteのアカウントをお持ちでない方も、♡マークのスキを押して応援お願いします!



アガットイノベーション公式YouTubeも始まりました!

アニメで学ぶ経営管理と題して、最新投稿では『海外展開』について解説しています!ぜひご覧ください。


三上光徳

アガットイノベーション


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?