マガジンのカバー画像

112
和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

行進は深夜のペンギン

行進は深夜のペンギン

深夜11時

濡れた路面が

凍りだした

夜の街から

家路を急ぐ

人の

人の

人の

歩き方は

雪国



雪の日の

自然と身につける

歩き方で

ペンギンランナウェイ

急がず慌てず

少しづつ

前へ前へ前へ前へ

走りながら妊む想像力

走りながら妊む想像力

ケーキを右の掌に乗せて走る
さながら
右腕はへその緒の様に
箱の中のケーキと
母なるわたしを繋いでいる

おもたさと
腕の張りと
存在感と

掌に
胎動を感じる


動いた
動いたよ
動けば動くほど
わたしの心は
気が気ではなくなる
擬似母性本能
箱の中のわたしの赤子

わたしは産むんだ

時速10キロの掌の上で

 

See Moredistance

See Moredistance

見知らぬ他人同士

相席した無言の二人

座席の真ん中に僅かな隙間

マフラーの色と柄が

双子コーデの女の子二人組

keepdistance

この瞬間に

距離が縮まったらいいのに

keepdistance

運命なんて言葉は

はじめて行った

barのようなものだ

この剥き出しの足は何処へ向かう

ランドセルを背負った少年とすれ違う
上着だけもこもこしている女子高校生とすれ違う
剥き出しの足と
剥き出しの足が
行き違う
ダイバーシティ
ラットじゃないんだ
走るだけ走って走ることだけが目的でぐるぐるそんなことしていられないが横柄で乱暴なあなたはこの剥き出しに耐えられますか?