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#生物多様性

SPUN:地下世界のフロンティア、菌根菌ネットワークをリサーチする

SPUN:地下世界のフロンティア、菌根菌ネットワークをリサーチする

Ryuichi Nambu

はじめに

気候変動や生物多様性の問題にとって植物が重要なアクターであることは周知の事実だが、その土の下に、「菌根菌」という微生物の活躍があることは、まだあまり注目されていない。彼らは植物にとって必要不可欠な養分を土から吸収し、植物と交換している。ほとんどの植物は、菌根菌と共生関係を持っていて、彼らなしではうまく育つことができない。

とある菌根菌は、非常に多くの炭素

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フードフォレスト:森の多様性で食べ物を育てる

フードフォレスト:森の多様性で食べ物を育てる

Takeshi Okahashi

「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんの著書で印象的なのが、何年もかけて完全無農薬のリンゴづくりに挑戦したもののうまくいかず、もうこれは命を持ってして償うしかないと思い詰め、山の中に入っていき死に場所を探していたその時に、ロープをかけようとした栗の木の根本の土壌の豊かさに気づくシーンだ。木村さんは、森の土が何をされるわけでもなく豊穣な土壌をつくっていることにインス

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ミヤワキメソッド:だれでも簡単に森をデザインできる?

ミヤワキメソッド:だれでも簡単に森をデザインできる?

Rina Horisawa

気候変動問題に焦点を当てたカルチャー雑誌『Atmos』のニュースレターを読んでいると「Miyawaki Method(ミヤワキメソッド)」 という日本人の名を冠した方式に出会った。調べてみると50年ほど前に日本の生態学者、宮脇昭教授が編み出した森を育てる方法がヨーロッパでカタカナになり、ミヤワキメソッドとして広まっているようだ。ヨーロッパだけでなくインドなどでも、世界

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タイニーフォレスト:みんなでつくる小さな森ムーブメント

タイニーフォレスト:みんなでつくる小さな森ムーブメント

Mai Hashiba

身近なみどりの価値はじめて新型コロナの危機を迎えた今年の春、自宅近くの大型公園はいつも以上に混雑していた。遊具には立ち入り禁止のテープが貼られ、三密を避けるアナウンスが流れ続けていたけれど、外出自粛をきっかけに、多くの人が、自然の心地よさや清々しさを五感で感じられる場所が自分の「身近にあること」の重要性を実感したのだろう。

では、そうした緑地はいま東京のなかにどのくらい

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