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小説のようなもの

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#エッセイ

窓辺と女

窓辺と女

窓辺から見上げた星は光り方を教えてくれない。

どれくらい経っただろうか。室内なのにコートを着たままあたしは窓辺に突っ立っていた。タバコの煙が目に入って我に返った。殆どが灰になった可哀想なタバコを一口吸ったところで自分が泣いている事に気付いた。しょっぱさを苦みでかき消すように慌ててもう一口煙を吸い込む。泣くためにタバコを吸っているみたいでまた涙が出てきた。

左へ少しずれたら1階へつながる階段があ

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とっくのとおに。

とっくのとおに。

疲れてメイクも落とさず寝てしまった日の翌日は、シャワーから上がって顔にパックをする。

昨日の自分から今日の自分への申し訳程度の施しだ。

今日も生活は続いていくなんて辛いなあ。

 2年前のクラブイベントで声を掛けてきた男の人と2年ぶりに会ってホテルに行った時、合コンで出会った全然タイプじゃない男と3回目の飲み会で深夜にゴリ押しされてホテルに行った時、私は好きな人じゃなくても感情を殺してセックス

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