アオリンゴちゃん

ミスid2021に、出場しています。 ブログには書けないこと、ありのまま。 どこにでも…

アオリンゴちゃん

ミスid2021に、出場しています。 ブログには書けないこと、ありのまま。 どこにでもいて、どこにもいない元少女Aちゃんです。全部嘘だよ。嘘だよ。

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次の日

昨日の雨から打って変わったような快晴の元、異様にスッキリとした気分で駅に向かったのに、流れ来るサラリーマンの波と、「これから今日を始めるぞ」というような人々を見て急に自分が恥ずかしくなった。ここにいてはいけないような気持ちにすらなる。そう言えば傘なんて持ってる人は私くらいだし、いかにも朝帰りな、落ちたメイクの疲れた顔をシャキッとさせる気力はもう残っていない。 今日も自分を大事に出来なかった、と落ち込む朝、早くも秋から冬に変わったような冷たい風を体に浴びて部屋へと歩く。歩くの

    • 窓辺と女

      窓辺から見上げた星は光り方を教えてくれない。 どれくらい経っただろうか。室内なのにコートを着たままあたしは窓辺に突っ立っていた。タバコの煙が目に入って我に返った。殆どが灰になった可哀想なタバコを一口吸ったところで自分が泣いている事に気付いた。しょっぱさを苦みでかき消すように慌ててもう一口煙を吸い込む。泣くためにタバコを吸っているみたいでまた涙が出てきた。 左へ少しずれたら1階へつながる階段がある。暗い。鳴る音を探す。無意識に手を伸ばす。小さい頃怖かったこの家の暗闇も、今で

      • まどろみ

        空が落っこちてきた。 青色が目に入って私は全てを理解した。 一瞬だけ記憶を失う癖があるのは誰にも言っていない。いや、癖ではない。切り離した一瞬を永遠に感じる感覚は私を生きていると強く実感させる。今日は雲が動く速度が早い。 心が追いつくようにまだ寝ていよう。そう思った途端耳に当たる芝生の感触が私の頬を緩める。右手に握ったスマートフォンの電源をそのまま切る。スマホの電源を切るのは何日ぶりだろう。こうして簡単に人間も電源を落としてしまえればいいのに。 そこに存在するものの確かさで美

        • とっくのとおに。

          疲れてメイクも落とさず寝てしまった日の翌日は、シャワーから上がって顔にパックをする。 昨日の自分から今日の自分への申し訳程度の施しだ。 今日も生活は続いていくなんて辛いなあ。 2年前のクラブイベントで声を掛けてきた男の人と2年ぶりに会ってホテルに行った時、合コンで出会った全然タイプじゃない男と3回目の飲み会で深夜にゴリ押しされてホテルに行った時、私は好きな人じゃなくても感情を殺してセックスが出来るな、と気付いて実は風俗嬢の素質があるんじゃないか、なんて思った。そんな事

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        • 小説のようなもの
          4本
        • 私だけの物語
          13本

        記事

          夏を知っていく。

          苦手なビールをビニール袋に入れた左手が君のアパートの手摺を掴んで今日も私は階段を登る。 「扉の向こうには希望が待ってる」、 君の好きなバンドの歌詞を口ずさみながら重たい鉄の扉を開ける。 いつもみたいに君のソファが私に馴染んだ頃、ビールを飲んでご機嫌な君は無理やり私の髪を乾かすけれど、私はその瞬間の無言が好きだった。 本当に聞きたいことなんて聞けないし、この轟音だらけの世界で君に会う度に私はビールを飲むのが上手くなってしまう。 味も、匂いも、炭酸も、嘘ばかり歌うあのバンドと同じ

          夏を知っていく。

          天井のハートと梅雨明けと。

          「なんかさ、持参するの忘れて思いがけず使った旅館のコンディショナーが意外と良くて、髪がサラサラになった時ってさ、なんか寂しくない?嬉しいんだけど悲しいよね。」 行為が終わってシャワーを浴び終えた君が床にぽたぽたと水滴を垂らしながら、話しかけてくる。半裸の君はお構い無しだけど、なんとなく目のやり場に困って、テレビの横の棚に目をやる。 「わかる!意外とよく分かんないメーカーのコンディショナーがいいんだよね!!」と言いかけて、昔の恋人と温泉に行ったことを思い出して口に出すのをや

          天井のハートと梅雨明けと。

          だから私はアイドルをやめた

          心が散らばっている時ほど、心と真逆の事をしてしまう。 学校も行けないほど心がとっちらかっていた時、誰にも言わずアイドルオーディションに申し込んだ。 狭い事務所で名ばかりの面接をしたら、その日のうちにその事務所に所属が決定した。 アイドルが好きなわけではなかったし、寧ろ苦手とも言えた。劣等感を刺激されるため、可愛い女の子が苦手だった。可愛い女の子がちやほやされる様を見るのが嫌だったし、羨ましくて妬ましかった。 そんなことを思うくらいなら私もそっち側になれば良いじゃんと思い、ネ

          だから私はアイドルをやめた

          社会人、そしてこれから

          社会に出て2年目にして仕事が出来なくなってしまった。 どうしたって無理なのだ。 就活の時は世界が広がった気がして、何者にだってなれると思っていた。 何者にもなれない。 1度切れた糸を元に戻すことが出来なくなってしまった。 四六時中仕事の事を考えて、出来ないながらも必死に追いつこうとして、苦手な作業や興味が無い仕事や仕事の為の勉強をして、夜まで働いた後に明日が来るのが怖くなってひたすら毎日お酒を飲んで、友達が帰った後も1人で街に残り、朝まで飲んでそんな生活を繰り返していたら

          社会人、そしてこれから

          大学生

          作文を書くだけで大学に進学できた。 エスカレーターに乗せてくれた親には尽く感謝だ。 とにかく苦しくて、世界が煩くて、感情が尖っていて、毎日バクバクしていたし、焦燥感に駆られていた。 体は起き上がることが出来ないし、誰にも言えずに死ぬのかと思っていた。 ある男の子が眠れるまで1年間毎日電話してくれて、完全に依存しながらも少しずつ元気になっていった。毎日家に帰ってから次の日の朝起きるまでずっと電話を繋いでいた。その人が居ないと生きていけないと思っていた。 まあ、いなくなった今も

          高校生

          バンドをやった。 SNSをやった。 世界が広がった。 他校の生徒にも、様々な音楽にも、ライブハウスにも、夜の街にも少し触れた。 音楽を沢山聴いて、Twitterを沢山見て、様々な人の感性に触れた。 悩みがないことが悩みだった中学時代から一変して、めちゃくちゃ沈んだりもした。 闇を抱えた人がかっこよく見えて、見たり真似したりしているうちに、抜け出せないほど自分の思考も暗くなってしまった。 変わっている男の子と付き合って、理解できない事や家庭環境、育ってきた状況の違いが多すぎて、

          中学生

          バンドをやろうと思った。 軽音楽部に仮入部して、ギターを親に買ってもらうべく一緒に楽器屋に行った夜、親にバンドなんて大変なんだからやめとけと言われて、呆気なく辞めた。 その後バドミントン部に入部して、練習したりサボって部室で漫画を読んだりしていた。 荒れていた地元の小学校から一変してお嬢様学校に入学した私は、授業中の静けさに驚いたり、お金持ちの文化に触れて小さくなったりしていた。 同級生たちはみんな元気で良い子達だったし、人見知りなりに友達も出来た。グループ内でのいざこざは

          小学生

          何故か勉強が出来た。教科書はぜんぶ解けたし先生の話を聞かずに先の方のページを読んでいたしテストは5分で解き終えてほぼ毎回満点だった。分からない子の気持ちが分からなかった。 まあ、塾に通って既に習っていた所を授業で習うだけだったので当たり前である。 中学受験用の塾に通い始めたら、私より頭の良い子供なんて沢山いたし、自分は秀才なのでは?という幻想は呆気なく砕かれた。 それでも学校の勉強は楽勝だし親の遺伝で運動神経も良かった。顔もものすごくブスという訳ではなかった。どちらかと言うと

          子供時代

          思えば、変な子供だったと思う。内気なくせに変なところで一人になりたがるし、人との違いを感じざるを得なかった。 私の一番最初の記憶は、うちに来ていた知り合いの大工さんに年齢を聞かれて指で”3”とやったら母親に「違うでしょ、4才になったんでしょ」と言われた時だ。つまり、4才になりたての頃の記憶から私の、私が書ける私だけの物語は始まる。 よく、生まれる前の記憶を持っている子供などがいるが、一切そういう類の経験はしたことがない。霊感も全くない。ただ、小さい頃、実家の階段の下、トイ

          ミスドとリンツのチョコと油そばとちばチャンの唐揚げと餃子とアイスと

          今日もまた、食べては吐くの繰り返しだ。 ご飯を食べる度に吐かないとお腹が気持ち悪くなる。罪悪感で気が狂いそうになる。 外食すると決まって最後にトイレに行って吐く。あんまり遅いと心配されるから、スピード勝負だ。 居酒屋でも飲み会の途中で吐いている。そうすると、お酒を吐いてると思われる事がよくあるが、違うと言いたい。でも言えないな。 痩せてる訳では無いのに吐いてるなんて言ったら、全員から「なんのために、、、?」と思われそうだし、「吐いてその体型?」と思われるのも嫌だ。 物心付い

          ミスドとリンツのチョコと油そばとちばチャンの唐揚げと餃子とアイスと

          私は禁煙が出来ない

          永遠に何かを無くすのが怖い。 無くせる勇気が持てないのだ。 色々なものに支えられながら、もたれ掛かりながら、日々を抜けてきている。 煙草を吸っている時、昔の男の影響でしょ?と言われると何も分かっていないなと思ってしまう。私は私のせいで男を喫煙者にしたことだってあるのだぞ。……ああ、本当にダサいな。 長生きをする気がないし、少しでも気が紛れるなら、と思ってハタチから始めた煙草は、いつしか車が買えるくらいになるのだろうか。 車なんて要らないし、将来だってそんなには要らない。今

          私は禁煙が出来ない

          死とセックス

          セックスの時、割と死ぬ事を考える。 途中から私は相手の体を通り越して宙に浮いて、早く終わらないかななんて思うし、人間って無防備でバカバカしい格好でセックスをするよな、と笑えてくる。どんなに偉くても頭が良くても一生懸命に裸で他人に対して腰を振るし、本当に行為自体に意味が無いように感じてしまう。 高二の真夏のすごく暑い日、違う学校の生徒に無理やりに口説かれて、あれよあれよという間に無理やりに実家まで突撃され、無理やりに私の初体験は終わった。 好きでもないし、気持ちよくもなかった