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次の日

昨日の雨から打って変わったような快晴の元、異様にスッキリとした気分で駅に向かったのに、流れ来るサラリーマンの波と、「これから今日を始めるぞ」というような人々を見て急に自分が恥ずかしくなった。ここにいてはいけないような気持ちにすらなる。そう言えば傘なんて持ってる人は私くらいだし、いかにも朝帰りな、落ちたメイクの疲れた顔をシャキッとさせる気力はもう残っていない。

今日も自分を大事に出来なかった、と落ち込む朝、早くも秋から冬に変わったような冷たい風を体に浴びて部屋へと歩く。歩くのすら恥ずかしいのならいつものようにタクシーに乗れば良かったな、なんて思うけれどこんなんだからお金が無くなっていくのだな、とまた反省をする。

もう痩せるのとか、ダイエットとかどうでもいいなと思って油そばを作って食べたけれど結局殆ど吐き出してしまったし、普通に食事をとる事すら出来なくなった生活はやっぱりおかしいのだろうか。昨日の雨を憎むような朝帰りをした後、何も入っていない鞄は重たいし、浮かれたワンピースは昨日の匂いのまま、もう役目がない傘は中途半端に濡れていて何からも自分を守らない。やり残した家事をこなす気力がない。やっとの思いで少しだけ眠りについたら、好きだった人ともう一度会って喜ぶ夢を見た。そうだ私はずっと寝ていたいな。おやすみ、怖い夢を見ないように。