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とっくのとおに。

疲れてメイクも落とさず寝てしまった日の翌日は、シャワーから上がって顔にパックをする。

昨日の自分から今日の自分への申し訳程度の施しだ。

今日も生活は続いていくなんて辛いなあ。

 2年前のクラブイベントで声を掛けてきた男の人と2年ぶりに会ってホテルに行った時、合コンで出会った全然タイプじゃない男と3回目の飲み会で深夜にゴリ押しされてホテルに行った時、私は好きな人じゃなくても感情を殺してセックスが出来るな、と気付いて実は風俗嬢の素質があるんじゃないか、なんて思った。そんな事を思いながら天井を眺めてアンアン言っていた。

 3日後くらいに出会い系サイトで会ったおじさんにお金を貰ってセックスをした。
やっぱり私は素質があったんだ。
全然楽しくないのに体質のせいで体だけは異常に濡れるし、(まあそのおかげで相手に喜んでもらえるからいいのだけれど)早く終わらないかな、と思いながらアンアン言っていた。

 そのおじさんとのセックスが長引いたせいで友達には連絡出来ずにドタキャンになってしまって、最寄りまでタクシー代を渡しに来いなんて言われてしまうし、ただでさえ疲れているのにやめてくれよ、これ以上責めないでくれ、なんて自分勝手な言い訳で自分を守ることしか出来ない。

もう私はとっくのとおにダメなので、タクシーを拾って深夜に歌舞伎町でキャッチをやってる友達に合流することにした。

街を歩いていたら柄の悪そうな若者たちに声を掛けられて惨めな気持ちになったけれど、私はこんなに可愛いのに顔を見ずに声を掛けるなんて、誰でもいいんだろうな。馬鹿な男たちめ、と、また自分を守ってタクシーに乗り込んだ。こんな日はなにがなんでもお酒を飲まないとダメなのだ。深夜3時を回っていた。

アフターピルを貰うために帰る前のホテルの部屋で病院を予約したのに、自分の部屋で起きたら予約の時間だった。そしていつものように喉が渇いて仕方なかった。お酒を飲んだ翌日は毎回お腹がいっぱいで喉が乾いた体で起きるしかなくて、ひとまず水を飲むのを我慢して体重を計って一喜一憂する。数グラム増えただけで私の気分を左右してしまうなんて、随分と偉そうな数字だこと。

可愛く生きたいだけなのに、お酒は沢山飲んでしまうし、新しい下着を着けた日だってそんな事はすぐに忘れている。

シャワーを浴びて申し訳程度のパックをしてまた私は今日を、生活を、始めた。