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背中で語った、かっこいいゴミ拾いおじさんの話

人は嬉しいことをしてもらったとき、助けてもらったとき、ありがとうと口にします。普通に暮らしていれば誰もが誰かにありがとう、と言ったことがあるはずです。

では、街の清掃をするおじさんおばさんたちには誰がありがとうと言っただろうか。胸に手を当ててみよう。彼らを見たとき、おそらくほとんどの人が素通り、もはや眼中にすら入っていないのではないだろうか。

タバコの吸い殻が落ちていない綺麗な街、それって当たり前なんですかね。ゴミでいっぱいのときは我々は不快に思うくせに、そうでないとき、そうでない空間を作った人に対して直接感謝をしたことがあるだろうか。



この前駅から自宅までの帰宅途中にゴミ拾いのおじさんを見かけたんです。そのときに上記のことをふと思いました。でも初めて思いました。今まで気にもしなかった自分に気づきました。何ならそんな仕事望んでやってるなら別によくねとすら思っていました。貧相な心です。

誰も見ていないでしょう。派遣の仕事でしょうか?監視人なんているわけない。ちょっとくらいサボったって、その辺に座り込んだってバレない。周りも咎めない。なのに、粛々とゴミ、拾ってたんです。それを見たとき、わたしはその姿に全て映し出されてるんだなと思いました。おじさんの人間性が。

もう2週間も前のことなのに、忘れられない出来事です。

でもそのとき言えなかった。いつも街を綺麗にしてくれてありがとうございますって。チキって咄嗟にそんな言葉が出てこなかった。だから次会ったとき、ちゃんと目見て「ありがとうございます」って言うと決めました。

それにしてもあのゴミ拾いのおじさんの背中、まじでめちゃくちゃかっこよかったなー。

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