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門番

赤提灯には 2頭の龍が棲んでいる その龍達は大昔 門番たちに勝負を挑んだ けれども阿吽の呼吸の門番たちに 龍達はこてんぱんに大負けした その代償として 彼等は赤提灯に…

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2週間前
5

よーいどん

みんな一斉にプールから上がってく 僕はまだ泳いでたいからもっと泳ごっと ぜんぜんだれも戻ってこないなぁ プールから顔を出してみた あ!魚のにおい! そういえばお腹減…

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2週間前
3

海の月

どこまでも広がる青の中で ぷかぷか ぷかり たゆたう そのへんや あのへんで ぼくはひとり みんなひとり ぼくたちはいつも たくさんのひとりだった あの日はあったか…

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2週間前
4

おさらい

どんな一日だったっけ 眠る前は おさらいの時間 【朝】 いつもより随分はやく起きた 真っ暗な部屋の中で 紅碧色の窓だけが 浮き上がって見えた 窓を開けて 空を見る 切…

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2週間前
5

山寺

夕方に仕事を終えて家に帰る電車に乗った時 車窓に写る自分と目が合ってしまった のっぺらぼうかと思った こんな顔は知らない これは 誰だ 私は目が離せなくなった 気づ…

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2週間前
6

秘密の宝石

その日の朝 私は熱を出した 別になんにもしんどくなかったけれど 「これじゃあ今日は学校おやすみね」 お母さんにはそんなふうに言われた お母さんがそう言うなら仕方な…

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3週間前
4

ねこのベンチ

その町には 毎日たくさんの人が来た 「猫はどこだ」「猫はどこだ」 町中どこでもそこかしこ ギラギラ光るカメラを構えて うろうろ歩く人だらけ その町は「猫の町」 右を…

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3週間前
5

カラスとアンテナ

雨が上がりかけた夕暮れ ありふれた町並みの中で 頭ひとつ ポン、と高い 何かの工場の看板に建つ 1本のアンテナ そのたったひとつのてっぺん 2羽のカラスが取り合って…

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3週間前
4

映画休暇

特に何の約束もない2連休1日目 丸一日つかって映画を観た 邦画とアニメの2本立てプラン 冬に「カラオケ行こ!」を観に行って以来 ほぼ半年振りの、映画館での映画鑑賞 …

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3週間前
6

フラグ回収

年に数度は電車で本州へ行く 新幹線だったり普通列車だったり どっちに乗っても楽しい 乗った時は姫路城を確認する 「今日も白いなあ」とつぶやく 陽がちょうど正面から当…

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3週間前
6

ハシビロコウ

動かない鳥 こと 彼等 初めてこの目で見たのは5年前 初めて知ったのは確か 「鬼灯の冷徹」だったかと思う チベットスナギツネもそうだ あのマンガ、というか 作者の江口…

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3週間前
4

ちょっとのこと

買い物金額の数字がきれいだと なんかちょっとうれしい 仕事の売り上げの端数がないときも スッキリした気持ちになれる なんでなんだろう 整うのが好きだからかな シラス…

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4週間前
8

みずたまり

今年ようやく梅雨らしい天気だった 湿度80%ごえ!もうすぐ水じゃん 雨の日曜日は、とっても穏やか みんな遊びに行ってるから地元に人がいない お客様どころか人の気配もあ…

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4週間前
3

めがね

眼鏡をかけはじめて20年くらい経った これまでに何本の眼鏡と過ごしただろう いま手元にあるのは、1、2、3… メインで使っているのを含めて4本だった 外出用と家用 残る…

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4週間前
4

かぶき

過去に一度だけ、歌舞伎を観たことがある といっても プライベートではなく、日帰りの出張で その出張は立候補制だった 行きたいと手を挙げたのは私一人 他の同僚は「興味…

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1か月前
5

ケース

voon×根本凪さんの描き下ろしグッズ 悩みながらいろいろ買ったのですが 中でもコインケースは特に好きです 財布はひとつしか持てないので ワイヤレスイヤホンを入れてあ…

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1か月前
6
門番

門番

赤提灯には
2頭の龍が棲んでいる

その龍達は大昔
門番たちに勝負を挑んだ
けれども阿吽の呼吸の門番たちに
龍達はこてんぱんに大負けした
その代償として
彼等は赤提灯に閉じ込められ
門番の仕事を手伝っているのだった

「お前が俺の足を引っ張ったんだ」
「いやお前がよそ見をしてたんだろう」
龍達は今でも揉めていて
その諍いは小さな雷を生み
ときどき、通行人に落ちている

もしも赤提灯の下を通った時

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よーいどん

よーいどん

みんな一斉にプールから上がってく
僕はまだ泳いでたいからもっと泳ごっと
ぜんぜんだれも戻ってこないなぁ
プールから顔を出してみた
あ!魚のにおい!
そういえばお腹減ってた!
だからみんな帰ってこないんだ
僕も魚たべたい!
急にお腹がグーグー鳴り出した
プールから上がって
バケツを持ったひとのところへ
大急ぎではしってく
僕の分、まだありますかー!!

「う〜ん、今日も上がってこないなあ」
ほとんど

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海の月

海の月

どこまでも広がる青の中で
ぷかぷか ぷかり たゆたう
そのへんや あのへんで
ぼくはひとり みんなひとり
ぼくたちはいつも
たくさんのひとりだった

あの日はあったかくて
青はいつもよりまぶしくて
みんなはすきとおって
半分くらい 青になっていた
たぶん ぼくもそうだった
(きらきら きれいだなあ)
青く光るみんなにみとれて
ぷかぷかしていたときだった

《ーざぶん。》

とつぜん、上から何かがや

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おさらい

おさらい

どんな一日だったっけ
眠る前は おさらいの時間

【朝】
いつもより随分はやく起きた
真っ暗な部屋の中で
紅碧色の窓だけが
浮き上がって見えた
窓を開けて 空を見る
切り取ったトレーシングペーパーみたいな
半透明で白っぽい三日月が貼り付いていた
ああいうときって
朝と夜 どっちなんだろう
朝ごはんは
昨日の残りご飯のおにぎり(ひとつ)
半熟のハムエッグ(ふたご)
マグカップの牛乳(1杯)

【昼】

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山寺

山寺

夕方に仕事を終えて家に帰る電車に乗った時
車窓に写る自分と目が合ってしまった

のっぺらぼうかと思った
こんな顔は知らない
これは 誰だ
私は目が離せなくなった

気づくと窓の外は真っ黒で
車内には私一人きりだった

『まもなく、◯◯駅。終点です。』
『本日の列車はこれが最終です。』
『折り返しはございません。』

がらんとした車内に無機質な車掌の声が響く
ずっと使っている路線だが
終点に辿り着く

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秘密の宝石

秘密の宝石

その日の朝 私は熱を出した
別になんにもしんどくなかったけれど
「これじゃあ今日は学校おやすみね」
お母さんにはそんなふうに言われた

お母さんがそう言うなら仕方ない
今日の給食はビーフシチューだったのにな
がっかりしながら 布団にもぐる
眠たくないのに布団にいるのは退屈だ
丸くなって目を瞑り 部屋の外の音を聞く

ーパタパタ、パタパタ。
みんなの忙しそうな足音
「いってきます」
お姉ちゃんが学校

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ねこのベンチ

ねこのベンチ

その町には 毎日たくさんの人が来た

「猫はどこだ」「猫はどこだ」
町中どこでもそこかしこ
ギラギラ光るカメラを構えて
うろうろ歩く人だらけ

その町は「猫の町」
右を見ても猫 左を見ても猫
お店も 食べ物も みんな猫の様
猫による猫のための町
お喋りする猫もいるらしい

嘘も本当もごちゃまぜな
おとぎのような噂話は
またたくまに広がっていく
かくして 猫の町には
多くの人間が訪れることになる

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カラスとアンテナ

カラスとアンテナ

雨が上がりかけた夕暮れ
ありふれた町並みの中で
頭ひとつ ポン、と高い
何かの工場の看板に建つ
1本のアンテナ

そのたったひとつのてっぺん

2羽のカラスが取り合っている
そのようすは激しく 止まらず
羽ばたく音が聞こえてきそうだった
でも なんの音もしない
鳴き声も聞こえてこなかった
私は 彼らが争う時には
そういう威嚇の声を出すもの と
勝手にそう思っていた

いや 争ってない?

ジャング

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映画休暇

映画休暇

特に何の約束もない2連休1日目
丸一日つかって映画を観た

邦画とアニメの2本立てプラン
冬に「カラオケ行こ!」を観に行って以来
ほぼ半年振りの、映画館での映画鑑賞
たのしかったな〜〜〜〜
感情に直接ブワワッときますね 

きょう観た映画
「違国日記」
「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」
どちらも大好きな漫画の映像化作品
ようやく観に行けた 間に合ってよかった

違国日記は実写化
原作至上主

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フラグ回収

フラグ回収

年に数度は電車で本州へ行く
新幹線だったり普通列車だったり
どっちに乗っても楽しい

乗った時は姫路城を確認する
「今日も白いなあ」とつぶやく
陽がちょうど正面から当たってると
発光してると見紛うほど白い
白鷺城 別名の通りの美しさ

しかし姫路に降り立ったことはない
ずっと気になっている
普通列車で日帰りできる距離だし
行こうと思えばいつでも行ける
…となると結局、行かないままになる

大抵そう

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ハシビロコウ

ハシビロコウ

動かない鳥 こと 彼等
初めてこの目で見たのは5年前
初めて知ったのは確か
「鬼灯の冷徹」だったかと思う
チベットスナギツネもそうだ
あのマンガ、というか
作者の江口さんの描く作品には
めずらしい動物がよく登場する
動物が好きなんだろう
みんなデフォルメが写実的でかわいい
特に、毛並み・眼・口周り・手足の描き方
素晴らしい 動物への愛を感じます

偏執的な愛を持っている作家は大好きです
親近感 感

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ちょっとのこと

ちょっとのこと

買い物金額の数字がきれいだと
なんかちょっとうれしい
仕事の売り上げの端数がないときも
スッキリした気持ちになれる

なんでなんだろう
整うのが好きだからかな

シラスに小さいカニが入ってたり
(最近はみかけなくなってしまった)
コアラのマーチのレアな絵とか
ピノの形のちがうのとか見つけると

おっ!やった!
と思うのだった

図書館でたまたま新刊を借りれたり
直感で選んだ小説やマンガがドンピシャ

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みずたまり

みずたまり

今年ようやく梅雨らしい天気だった
湿度80%ごえ!もうすぐ水じゃん

雨の日曜日は、とっても穏やか
みんな遊びに行ってるから地元に人がいない
お客様どころか人の気配もあんまりない

のんびり、うとうとしながら過ごしました

どこからか「ギョアーーーン、ギョアーーーン」みたいな
なんか変わった鳴きごえが聞こえるな〜と
キョロキョロしてみたら、子猫でした
ちゃんと人に連れられていた
迷子だったらた

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めがね

めがね

眼鏡をかけはじめて20年くらい経った

これまでに何本の眼鏡と過ごしただろう
いま手元にあるのは、1、2、3…

メインで使っているのを含めて4本だった
外出用と家用
残る2本は古くてもう合わない

レンズを替えるときにフレームも変えるため
けっこうな本数を買ってきている
トータル何本かな、2〜3年に1回買うとして
10はくだらないはずだ
かかった金額を考えると気が遠くなりそう

今もっている4本

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かぶき

かぶき

過去に一度だけ、歌舞伎を観たことがある
といっても
プライベートではなく、日帰りの出張で

その出張は立候補制だった
行きたいと手を挙げたのは私一人
他の同僚は「興味ない」と知らんぷりしていた
私も歌舞伎のことは何も知らなかった けれど

観劇券も交通費も全て会社持ち
なんなら給料も発生する
行かない方がもったいない!!

自ら足を運ぶには敷居が高い歌舞伎という芸能
研修という名目で、その高い敷居

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ケース

ケース

voon×根本凪さんの描き下ろしグッズ
悩みながらいろいろ買ったのですが
中でもコインケースは特に好きです

財布はひとつしか持てないので
ワイヤレスイヤホンを入れてある
これがとってもナイスフィット!
とても重宝しています
まいにちカバンにいれてある

私はポーチやケースを買うのがどうも下手で
小さくてちょこんとした佇まいは好きなのに
なんというか、どのサイズを買えばいいのか
そういう感覚がいま

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