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ハシビロコウ

動かない鳥 こと 彼等
初めてこの目で見たのは5年前
初めて知ったのは確か
「鬼灯の冷徹」だったかと思う
チベットスナギツネもそうだ
あのマンガ、というか
作者の江口さんの描く作品には
めずらしい動物がよく登場する
動物が好きなんだろう
みんなデフォルメが写実的でかわいい
特に、毛並み・眼・口周り・手足の描き方
素晴らしい 動物への愛を感じます

偏執的な愛を持っている作家は大好きです
親近感 感じるよね


ハシビロコウは上野恩賜動物公園にいた
最終入園時刻ギリギリにすべりこんで
とりあえずまずはパンダを見た
もう夕方なのに行列
すごい人気だった 子パンダがいたのもある
立ち止まらずに見るように呼びかけがあり
歩きながらパンダを見た
子パンダがぐるぐる走り回っていた
大人パンダはどっかり座り込んで
うまそうに笹をかじっていた
なんともこれは、パンダコパンダ…

パンダを見たあとは、ダッシュ!
ハシビロコウのいるところまで!!
陽が傾き徐々に暗くなっていく園内を走る
これはもう これはもう青春じゃないか

暗くなったら動物たちは家に帰るので
けっこう焦ったのだった

汗をかいて息を切らした先で
ハシビロコウは待っていてくれた
そんなことはないがそんな気がした

本当に動かない ジッと立っている
そんな様子をじっと見つめた
結構やわらかそうな羽根をしている
胸元のあたりなんて、ふわふわだ
あったかそう

ん…?
なんか…
震えてない…?

よーく見ているとわかったのだけど
ものすごく小さく細かに震えていた
ガタガタ震えているというか
震えてあったまろうとしてるようにみえた
そう、当時は12月の初めの方
じっとしていたら寒かった
ハシビロコウも、たぶん寒かった

しかし、震え方がマナーモードのそれで
顔は無表情だし、立ったままで
よく見るとブレているのである
そんなんちょっと、おもろいやん
一人でツボってしまった

見てる間、他のお客さんも来なくて
ずっと一対一だったのもなんかよかった
とても印象に残っています

目がビー玉みたいにまるくて大きかった

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