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轡田哲朗×塚越始対談│浦和レッズ「2023シーズン開幕前『フットボール本部』を徹底的に語る」。なぜ!?選手獲得・補強の“不文律”にも言及する

 浦和レッズを徹底的に語り合う対談企画を久々に行いました!
 浦和を長く取材してきたフリーランスの轡田哲朗氏、サッカー雑誌時代から見つめてきたサカノワの塚越始氏が、今回、4年目に突入した「フットボール本部」を軸に、マチェイ・スコルジャ新監督を迎えた2023シーズンへの展望と課題をとことん論じ合いました。具体例を挙げながら、できるだけ建設的に。

 それぞれの考えを踏まえて展望したり、でも互いの主張や意見が異なっていたり……。そこを含めて、楽しんでいただければと思います。

 浦和が着手した「経営」と「強化」の分離。その「3年計画」を総括するとともに、“改革”というキャッチーなフレーズに流されず、むしろ何をどのように継続することが大切で求められているか。少し踏み込んで考えていきます。

 後半部分では浦和の補強にまつわる、おそらく多くの人が気になってきた“不文律”についても言及しています。

▼リカルド・ロドリゲス前監督が示唆した土田SDと西野TDの異なるスタンス、「優勝する戦力にない」発言について、いま考える。


塚越
 マチェイ・スコルジャ体制がいよいよスタートします。まず今回、発足から実質4シーズン目を迎える「フットボール本部」について、具体的に検証したいと思います。クラブの「経営」と「強化」を明確に分けるという浦和レッズが抱えてきた問題にメスを入れた点は大きく評価できます。一方、浦和にしかないアイデンティティのようなものは打ち出せずにいるなど課題もあります。この改革をした立花洋一代表が退き、そのあたりがまた曖昧になる不安の芽も出てきそうです。

轡田 確かに今シーズン、監督は変わりましたが、過去2年間でドラスティックに選手を入れ替え、どちらかと言えばポテンシャル重視で25歳くらいまでの選手を獲得してきました。その目利きの部分が正しかったのかどうかが問われ始める時期に入る、という言い方もできるかもしれません。「新体制」というワードの連呼に違和感も抱いています。選手を大きく入れ替えずともやっていける判断をしたわけですから。

 一方、約2年前、この対談で話題に挙がった「経営」と「強化」の分離を、トップの交代に影響されず、制度として残すだけでなく機能させていけるのかどうかは正念場なのかもしれません。立花代表は退任後も少しの間は新社長の補佐をするようなので、そこで上手く着地できればと期待しています。

塚越 リカルド・ロドリゲス前監督が土田SDと西野TDの異なるスタンスを示唆する発言がありました。例えば西野TDが近い将来いなくなるようだと…

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