宦官吉日

怖い話というより気持ち悪い話が多いかもしれません

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怖い話というより気持ち悪い話が多いかもしれません

最近の記事

忽湧 7/17 「手紙」

最近変な手紙が届くんです。 ただただ一行 「まだ終わってません。」 と。 わかりました。 あの女は可哀想なことに、寂しくて寂しくて仕方ないそうです。 丈夫な体とはいえ、バラバラになったらもう、いられませんから。 魂は繋ぎとめられても、部品にされちゃ意味ないですよねそりゃあ もう、あの世にもこの世にも居れず、一人、暗く暗くしんとした世をつらつらと歩くことしかできないみたいです。 可哀想に可哀想 (終了)

    • 忽湧 7/16 「」

      なんの小説だったか忘れたんですけど、死後硬直を利用したトリックの密室殺人があったんですよ。 ハシゴの代わりに市が硬直した死体で壁を越えた、みたいな。 でもこんなこと出来ないじゃないですか。 でも、魂は固まるみたいです。

      • 忽湧 7/15 「タクシー」

        この前、金沢に旅行に行った際に運転手さんに聞いた話。タクシーって怪談話によく使われるでしょ? だから怖い話とかありますか、って聞いたらこんな話をしてくれました。 私はね、この辺で走らせて何年も立つんですが、たった一度だけ怖い体験をしたことがあるんです。 あれは3年前の11月とかだったかな。ちょうど乗っているタクシーが新車になりまして。 心機一転、頑張るぞ!なんて思ったんですけどね、その日は誰も乗らないんですよ。オーバーツーリズム前とはいえ、この辺も観光地ですから普段なら少な

        • 忽湧 7/14 「DMで来たメッセージ」

          「臭いときに太陽を浴びせると無効化できます。」 これです。 なんなんでしょうか。 わかりました。 皆様もお気をつけください。

        忽湧 7/17 「手紙」

          忽湧 7/13 「合コンの女の子」

          前に合コンに行った時。 残り物には福がある…ではないけど、 バイトがあって合コンに遅れていったら ペアになれてなかった可愛い子と連絡先交換できて。 浮かれてその日は帰って、LINEで友達に 「こんな可愛い子いたのにお前ら声かけなかったの勿体ねぇな!」って言ったんすよ。 そしたら 「その子宗教入っててみんな避けてた」 って。 おい!先に言えよ! もうデートの約束しちまったじゃねえか!って思ったんすけど。 でもまぁ可愛かったんで。 誘いに乗ってホイホイついていったんです。

          忽湧 7/13 「合コンの女の子」

          忽湧 7/12 「2chのSS」

          私、本当に昔の話なんですけど。 SSを書いてたことがあるんです。 2ちゃんねるに書き込む、地文がない、登場人物の会話だけで書く小説。 私の家に新品でなんとも言えない金属の香りがするパソコンが届いて。 うちの家族は放任主義でしたから、テレホタイムの間はパソコンを使い放題だったんです。 で、やっぱりチャットとかも好きだったんですけど、元々小説が好きで、 オタク気質なもんですからSSを書くようになりました。 当時の私に、「早く寝ろ!」っていってあげたいですね笑 もう深夜なのに

          忽湧 7/12 「2chのSS」

          忽湧 7/11 「甘香」

          Sさんより Sさんは大学生のころ、オンボロで部屋の狭い、 最近では見かけないようなトイレが共有のアパートに住んでいた。 こう言ってはなんだが、Sさんの実家も貧乏だった ので結構慣れっこだったらしい。 だが、一つだけ。隣に住んでいる男。 50代くらいの男性で、仏頂面。 この男だけがどうにもダメだったという。 別に騒音とか、態度が悪いとかではなく、 今では香害、というのだろうか。 部屋から香るやけに甘く、 頭痛のするような匂いがSさんにはどうしてもダメだった。 大家さんにもか

          忽湧 7/11 「甘香」

          忽湧 7/10 「寝笑」

          自分でもなんでこんなにイライラするのか、 わからないような しょうもないけどなぜか癪に触る人っていますよね。 私の高校時代の同級生の話で。 まあ仮にUとでもしましょうか。 別に悪いやつじゃないんですが、なんでしょう。 面白くないんですよね。まったく。 私がいままで見てきた人間で最も面白くないですし、 不愉快でした。 こう、小学生にはウケても大人にはウケないものってあるじゃないですか。 そういう感じです。Uは面白がっているけど周りは面白いとはまったく感じていない。 しか

          忽湧 7/10 「寝笑」

          忽湧 7/9 「秋なすび」

          職場の方の不思議な話です。 もし何か知っている方がいればご連絡いただけると幸いです。 話してくれた方をDさんと書かせていただきます。 Dさんは落語を聞くことが好きで、よく落語に行っているのは職場内の人はよく知っています。 Dさんのデスクには落語家とのツーショットや、落語家がプリントされたカレンダーなんかがありました。 それで、Dさんが落語が好きになったのは一つの落語からなんだそうです。 父がまだ子供のDさんを連れて行ってくれて。 それからどっぷりハマったとか。 でも、そ

          忽湧 7/9 「秋なすび」

          忽湧 7/8 「倉庫」

          中学生の親戚から実話怪談を聞いたので作品にさせていただきました。 夏休みに入る直前。カンカン照りでジリジリと暑いこの日に、彼女は自身の部活である吹奏楽に勤しんでいたようで。 しかも金管楽器のパートリーダーなんだとか。 それで、いざ演奏しようって時に譜面立てっていうんですかね、 あれがなぜか足りないと。 おかしいな、昨日まではあったのに、と思ったそうですが 犯人探しをするのは時間が惜しいですから、 倉庫にある予備のやつを使おうという話になりまして。 で、親戚がとりに行く

          忽湧 7/8 「倉庫」

          忽湧 7/7 「電掌」

          又聞き話です。 その人を仮にAさんと呼ばせてもらいます。 Aさんは大学生なんですけどね。 そろそろ就職が近いのでインターンとか、説明会に足を運んでいたそうで。 ある日のこと。Aさんが新宿に行かねばならないことになりまして。 Aさん、真面目な人なんでね。もう何社も説明会には出てますから、特に緊張もせず、万丈な状態で向かったそうです。 で、新宿駅って工事してるじゃないですか。西口の方とか特に。 で、工事の足場とか、内部とか、ちょっと見えるところがあるんです。 で、Aさんが

          忽湧 7/7 「電掌」

          忽湧 7/6 「ボンド」

          叔母は2年前に亡くなりました。 叔母は独身で岐阜の田舎に住んでいたもので、 両親と私くらいしか親戚が居なくって。 両親も高齢で岐阜まで行くのも大変ですから、 私が叔母の墓参りに行ったんですよ。 墓地の駐車場に車を止め、水桶と花を持って叔母の墓石の前まで行こうとしたんですけど。 べちょお。 粘着質なものが、靴の溝にしたがって広がる感覚が足に伝わります。 思わず顔を顰めて、靴裏を見ると何か白いぶよぶよしたものがついていました。 ちゃんと清掃してくれよ、と思いましたが墓参り

          忽湧 7/6 「ボンド」

          忽湧 7/5 「いろは唄」

          集団下校ってあったじゃないですか。先生や保護者の誰かが一緒になって子供たちと帰るあれです。 私の息子も、今年小学生にあがって。 半ば強制でPTAに入りました。 ええっと。それで。 最近暑くなってきたじゃないですか。 それで低学年の子は熱中症が怖いから、行きと帰りにPTAで集団下校を見守ろうって。 それで私、帰りの14時あたりに集団下校のグループの監督を任されたんです。 じりじりと照りつける太陽の下、体に対して大きいランドセルと水筒を提げた子供の先頭に立って、通学路を歩い

          忽湧 7/5 「いろは唄」

          忽湧 7/4 「兄のモデルガン」

          モデルガンって持ったことあります? 私の兄がガスで動くモデルガンを持ってたんですけどね、 モデルガンってかなり本物に近いんですよ。こう、持った時のずっしりした感じといいますか。 それで、人間というものは、手に入れたらやっぱり使ってみたくなるもんで。 兄は野球部で、友人たちに見せるために部室に持っていってパンパン撃ってみせたそうです。 それで、まぁ回収するのも面倒ですし、部室には鍵付きロッカーもあったので大丈夫だろうと思って置いて行ったらしいです。 それで次の日。野球部

          忽湧 7/4 「兄のモデルガン」

          忽湧 7/3 「ショッピングモール」

          うちの近くにはショッピングモールがあって。 いろんな商業施設が集まってるし、高級スーパーなんかもあったりして、ちょっとした贅沢をするには最適な場所でした。 ただ、ちょっと変な噂がありまして。 元々、その敷地の一部が葬儀場だったらしくて。 無印良品の隣にあるトイレに幽霊が出るとか。 いや、別に本気で信じてるわけではないんですけど。 やっぱりもしかしたら、って思っちゃってそこのトイレはあまり使わないようにしてました。 でも、その日はどうしてもお腹が痛くて。そこのトイレを使った

          忽湧 7/3 「ショッピングモール」

          忽湧 7/2 「家庭科の先生」

          小学校で家庭科の授業を受けてたんですよ。 んで、なんだっけな。ケーキの調理実習だったかな。いつもはね、気さくで良い先生なんですよ。 まえせん、なんて言われて好かれてました。 でもその日だけ、 「君はよし」 「お前はダメ」 って、先生が生徒に向かっていうんですよ。 お前なんて言う人じゃないし、生徒にダメだしとかも普段しないんですよ。 その日だけ、おかしかったんです。 なんなんですかね、こう。 品定めしてるといった感じで。 しかもケーキの出来とかじゃないんです。 そ

          忽湧 7/2 「家庭科の先生」