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【女性研究者のキャリア】データから見る取り巻く環境とライフイベント

今回は女性研究者をテーマに、キャリアを取り巻く環境や現状についてまとめました!!

大前提、研究者のキャリアや働く環境はそれぞれなため一概には言えません。キャリアのルート、それぞれの事情など複雑な要因が絡み合っており、その道筋は十人十色で、キャリアの感じ方も人それぞれだと思います。

そんな大前提のもと客観的なデータから現状を知ることで、主体的・自律的にキャリア形成するためのきっかけや参考になればと思い、今回noteにまとめてみました!

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研究者を取り巻く環境と現状データ


~以下は2022年(令和4年)科学技術研究調査結果の概要1 総括の内容
を引用してご紹介します~

男女別研究者数

研究者キャリア
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2022年3月31日現在の研究者数(実数)を男女別にみると、男性が80万8200人(研究者全体に占め る割合82.2%)、女性が17万5400人(同17.8%)となっている。

男女別新規採用者数、転入研究者数及び転出研究者数の推移

研究者キャリア
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新規採用者数を男女別にみると、男性が2万3211人(新規採用者数全体に占める割合74.5%)、女性が7955人(同25.5%)となっている。
これを自然科学部門別にみると、男性は工学が1万2932人(工学における同84.0%)と最も多く、 次いで理学が4174人(理学における同74.2%)などとなっている。女性は工学が2463人(工学における同16.0%)と最も多く、次いで保健が1893人(保健における同39.6%)などとなっている。

※企業、非営利団体・公的機関、大学等の詳しい男女別のデータについて詳しくはこちらからご確認ください。


上記の2つのデータから、全体的に研究者は男性が多い傾向にあり、女性の割合は少ないと言えます。
ですが表1-10の男女別研究者数の推移に注目すると、男性の場合は研究者数が落ち込んでいる年があります。女性の研究者数は男性と比べて少ない傾向にあります、毎年着実に研究者数が増えていることがわかります。



女性の理系選択に対する意識

以下は科学技術・学術政策研究所の学部生が、女性の理系選択に対する意識について回答したものです。

~2018年に公表された科学技術・学術政策研究所の大学学部生の科学技術情報と進路選択に対する意識を引用してご紹介します~

研究者キャリア
概要図表7 女性の理系選択に対する意識(複数回答可)

女性の理系選択の「壁」と思われる要因を尋ねた結果、最もポイントが高かったのは、「ライフイベントとキャリア形成の両立が難しい」であった。博士号を取得する場合では、取得後のキャリア形成の時期と結婚・出産・育児等のライフイベントが重なる場合に、博士号を取得しても、「キャリアか出産か?」という二者択一を現実的に迫られることを多くが懸念していることが現状であろう。加えて、大学進学時点で「理系は男性の学部」というイメージが深く根付いていることも明らかとなった。


データの結果から、学部生の時点でも就職時にライフイベントとキャリア形成の両立が難しいといった不安を抱えてることがわかります。
自分の想い通りの時期に発生するか分からないライフイベントと、キャリアのターニングポイントが重なることを危惧し、研究者の道に進む事自体を悩んでしまうといった可能性も考えられるでしょう。



ライフイベント

研究者ライフイベント

ライフイベントには、結婚、妊娠、出産があります。出産後は育児もスタートし家事と子育て、仕事との両立も不可欠になります。
この中で女性だけに発生するイベントは妊娠と出産です。妊娠から出産に至るまでの体調の変化や精神的な変化も人それぞれで、これは出産後にも言えることです。

ライフイベントの発生によりキャリアが途中でストップしても、
・継続して働きたいと思う可能性が高い
・そもそも復帰前提で考えている
のであれば、就職する際に女性にとって働きやすい職場環境であるかを事前に把握しておくと安心です。

研究者の働くフィールドとして大学と企業で比較してみます。
大学で研究するには、結婚して子どもを持つ上で任期付き雇用の大変さがあります。任期が終了すると別の機関に移る可能性があるからです。
もしパートナーと別居となった場合は一人で妊娠中の生活を送り、出産、子育てを担うといったケースが珍しくありません。

企業では、企業内の制度新設を働きかけたり、パートナーのどちらかが転職をして同居したりと、一緒に協力していけるよう工夫できる可能性が高いです。ワーク・ライフ・バランスの点からも企業を就職先に考えても良いかもしれません。
以下の2022年(令和4年)科学技術研究調査結果の概要から引用した表からも、新規採用者数・転入研究者数・転出研究者共に大学より企業の方が女性割合が多いことがわかります。

~大学~

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新規採用者数を男女別にみると、男性が4088人(新規採用者数全体に占める割合63.7%)、女性が2325 人(同36.3%)となっている。

~企業~

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新規採用者数を男女別にみると、男性が1万8320人(新規採用者数全体に占める割合77.7%)、女性が5270人(同22.3%)となっている。


前述で大学より企業の方が女性割合が多いことがわかると述べましたが、若手女性を支援する、国や各大学の施策も進み始めているので所属する研究室の状況や自分の立ち位置によって柔軟に対応するなどの工夫をし、出来るだけ無理なく研究者としてのキャリアを歩めるよう、情報収集を続ける姿勢も大切です。




弊社のパートナー研究者:40代女性Sさんのキャリアをご紹介

研究者キャリア

①経歴

大学院修士課程修了後民間企業に研究職で就職し、その後結婚・出産などのライフステージの変化に合わせて転職を繰り返す。現在5社目。

②どうしてこの経歴になったか

大学院ではバイオサイエンスを学び、修了後民間企業にて食品添加物受託開発の研究に従事。その後結婚による転居のため転職。主に動物試験・抗体作成受託の仕事を行う。

出産のため退職し、3年ほどのブランクの後派遣研究員として食品用酵素開発に従事する。

その後子供が小学校入学を機に大学発ベンチャー企業に転職。前職の抗体作成と受託業務の経験を活かし、モノクローナル抗体探索の研究を行うとともに、受託対応業務にも携わる。

その後、抗体関連の知識とベンチャーでの経験を買われ、現在の会社にスカウトを受け転職。異業種(自動車関連)の組織の中で新規事業開発の業務を行っている。

その他、苦労したことや、どう乗り越えたかについての詳細はこちらからご確認ください↓


A-Co-Laboで出来ること

ライフイベントの発生により、キャリアが中断し研究職を続けるのが難しくなったという方でも、A-Co-Laboに登録頂くことでこれまでの研究経験・スキル・知識を活かして頂けます!!

Q:どのような仕事があるのでしょうか?

A.弊社では、クライアントのご要望に合わせて幅広い仕事がございます。1時間程度の単発の案件から、中長期的にプロジェクトに参画頂く案件までございます。
皆様のご要望に応じて仕事をご案内しますので、どのような案件を受けたいかなどのご希望をぜひ聞かせてください。

Q:研究知のスキルシェアとのことですが、具体的にどの様なことですか?

A.研究者のみなさんが持っている研究知識、研究スキル、研究経験を活かして、クライアント企業の課題を解決して頂きます。
実施内容としては、スポットコンサルのように1時間単位で研究知をお伝えて頂いたり、企業の相談に乗っていたく事から、調査業務、アドバイザリー業務、プロジェクトの一員として実際に手をうごかす業務まで幅広くご活躍頂けます。

主婦でも登録可能ですか?

A.もちろんそれまでに研究や開発の経験をお持ちで知識があれば、登録可能です。

パートナー研究者の方に副業としてご登録頂いており、国内外を含め200名以上がいらっしゃいます。
案件によっては所属先を伏せた状態で仕事をする事も可能です!
詳しいQ&A記事は以下からご確認ください。

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