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研究者5名のキャリアをご紹介!!~転職や独立、海外ポスドク経験など~

研究者や学者の働き方には、
・大学や企業の研究部門
・公的機関
・非営利団体といった研究機関
・独立系研究者
など様々な選択肢があると思います。

これまで、エコラボnoteでは研究者の働き方に関するnoteをいくつか書いてきました。


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今回は、弊社所属のパートナー研究者5名に、これまでのキャリアについて教えていただきました!!

以下の順に、これまでの経歴について伺いました。

① 経歴
② どうしてこの経歴になったか
③ 苦労したこと
④ どう乗り越えたか 

研究者キャリア





1.Uさん 30代男性 
海外でのポスドク勤務を選択


①経歴

明治大学大学院博士後期課程を修了後、ミシガン大学でポスドクとして勤務中。

②どうしてこの経歴になったか

博士前期課程で国際学会に参加し、世界の最先端の研究に触れたことで、自分も彼らのように最先端の研究を行い世界に発表したいと憧れをもったため。

③苦労したこと

1.現在のPIに博士後期課程修了後にポスドクとして雇ってもらえるか伺った際に、研究費の関係上、給料を支払えると確約ができないと言われた。

2.現在の苦労としては、同ラボに所属するミシガン大学の学生の指導も行わせてもらっているが、語学力の差や、日米での高校までに習得している知識や経験の差に戸惑っている。

④ どう乗り越えたか

1.海外留学助成金を得ることで解決した。
申請書作成の際には、自分とは異なる分野で研究を行なっている知人から意見をもらうことで、自分の申請書を客観的・多角的に評価しながら作成を行った。

2.とにかく学生たちと会話することでそのギャップを埋めようと試みている。

研究者キャリア




2.Sさん 40代男性  
博士研究員の後、企業研究を経て大学教員へ


①経歴

大学院修了と同時に学位を取得したのち、博士研究員として公的研究機関で2年間勤務。
その後、民間企業社員を経て大学教員となりました。

②どうしてこの経歴になったか

大学院の学生時代、民間企業に勤務することを目指して就活しましたが、就くことができず、博士研究員を経験。

その後、目標であった民間企業に就職できましたが、理想とは大きく異なり、子供のころからの夢であった大学教員になることにしました。
紆余曲折ありましたが、結果的にはどのキャリアも今の自分にとって重要なものとなりました。特に民間企業での勤務では、多くのことを経験できましたし、得るものも多かったです。

③ 苦労したこと

民間にせよ、アカデミアにせよ、ポストを得るのは大変でした。「お祈りメール」を受け取る度に、「自分は本当に社会に必要とされているに人間なのかな?」と考えていました。
ただ、このことは大学教員となった今でも思うことで、ポストを得てもこの悩みは解決していません。

④ どう乗り越えたか

一つ目は後悔しないようにまずは自分から何かを始めること。前例には拘らず、自分が必要だと思うことはやってみるのが良いと思います。
二つ目は、自分を取り巻く人間に、結局は支えられていることを認識すること。自分のこれまでのキャリアを振り返ると、岐路に立った時は必ず、自分以外の人からの支えがありました。他人への感謝は、とても大事なんだと思います。

研究者キャリア




3.Sさん 40代女性 
ライフイベントに合わせながら企業研究員を歴任


①経歴

大学院修士課程修了後民間企業に研究職で就職し、その後結婚・出産などのライフステージの変化に合わせて転職を繰り返す。現在5社目。

②どうしてこの経歴になったか

大学院ではバイオサイエンスを学び、修了後民間企業にて食品添加物受託開発の研究に従事。その後結婚による転居のため転職。主に動物試験・抗体作成受託の仕事を行う。

出産のため退職し、3年ほどのブランクの後派遣研究員として食品用酵素開発に従事する。

その後子供が小学校入学を機に大学発ベンチャー企業に転職。前職の抗体作成と受託業務の経験を活かし、モノクローナル抗体探索の研究を行うとともに、受託対応業務にも携わる。

その後、抗体関連の知識とベンチャーでの経験を買われ、現在の会社にスカウトを受け転職。異業種(自動車関連)の組織の中で新規事業開発の業務を行っている。

③苦労したこと   

1)就職氷河期真っ只中の就職。
2)結婚による転居により転職。大学のテクニシャンの仕事をしながら半年ほど転職活動した
3)出産により退職。当時従事していた動物試験の仕事は続けられる環境ではないと思った。
4)子供2人出産後、下の子が1歳の時に復職。3年のブランクの上に育児と新しい職場での仕事で大変だった。
5)上の子が年長の時に乳がんになる。仕事と保育園の役員と乳がんの治療をこなした。
6)ベンチャーに転職したが、経営不振により解雇(その後復職)

④どう乗り越えたか

1)中途採用を行っている企業に片っ端からメールを送って何とか就職できた。結果、即戦力として仕事に携われたので、よかった。
2)あまり良い条件での転職ではなかったが、少人数の職場だったため多くの仕事を覚えたことと、部下を持ち仕事を回す経験ができたのはよかった。
3)子育て中の3年の無職期間はキャリアを見つめなおす期間でもあった。
4)職務経験をつなげることだけを目的に派遣の仕事を選んだので、無理せず割り切った。
5)部長ががん治療中で、直属の上司の奥さんが乳がん経験者であったため仕事をしながらの治療に理解があり、派遣だったが契約を切られることはなかった。
6)解雇後、経営が持ち直したことから数か月で復職となった。この時に登録した転職サイトの職務経歴を見て現在の会社からスカウトを受けることとなった。

女性研究者キャリア




4.Dさん 30代男性  
メーカー勤務から個人事業へ


① 経歴

工学系の大学院修士課程を修了後、大手家電メーカー2社で8年精密メカ設計に携わった後、独立創業しました。

② どうしてこの経歴になったか

学部・修士での研究は楽しかったのですが、ものづくりがしたい、との想いでメーカーへの就職をしました。
メーカーで様々な経験を積み、もっと多くのメーカーに自分の技術やノウハウを役立てたいと思い独立しました。

③ 苦労したこと

独立している以上、自分の技術は自分でお客様に売り込まなければいけません。元々がエンジニアということもあり、自分の技術を他人に伝えることが苦手で、相手になかなか理解してもらえませんでした。

④ どう乗り越えたか

保険の営業マン、飲み会で知り合った人など、とにかく誰にでも話をしてみました。その際に様々なフィードバックやときとして厳しいことも言われましたが、それらを全て糧にして、自分の話し方や資料を修正していき、徐々にファンを増やしていきました。

研究者キャリア




5. Aさん 30代女性 
研究員を行った後、科学教室を立ち上げ


①経歴

東京薬科大学大学院生命科学部、博士号(生命科学)取得 。後、JAXA, 大学の助教勤務、研究所研究員。2020年、アメリカ在住中に、科学教室を立ち上げる。

② どうしてこの経歴になったか

 子どもの時に「宇宙に地球以外にも生き物はいるに違いない」と思い研究者の道を目指す。
博士課程に在学時に、研究よりは、教育に携わりたいと思ったが、一度決めた道をやり通したいと決意し、10年にわたり宇宙実験に携わる。宇宙研究への寄与、やりきった達成感を得た。

研究者としてのキャリアを積み重ねることより、子ども達と一緒に活動できる科学教室を立ち上げることを決めた。
現在は、研究者の目線を通じ「自分で問題を見つけ、考え、取り組む力」くせを持つ子供を増やしたい、との想いで活動している。

③ 苦労したこと

子どもの時に夢見た道を突き進んだが、自分の体力や能力以上のことを求められることが多かった研究者時代は、楽しいよりは義務感の気持ちが多かった。
ずっと関わった研究テーマ以外の新規テーマを見つけられず苦しかった。

④ どう乗り越えたか

新規テーマを見つけられないこと、研究論文を書いて業績を出していくのが自分に合っていない、とすっぱりと研究者のキャリアを諦めた。

10年間、責任を持って宇宙実験を、個人的には真摯に取り組めたことで、自信がついたのかもしれない。

現在は、研究者時代とはことなり、マーケティングなど違う問題が出てきた。研究者時代に培った、探究する考え方を駆使し、地道に努力していきたい。

研究者キャリア



A-Co-Laboについて


A-Co-Laboは研究者のキャリア問題に課題を感じている研究者3名で立ち上げました。
弊社では、研究者が持つ、研究経験・研究知識・研究スキルを活かして企業の課題を解決することを目的としています。

分野・年齢・所属など多様な研究者が所属!
プロジェクトやご依頼に合わせたアサインを実施します。

〈特徴〉
1.プロジェクト単位でナレッジを活かせます。
2.専属のプロジェクトマネージャーが伴走します。
3.キャリア相談も可能

〈専門分野〉
・生物 ・医学 ・工学 ・物理 ・生態学
・化学 ・薬学 ・情報 ・言語 ・心理
・教育
など分野は多岐に渡り、生物系・医療系工学系研究者から人文科学や社会科学など幅広い分野の研究者が登録しています。

〈年齢層・所属〉
パートナー研究者の半数が30代ですが、20代〜60代まで幅広くご登録頂いています。博士号取得者が80%いらっしゃいます。 
所属としては、大学が約40%、独立・起業が約40%、企業が約20%となっています。
現段階では全国海外含め170名ほどの研究者の方に登録頂いております。


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