ほがらか

フィクション

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最近の記事

5月の散文

今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな って歌詞、それだけで春にしかないあの焦燥が連想できちゃって凄い。毎年春が来るたびにスゲ〜となってる。年度始まりだからといって大きな変化はない環境にいてもなお、春はキツい。花粉症ともまた違う、身体の内側を掻きむしりたくなる息苦しさ。これに効く薬を今のわたしは持っていないので、じっと春が過ぎるのを待つしかない。強い風が吹くごとに季節は進むと信じて、祈る。 熱を出したときの夢、とよくいわれる混沌とした夢をみる人はどれくらいいるんだろう?

    • 2024/04/01

      憎く愛しい3月が終わり、4月1日。いつの日かリクルートスーツから伸びていたガリガリの足も、今じゃすっかり浮腫んで重たくなっちゃった。腰が痛くなったり、吹き出物がなかなか治らなくなったり、加齢による変化だらけなのに、生理痛だけはまだ変わらずやってくる。現実。私は、私とあなたの日々を少しでもよくする言葉を生みたかったはずなのに、コピペみたいなメールや稟議書を書くことばっかり上手になった。現実。自立するということは、1人で焼肉にいけることでも旅に出れることでもなく、1人でゴミを正し

      • 多摩動物公園の写真と話

        秋のある日。多摩センターでいい感じの音楽イベントをやってるらしい、ということで友人と多摩へ。大学時代を多摩で過ごした我々にとっては、第二の故郷への帰省気分。それはまぁ過言。 せっかく多摩に行くのであれば、ということで たまどうは道が広くて日陰もたくさんあるので嬉しいね。ちなみに今はシマウマ舎の改装中らしい。山中なだけあって、空きスペースもまだまだありそうなので多分もっとデッカくなれるはず!!!いけ〜!!!! 我々は目玉のゾウもライオンも見忘れたけど、今回のお目当てだった

        • 2023/09/25

          3ヶ月あまりも続いた異常な暑さが急に鳴りを潜めて、今日から秋です、なんて言うのはあまりに暴力的すぎる。秋だ〜いすき!冬はもっとだ〜いすき!と思っていたけど、感傷的になるのがだ〜いすき!だっただけかもしれない。感傷中毒の患者。長すぎる夏のおかげで離脱できかけていたのだろうに、すごい速さで秋に殴られている。感傷的になりたくない。いつでもゴキゲンでいたい。思考をサボらずにいたい。考えすぎずに笑っていたい。物事すべてに誠実でありたい。目の前の人に優しくありたい。怒りを忘れずにいたい。

          喫茶店と好きな歌詞の話

          ある休日の午後、ずっと気になっていた喫茶店を訪れた。 コーヒーが美味しいのは勿論のこと、ミルクにもこだわりがあるということで、半分をブラックで飲み、途中からミルクを混ぜると、とても柔らかで素敵な味わいになった。大満足。 そして、そこを気になっていたもう一つの理由は、お客さんの雰囲気にあわせたカップでコーヒーを提供しているという話。 様々な種類の器を揃えるお店では珍しいことではないのかもしれないけど、いざそう聞くと、自分にはどんなカップが出されるのかなとソワソワする。 出て

          喫茶店と好きな歌詞の話

          7月の散文 2

          夏、時が経つのが速すぎる。すごい速さなんてもんじゃない。いつからこんなに暑くなったのかも忘れちゃった。夏は忘れたくない思い出まで忘れてしまう悲しい季節だと思っていたけど、だからこそ、特別な記憶を大切にできる季節なのかもしれない。まぁ、単純に熱中症とぬるい酒のせいで、文字通り記憶を失っている可能性も高い。多分、ほぼそれ。 中学時代に聞いていた曲の意味が急に分かって走り出したくなった。歳を重ねてよかったと思う瞬間ランキング、かなり上位。加齢を不安がるのは仕方のないことだけど、憂

          7月の散文 2

          7月の散文

          いねぇって!のコーナー。町のパン屋さんで一個だけパンを買える奴。いや、いても良いんだけど。今日もカレーパンと一緒に、別に食べたい気持ちはない甘いパンを買ってしまった。牛乳いっぱいのカフェオレと一緒に食べた。甘いパン、うめ〜。 仕事終わり、近所の銭湯で友人と待ち合わせができる日常。1回で使い切るには多すぎる、サンプルのシャンプーを2人で分け合う。良い時間。 海へ。わたしは夏を憎んでいるようなポーズを取りながらも、夏にできることは全部やる。夏は好きだが、暑くて臭い季節が嫌なの

          7月の散文

          大阪、太陽の塔の話

          1年ぶりの大阪旅行。 今回の目的は推し(便宜上の呼び名)のライブ。何かひとつ目的がないと旅行に対する重い腰が上がらない怠惰人なので、地方公演は非常にありがたい。 公演中に、本人から遠征勢へ「東京で見れるのに何でわざわざ?」って問いがあったけど、私はそういうことです。あと東京でなかなか見れない内容の公演だったので。 変えるぞ、人生!上げるぞ、波動! せっかくの旅行だし観光したいよね〜ということで、ライブ翌日は太陽の塔へ向かう予定にした。 大阪へ向かう新幹線の中で、本でも読む

          大阪、太陽の塔の話

          自然教育園の話

          5月4日、みどりの日。 国立科学博物館附属 自然教育園に行った。無料開園していたこともあって、時間潰しのためになんとなく入ってみたのだけど、ま〜〜〜気に入ってしまった。 以上。30分くらい時間潰すつもりが、1時間以上居ちゃってその後の予定は遅刻しました。ゴメン! お花が満開の季節にも来たいし、実がなる季節、紅葉の季節にも来たいな〜!もっと深く楽しみたい。 1人で行っても心が落ち着くし、人とあーだこーだ喋りながら歩くのも楽しいと思うので是非行ってみてほしい〜 一緒に行く

          自然教育園の話

          祖母がボケて母が参ってるという話を聞いて、真っ先に祖母の家にいる犬の心配をしてしまった。その犬には2回しか会ったことないのに。私は血縁の家族よりよく知らない別種族を思ってしまうのかよという呆れと、よく知っている血縁の家族に向き合うことへの恐怖感。見ないとな〜、現実。

          祖母がボケて母が参ってるという話を聞いて、真っ先に祖母の家にいる犬の心配をしてしまった。その犬には2回しか会ったことないのに。私は血縁の家族よりよく知らない別種族を思ってしまうのかよという呆れと、よく知っている血縁の家族に向き合うことへの恐怖感。見ないとな〜、現実。

          3月の散文

          映画「BLUE GIANT」を観た。こっそり、結構泣いた。いつの間にか、若者に夢を託す側になっていたんだな私も。 レイトショーが終わって23時50分。コンビニでケーキを買ってもらった。0時。ひとつ歳をとった。偶然にも1年前に辞めた会社を見上げながら、路上でケーキをむさぼる。取るはずだった休みを返上して、客に理不尽な罵倒をされながら、家で一人泣いちゃった誕生日もあったね。でも大丈夫だぜ。当時の私よ。数年後には感動の涙の方が増えるし、夜中にケーキだって食えるぜ。 素面なのに何かミ

          3月の散文

          カリンバが届いた話

          誕生日の2日前、身に覚えのない配達予定メールが届いた。 カリンバ…? 差出人は母の名前になっている。娘の誕生日でウケようとしているのか? にしても、26歳の誕生日プレゼントがカリンバなことある? 次の日。 届いた。 しかも何故か、私が中学時代に着ていたブランドと好きだったバンドのショッパーで梱包されてた。マジで何でだよ。 母からのお手紙も同封されていた。 「ママもカリンバを買ってみましたョ  いつかセッションしてみたいね」 ボケじゃなかった。大本気だ。そうだ、母

          カリンバが届いた話

          ごはんの話

          薄々気付いてはいたが、「食べる」ということは私の人生においてかなり重要なことっぽい。 重要というのは、なるべく美味しいものを食べたいというのももちろんあるけど、空腹への耐性が低いとか毎日ちゃんとお腹が減るとか、そういう体質的な部分。 夏バテや二日酔などの体調不良以外で食欲不振になったことって、人生で二回くらいしかないかも。どんなに悲しい夜だって大抵はお腹が空く。おかげでもう肥えが止まらん止まらん。 悲しい夜でさえやっぱりお腹は空く、といえば、冷蔵庫の悪趣味ステッカー 丈の足

          ごはんの話

          初・上野動物園の話

          上野公園へ行くたびに、動物園も行きたいな〜でも混んでるし一人で行くのもな〜と思ってるうちに上京8年目。 久々の平日有休をとった日は穏やかな冬晴れ。目当ての美術展は午前中で見終わり、午後の予定はなし。行くなら今日しかない! いざ入場すると、思っていたよりも一人で訪れている人は多い。遠足中の子供達もいたけれど、広さのおかげで混雑もそこまで気にならないし。一人で行くなら水族館より断然気がラクかも。水族館はちょっと雰囲気がセクシーすぎるエリアがあったりするしね。動物園は朴訥としてい

          初・上野動物園の話

          2022/8/16

          人間関係にストレスを抱えてる人が複数いる組織に所属していながら、自分は大きなストレス無く過ごせていることに気付くと、無自覚なだけで私も加害者では?と落ち込む。その一方で、私が伸び伸び過ごせている環境は私が自分で辿り着いた場所だし、過剰にありがたがったり申し訳なさがるのも変じゃない?という気持ちもある。ムズィ〜。 中高生の頃は、どんな環境でも皆んなと楽しく過ごせていそうな快活な同級生のことを疎ましく思ってた気がする。あれが思春期(という一言で当時の私の感情を片付けてあげたくは

          2022/8/14

          今日は学生時代を過ごした町へ。朝から銭湯に入って、思い出深い喫茶でモーニング。向かいの席に1人のおばちゃん。ハンバーグセットを注文。少し経つともう1人おばちゃんが合流。ハンバーグセット。仲良し。2人のおばちゃんがタバコを燻らせていると、もう1人おばちゃんが合流。ハンバーグセット。仲良しすぎだろ。3つのハンバーグセットと灰皿を囲むおばちゃんたちはずっと顔をしかめて何かの文句を言ってたけど、彼女らが楽しいならいいよね。数十年後の私にも、日曜の午前中に喫茶店で待ち合わせてくれる友達