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5月の散文

今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな
って歌詞、それだけで春にしかないあの焦燥が連想できちゃって凄い。毎年春が来るたびにスゲ〜となってる。年度始まりだからといって大きな変化はない環境にいてもなお、春はキツい。花粉症ともまた違う、身体の内側を掻きむしりたくなる息苦しさ。これに効く薬を今のわたしは持っていないので、じっと春が過ぎるのを待つしかない。強い風が吹くごとに季節は進むと信じて、祈る。


熱を出したときの夢、とよくいわれる混沌とした夢をみる人はどれくらいいるんだろう?
私は風邪をひいたとき、決まって昔の夢をみる。しかも、努めて忘れようとした景色や人、場面が嫌に誇張された夢。眠りの浅さからなのか、風邪薬のせいなのか、それとも心理的な由来なのかは分からない。忘れるなとでもいうように、夢の中で甦るものたち。弱っている身体につけこむところも腹立たしい。忘れてなんかたまるか。何度でも健康な心身で目覚めてやる。今夜も葛根湯を飲んで寝るぞ。


言葉に責任を持つということと、「やっぱ違いました!」を認めること。両立したい。


再会の春。半年ぶりに会う人から、1年ぶり、もっと前ぶりの人までみんなが、最後に会った日と同じように私の名前を呼んでくれて嬉しかった。できれば毎日だって呼んでほしいけどそうもいかないから、次の再会までに、もっと上手に美しくあなたの名前を呼べるようにしておきたい。なんて言ったらきっとあなたたちは、上手じゃなくても美しくなくてもいいよと笑うかな。笑っていておくれよずっと。


五月病を乗り切るために、と生けた芍薬が枯れると共に体調を崩した。五月病ではなくただの風邪。もうすぐ五月も終わる。

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