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2024/04/01

憎く愛しい3月が終わり、4月1日。いつの日かリクルートスーツから伸びていたガリガリの足も、今じゃすっかり浮腫んで重たくなっちゃった。腰が痛くなったり、吹き出物がなかなか治らなくなったり、加齢による変化だらけなのに、生理痛だけはまだ変わらずやってくる。現実。私は、私とあなたの日々を少しでもよくする言葉を生みたかったはずなのに、コピペみたいなメールや稟議書を書くことばっかり上手になった。現実。自立するということは、1人で焼肉にいけることでも旅に出れることでもなく、1人でゴミを正しく分別できることや税金の仕組みを説明できること、自分を安心させるだけの貯蓄があることだとも知っている。現実。現実、現実。どんなに言葉を費やしても、伝わらないことがある。どんなに言葉を費やされても、理解できないことがある。それでも私は、私とあなたと誰かの日々を少しでもよくするための言葉を探すことを、言葉の真意を理解しようとすることを、まだ忘れたくない。私たちの世には理想も虚構もなく、実在するものがすべてである。現実。この、際限なく拡がる想像を世に実在させるには、言葉や物質による制限を与えるしかない。浮腫んだ身体を、痛むお腹を抱えながら。2024年度の始まりに寄せて。

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