そま

音楽と生活、サブカルチャーとアンダーグラウンド

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最近の記事

詩/まぬけ

「悪いやつじゃあ ねえんだけども」か 間抜け かばうは大間抜け 「間抜けは罪か?」と問われれば そんなマヌケな問答があるか、と 人は優しく「いいえ」と首振る 胸中 間抜けにゃうかがいしれず いっそ叱ってくれればと 甘えりゃドツボのツボのツボ 視野狭窄の癇癪持ちが 返すちゃぶ台 間抜けの業よ 笑えや笑え せめて指差せ 天下の間抜けと嘲笑え 甲高き声 呂律は回らず 「重なる苦悶が刻みしシワよ」と 本意気 キメたる 悲痛の面持ち 三千世界をスベリ倒し 賢人ほほえみ 愛ある拒

    • 日記/2022-09-15 アイフォンなくした

      酒に酔って大事なiPhoneを無くしたので、きっとこのNoteにしたためていたはずの、iPhoneを買ったときに書いたエントリを読み返してみた。 🍎 自分の文章を読み返すのは、これがなかなか興味深い。自分の文章だな、と、まず思う。自分の書いた文章だから当たり前なんだけれども、どうにも不思議なことに、そのうち自分でも理解できない展開や言い回しに行き当たる。これをどうして書いたんだろう、と、かつての自分の思考をのぞきこむ。自分と自分だけの気味の悪いやり取りの果てに、さらに気味

      • 日記/ やきにく

         同居している妹と焼肉を食べに行った。  店に入り、傘を畳んで傘立てに置き、席に案内される。韓国の外食文化の影響か、焼肉屋であろうとも内装の煌びやかさや、さまざまなサービスから成る「非日常的な体験」を重視したお店が近頃は増えた。が、今回入ったお店は、かなりトラディショナルというか、国道沿いのジャパニーズサブアーバンライクな、いつか慣れ親しんだ雰囲気が気の置けない、心地の良さを感じさせるお店だった。メニューにも、余計に奇をてらったスタンスは、見てとれない。  慌ただしくホー

        • 詩/熱中症

          汗だ、と思う。 上昇し続く体温の、しつこく乞われる要請に、流れ出ていくこの水分は、意識を少しずつ溶かし、きっといくらか含んでいるはず。静かに流れるその勢いのまま、いつしか巨大なシアターの後ろの座席へ向かう階段、えっちらおっちら登るかのごとく、視界はぼんやりどこか遠くへ。 意識はやがて明滅し、黒と白とのパターンを成す。短縮していく間隔は、まるで、嵐の向こうに見えるあの世へ、とん・つー発するモールス信号。 苦痛は死への警告ではなく、おそらく、生の苦しみそのものとも言える。世

        詩/まぬけ

          詩/キアロ・スクーロ

          6月の空はより高く、深く間延びつ、空を穿つ。そこにどろりと、流す雨雲。 天球が、われらの浮かぶ天の川の、銀河の横腹かすめゆく。夜の闇へ、星くずが繋ぐ川をかけ、織姫と彦星さまとを彼の河岸へ。甘い逢瀬を導くは、砕けて散らばるこんぺいとう。 友との出会いを思い返すとも、いつでも濁って薄ぼんやりと。 アルコール、喉を燃やして腑へと落ちゆく。その水筋の通り焼け付くいきおいは、浮腫む頭は、記憶を押し出し、淀む快楽、貪る、つかの間。 いつか来る、甘やかな情は終わりへ滑る。やがて明けゆく

          詩/キアロ・スクーロ

          日記/2022-04-28 人生がチョコレートボックスのようなものでも

           帰り道、夕飯どき。  首元が伸びきったTシャツに垢じみたチノパン、ストラップを限界まで伸ばしきった肩掛けカバンには、パンパンに詰まった何らかの荷物。"まさに" と形容する他ない雰囲気のチー牛くんが、背中を丸めたまま早足で歩くそのリズムに合わせておなかをさすり、鼻先までずれ落ちた眼鏡を通して、所在なさげにきょろきょろと周囲を眺める。そのひときわ奇妙な歩き方は、わたしの視界の中で、否応なくわたしの注意をひきつける。すき家に入るのだろうか。それともしっかり二郎系か、はたまた流行

          日記/2022-04-28 人生がチョコレートボックスのようなものでも

          鑑賞メモ/What did you mean - Theo Katzman

          ♪  気に入った曲を見つけると、とりあえず1週間くらいはその曲だけを聞き続ける。  音楽好きを自称してはいるが、音楽を通じて知り合った友人が少ない。サブスクリプション・サービスによって音楽が身近になり続けているこの時代の恩恵に逆らっているような気もする。そういう人は、そもそも ”好き” という衝動のうちに、あまりにオブセッシブな成分を含みすぎているんだろう。あらゆる創作物の中でうつくしく描かれる恋愛感情もまた、ある人々にとっては、目も当てられない怪物のような姿をしている。生

          鑑賞メモ/What did you mean - Theo Katzman

          酩酊日記/ 不安と逃避と、神と信仰と

          🍺  以前働いていたバーで、毎度、席に座ると同時にスピリタスのトニックウォーター割を頼むお客さんがいた。スピリタスとは、ポーランド産のアルコール度数96%にも達するウォッカの銘柄。そのあまりの純粋さがもたらすクレイジーな味わいは、他の数多のパーティドリンクとは一線を画す。強烈という概念そのものを生搾りしたかのようなスピリッツだ。  これ以上ない透明さのその液体の入った、小さなショットグラスを持ち上げた勢いで揺れるお客さんのでっぷりとした風体、まばらに頭皮をのぞかせる脂ぎった

          酩酊日記/ 不安と逃避と、神と信仰と

          災害から考える、コミュニケーションの基本について

          災害はいつも突然に トンガにて大規模な火山噴火が起こった。 "大規模な噴火" と言われたとき、わたしが真っ先に思い出したのはポンペイだった。が、今回のトンガでの噴火は、それよりも強烈とのこと。有史における最大規模の噴火ということだが、巻き上がった噴煙によって衛星通信は遮断され、その火山がトンガへと繋がる海底ケーブルのごく近くにあったことでケーブルの切断に繋がり、現地の様子は衛星写真でしか確認できない。ともすると一種の魔法のようなもの、と空想めいた捉え方をしてしまいがちだった

          災害から考える、コミュニケーションの基本について

          映画『エターナルズ』鑑賞メモ/かんそう

          映画・音楽などの作品鑑賞は昔からの趣味ではあるが、ただチョコかじりながらぼーっと見てるだけっていうのはなかなかもったいない(≒優雅な)時間の使い方してんなと思って、鑑賞に際してメモを取りながら見てみた。楽しかったら続けてみようというつもり。 ───────────────────────────────────────────── ※以下、作品内容への言及を含みます。───────────────────────────────────────────── ・わたしはネタ

          映画『エターナルズ』鑑賞メモ/かんそう

          You just don't know,

           退屈なときに、何をするでもなくTikTokをぼーっと見ていると、ボーカルグループ・Pentatonixの歌う、Favorite Thingsの動画が流れてきた。  メインになるパートが聞こえない。歌詞が字幕に出てくる。どうやら、視聴者が画面を見ながら歌うよう誘導する動画であるらしい。  すごく好きな歌だ。この歌が使われている映画、サウンド・オブ・ミュージックでのワンシーンが思い出される。小さく口ずさみながら、この歌、めちゃくちゃ難しいな、と思う。  TikTokでは、動

          You just don't know,

          エビの尻尾は不要だが、ないならないで物足りない。

           尼崎に住む母が、突然、荻窪の我が家へ押しかけてきた。  母が現在携わっている教育事業での出張だという。10年近く前に体調を崩してから仕事量はセーブしていたはずだが、今やすっかりワーカホリックに逆戻りしているようである。  こうして何かに追われて、それに対する文句でもこぼしているくらいの生き方がとにかく性には合うんだろう。一番はつらつとして見える。水を得た魚、というには少々息苦しそうだが。長子であるわたしをうっかり妊娠してしまった時からずっとそうなんだろう。あるいは、その前

          エビの尻尾は不要だが、ないならないで物足りない。

          お釈迦様の、言うことにゃ

          iPhoneの画面というのは、どうしてこう、目に痛いのか。 映像をしっかりと見るためには小さすぎるので、目を凝らさないといけない。なのに、このけばけばしい輝度の不釣り合いたるや。明るすぎるな。 目を細めながら、画面を暗く調整しようとする。いや、待てよ。まだピザを持ったままだった。 これを食べてから、手を拭いて、それから操作しないと。 あっそうか。そのピザひと切れがどうにも食べきれないんだった。 丸一日以上何も食べておらず、空腹なはずなのに、食べる手が進まない。 食べる手が

          お釈迦様の、言うことにゃ

          ダルい感じのノリの人をうまいことコントロールしてくれて、あとでそのことに対してお礼言ったら「僕性格悪いんスよね~笑」とかこっ恥ずかしそうに笑ってるひとまァじ性癖

          利己的で、自分が受ける損得への執着が人一倍強いのに、他人のそれに対してはルーズであるどころか、むしろ積極的に他人が損をするよう取り計らう人を、「性格が悪い」と言ったりしますね。 この「損得」は、機会均等の恣意的な調整に関するものであることもあれば、金銭的なものでもあったりしますが、要は他人の不遇を望んで、あざ笑う人をそう呼ぶんだと思います。 最近のアヴリル復活、うれしすぎる。 昔から性格の悪い女の子のためにずっと歌ってくれてますね。 「性格の悪い人」を「他人の不幸がおも

          ダルい感じのノリの人をうまいことコントロールしてくれて、あとでそのことに対してお礼言ったら「僕性格悪いんスよね~笑」とかこっ恥ずかしそうに笑ってるひとまァじ性癖

          ポエムは冬の季語ですか?

          iPhoneに乗り換えた。 値段たっけえ。 これが現代人にとっての普通か、という疑問と、これが現代人にとっての普通か、という安心感がある。「普通」に属すこと。 自分の生活や人生が特別変わったものであるという自覚はないが、いつか思い描いていたような「普通」を暮らしているわけではない。これから自分の人生はどこへ向かうんだろう。将来へ対する見通しの弱さとそこからくる不安は「普通」かな。 猫の写真を撮った。猫を飼っている人間はなにかと猫の写真を撮る。普通。 普通にiPhone

          ポエムは冬の季語ですか?

          「ありのまま」って言葉を聞いただけで例のディズニーソングを反射的に歌いそうになる

          「ありのまま」「純粋」「素の自分」「飾らない」「無理をしない」 こういったフレーズに傾倒する人たちが、SNSでは特によく見られます。 SNSの利用頻度の高い人は内向的な性格傾向が強く、わたしも含め、コミュニケーション能力に難を抱えていたり、満足のいく人間関係を持てていないという自覚のある人が多いっぽいです。 冒頭のフレーズに傾倒しているらしい人たちのツイートやストーリーを読んでいると、他人や状況に合わせて「無理をせず」自分を「飾り立てることもなく」、「ありのまま

          「ありのまま」って言葉を聞いただけで例のディズニーソングを反射的に歌いそうになる