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仕事の狭間で音楽について思考したことの忘備録。とりとめもなく書きます。

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とりとめのない音楽思考

昨日の夜、すごくポップにクラシックを楽しめたなあと思い返して、とってもよかったな、という気持ち。 二十数年クラシックがわからずにいたので、そのコンプレックスを隠すように音大にいた頃からとにかく頭でっかちになろうとしていた。 というか、自分の感情ではなく、ひとの感情をどう作ろうかっていう音楽のちからのほうに興味関心があった。んだと思う。 然るに、私はドイツの音楽が大好き。感情のほとばしりを、こう、枠にぎゅっと押し込めてるから、頭でわかることが多い。「理解できる」みたいな。

    • L.Durey 《Le printemps au fond de la mer》

      やっとヴェルディとの戦い(いつか述)が終わったので、再開します。 デュレ(1888-1979) 19のときにドビュッシーの《ペレアストメリザンテ》をみて作曲家を目指し始めたので、ほかの5人と違って音楽への開花は遅い。ピアノとか和声とかは先生に習ってたけど、作曲と指揮は自力で身につけてる。(ロシア…!!!) すぐにサティに見出されて、6人組の前身である「新しい若者のためのグループ」に名を連ねる。 そのあと6人組になるんだけど、割とすぐサヨナラ。6人組でつくった《エッフェル塔の

      • A.Honegger 交響曲第3番《典礼風》

        オネゲル(1825-1955) 6人組でひとり方向が変。逆張りしてそう。硬い。ワインよりビールが好きそう。お酒は永遠にちびちび飲んでそう。シンプルにいうと、すごい好きです。 ドビュッシーとワーグナー足して2で割ったみたいだなあと思ったらわりと正しかったみたい。 以下ざっくりバイオグラフィ。 小さい頃からヴァイオリンと和声を学ぶ。最初チューリッヒ音楽院にいて、その時にワーグナー、シュトラウス、レーガーを受容。あとめちゃめちゃバッハをここで受け入れていく。 そのあとパリ音楽院

        • G.Tailleferre 弦楽四重奏

          タイユフェール(1892-1983)です。フランス6人組の唯一女性。 パパの反対を押し切ってパリ音楽院に入学、ピアニストとして活動。大学でオーリック、オケゲル、ミヨーに出会う。サティにめっちゃ好かれる。あとポリニャック公夫人というでっかいパトロン(ラヴェルのパトロンでもあって「亡き王女のパヴァーヌ」を献呈されたりしてる!)にも愛される。 ストラヴィンスキィの新古典主義にどハマりするけど、フォーレやラヴェルにも影響されてる。 残念ながら2回の結婚が彼女の音楽家人生を後退させてい

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          2本

        記事

          F.Poulenc ピアノの木管のための6重奏

          パリのど真ん中で生まれる、裕福でおしゃれなパリジャン。2歳からピアノして、家族について行ってコミック座いったり音楽が身近に。ちなみに師事してたヴィニェスはドビュッシーやラヴェルの初演してたりな人。 プーランクはパリ音楽院に行ってない!なので、最初っから"自分の様式"を持ってた。好奇心旺盛でゲイで宗教も身近だったからさらに型にはまらなくて豊かな音楽性。 30代のときにはバレエ・リュスがきてて、ディアギレフにも声をかけられてる!なのでオペラよりバレエのが多い。 https://

          F.Poulenc ピアノの木管のための6重奏

          D.Milhaud 室内交響曲(連作)

          ふたりめ。 アーモンドの取引で財を成した家に生まれて、ずっとなんか音があってそれもいくつもの音の重なりのなかで成長。神経質だった子どもだったので、そういうのが気になった結果、複調とかにつながる。 27歳のときに仲良しだった外交官の秘書としてブラジルにいき、その時にジャズも受容(ちなみにパリでジャズオーケストラ作品出したときには酷評されたりもした)。 WWⅡ中はアメリカに亡命。財産持参制限を文字通りに解釈して無一文で入国しちゃう(かわいい)。その後教師の職を得て、アメリカ音楽

          D.Milhaud 室内交響曲(連作)

          G.Auric 木管三重奏ほか

          6人組シリーズ。 オーリックさん、ローマの休日のひとらしくめっちゃ優雅な午前中をコーヒー屋さんで迎えました。(更新日の前日の話) あんまりよくしらない人だし、授業でもさらっとだったので、こんなときはグローブオンラインに頼ります。 ジョルジュ・オーリック(Auric Georges) 1899-1983 幼少期からドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキィに親しむ。サティ好きで、サティについての論文書いたり仲良し。パリ音楽院で6人組オネゲル、ミヨー、タイユフェールと出会

          G.Auric 木管三重奏ほか

          フランス6人組 『エッフェル塔の花嫁花婿』

          今日からフランスします。 6人組。アフタードビュッシーのひとたち。 フランシス・プーランク 1899-1963 ジョルジュ・オーリック 1899-1983 アルテュール・オネゲル 1892-1955 ダリウス・ミヨー 1892-1974 ジェルメーヌ・タイユフェール 1892-1983 ルイ・デュレ 1888-1979当時新進気鋭のことひとたちのことを、雑誌で「6人組」と評論家アンリ・コレが言い始めたのがきっかけ。もちろんロシア5人組のもじりです。 ひとりひとりは後ほど追っ

          フランス6人組 『エッフェル塔の花嫁花婿』

          O.Messiaen 時の終わりのための四重奏曲

          マーラー聴いてると、音楽にすごい色ついてるなあと思ったので、音楽の色彩家メシアンへ。 メシアンは宗教音楽家で音の色彩家で、あと鳥の研究家。 ベートーヴェンはミサ・ソレムニスで宗教音楽を教会の外に持ち出したけど、メシアンは逆に外の音楽を教会の中に持ち込もうとしてた。 その上20世紀のひとで調性もなくてとっつきにくいな〜ってイメージ。 話は飛んで、音楽美学の世界になると、"音楽と時間"について語られたりする。音楽を聴く=時間をデザインする、みたいな。 そんなら音楽で時間を超越

          O.Messiaen 時の終わりのための四重奏曲

          G.Mahler 交響曲第5番

          いやー、モーツァルトさんとザロモンさんには申し訳ないのですがどうしても41番を楽しく聴けない…。モーツァルト聴いてるようでベートーヴェンみたいだからですかね? そんなわけで自分の好きな音楽に逃げ帰りました。 クーベリックの何が好きなのかわからないけど、初めて聴いた時の嬉しさでいつも聴いてしまう。 マーラーの情緒不安定っぷりが大好きだ。 5番だからなんかやっぱりベト5を想像してしまうのはわたしだけかね?音型に運命みを感じてしまう。 小さい時から天才だってもてはやされてちょ

          G.Mahler 交響曲第5番

          W.A.Mozart 交響曲第40番

          まあ、39ときたら40。明日もお察しです。 またアバド。でもなんかかっちりぱっきりがいい気がする。 モーツァルト三大交響曲のふたつめ。 41個(ほんとはもっとある)の交響曲のなかで二つしかない短調の曲のひとつ。両方ともト短調だから、こっちが「大ト短調」って呼ばれることもある。 今日はちょっとパンフレットっぽく。(昨日はなんせクラリネットの紹介だったから…) 第一楽章 みなさんご存知すぎる。途中から「ぱるる、ぱるる、ぱるる…」って聞こえてくる。 モーツァルトは幼少からバ

          W.A.Mozart 交響曲第40番

          W.A.Mozart 交響曲第39番

          今日(昨日。更新を忘れてしまった…)はちょっと恋すぎることがあったので、恋→愛→クラリネット→モーツァルト!!ということで。 クラリネットって意外と登場がおそくて、ハイドンやモーツァルトの頃はだいたいオーボエとホルンとVn.郡ってのがオーケストラの基本。 初期の途中からフルート、ティンパニ、トランペット、そんで中期からファゴット。モーツァルトにおけるクラリネットの登場はほぼほぼ後期。 交響曲31番「パリ」で初めて使われてから、モーツァルトはオペラとかでも愛の楽器としてクラ

          W.A.Mozart 交響曲第39番

          J.Cage (First)Construction In Metal

          ヨーロッパ、日本、ときたのでにたような潮流inアメリカ。 みなさんご存知すぎるジョン・ケージ。4'33"。 なんだ馬鹿にしてんのか?笑わせたいの?って最初思っていました。ごめんなさい。 めっちゃ哲学あった。かっこいい。 まずケージとは。 武満よりちょっと前の人で、武満含めて日本の芸術音楽界に「ケージショック」を起こしたくらいだし、20Cアメリカの文化現象とまで言われる。 この辺のいろいろ新しいことしてる人たちを「実験音楽」って呼んだりする。 ケージは、ピアノにもの挟んで新

          J.Cage (First)Construction In Metal

          武満徹 フォー・アウェイ

          現代音楽、日本では? ということで。 ノヴェステで邦楽器で日本らしさだした人でしょ? と思ってたけどだいぶ違った。むしろショパンみたく西洋音楽のながれに位置付けられてるらしい。武満さんごめん。 武満徹はなんかこう、やばい人で、当時の芸大の"西洋の流れにある"みたいな音楽の勉強が嫌いで無調に走ってる。厨二病。 でも実はこの曲のあたりから、やっぱり調性使うのもちょっとよくね?って可愛くなってるらしい。たとえば伸ばしてる音たちにはちゃんと関連があるとか。3度の響きを積み重ねなが

          武満徹 フォー・アウェイ

          C.Stockhausen ピアノ作品Ⅺ

          まさかのベートーヴェンからシュトックハウゼン。 私の受けてた音楽美学の授業で「開かれた作品」として紹介されたもの。 楽譜が見ての通りなぞ。 断片が沢山書かれてる。 ページもばらばらのまま。 というのも、この作品は、演奏者自身がこの断片を好きな順番に好きなように繋ぎ合わせてつくる作品。作曲者が全部決めるんじゃなくて演奏者が演奏することで音楽が完成する。 せっかく作品を作り上げたのに、演奏者の解釈が入ったら、それは作曲された作品とは変わっちゃうんじゃない?っていうもやもやか

          C.Stockhausen ピアノ作品Ⅺ

          L.v.Beethoven 交響曲第2番

          1と3に挟まれて忘れがちになってごめんなさいな第2番…。 ちゃんと聴いたらすごい楽しいじゃん!!! ベートーヴェンの仕掛けがたくさんだしとても分かりやすい。 ふわ〜っとはじまってだんだん拍節がはっきりしていく序奏。 きめ細かくなっていった先はずっと下でタタタタタタタタ…と刻み続ける本題に。「ソナタ形式」だし第一主題が刻んでるなら第二主題はさら〜っと行くのかなあと思ってたらタタタタはそのままに管楽器で色を変えてくる!クラリネットかわいい。ちょっとモーツァルトっぽい気がする。

          L.v.Beethoven 交響曲第2番