< 退職まで 0 日 >(実質 0 日) ●どうしてこうなった 結局、最終出社日から現在まで、公式な連絡は何もなかった。 経営層は胸をなでおろす。やっぱりアイツは大した仕事をしていない。俺の判断は間違ってなかった。とんだ食わせ物だと嘯いていたという情報は入ってきている。まあ、そうなんだろう。そういうことにしておいたほうが、お互い幸せである。 問い合わせなんて発生するはずがないのだ。入退社のアカウント操作とキッティングくらいしかまともに引き継げなかったのだ。問い合わせ
< 退職まで 14 日 >(実質 0 日) ●すべてのおわり アカウント削除よし、PCリセットよし。どちらも既存のシステムに影響を与えずに稼働していることが確認できた。すべてのデータ、プログラム、スクリプト、仕組みの移行に成功したということである。ひとまず胸をなでおろす。 あとは物理の処理がふたつ。パソコンの返却と保険証の返却だ。前者については会社の近くにちょうど用事があったため、届けに行くことにした。 一日でそこそこ質問が溜まっていたらしく、それはああだよ、これは
< 退職まで 15 日 >(実質 1 日) ●平和そのもの 特に何事もなく…。社長と少し話をして、表面的な挨拶をする。それ以外は、引継ぎ項目の最終確認とアカウント停止に伴う異常ログがないことを確認しただけ。 一時期バタバタとヒートアップしたものの、終わりはこんなモノ。今日で物理出社は終了。しずしずと退社する。 ●今後について 明日は最後のリモート出社。実際にアカウントを削除して、問題がないかを確認しつつ、使用していたPCをリセットするという儀式を終えるだけだ。 そ
< 退職まで 18 日 >(実質 2 日) ●表面上の動き平☆和。せいぜい社長が挨拶を返してくれないということくらいだ。 あれだけやいのやいの言ってきていた経営層からの干渉は「出るとこ出ざるを得ない」と宣言した途端、ピタリとなくなった。表面上は何事もなく、超特急で引継ぎ資料の補完や追加、説明が必要なところを説明していくという忙しい一日が過ぎていく。 弁護士の件は、先に脅しをかけられていたのだが…自分がやられるとなると萎縮するということなのだろうか。まあいいや、これでつつ
< 退職まで 19 日 >(実質 3 日) ●この道を行けばどうなるものか 私が入社してから数えて、ざっくり60番目くらいの退職者となる。3年で60人、1年で20人を見送ってきた。離職率としては高い方であろう。 数多の退職者たちの9割は、社長直々のネガティブキャンペーンにさらされる。最初から喧嘩腰だった人間はともかくとしても、退職時期の交渉に従わなかったもの、有給消費を拒んだもの、副業を断ったものなどなどは、最終出社日を迎える前から「あいつはダメなやつだ」「裏切り者だ」
< 退職まで 20 日 >(実質 4 日) ●視点 当たり前ではあるが、自分のことを自分の都合で書いている。よって、どうしてもバイアスはかかる。特にこういう誰かとの別れは、立ち去るものだけが美しいように見えがちだ。残されて戸惑う者たちは追いかけてこがれて泣き狂うようにしか描写はされない。 実際どうであるかについては、わたしにはわからない。それでも事情は全て話しをした。表面的には納得してもらってもいる。それが、全てだ。内心どう思われようが知ったことではない ― 気にならな
< 退職まで 22 日 >(実質 4 日) わしゃもうしらん・・・なんでこのタイミングで引継ぎ計画全部ひっくり返されるの・・・
< 退職まで 25 日 >(実質 5 日) ●社長との打ち合わせ打ち合わせというよりは、退職の挨拶という態だったのだが ― まあ非道い内容であった。曰く ・ 情シス後継者を探せなかったのはお前の落ち度だ ・ 100%引継ぎをせずに辞めるのは無責任だ。男じゃない。 ・ 俺は凄いんだ。俺とは縁をつないでおいたほうが良い。 ・ 12月から副業で情シスをやる?そんなことは聞いてない ・ 副業は有償でやる?お前恩を感じていると行ったのは嘘なのか? とまあ、ため息しか出ないようなお
< 退職まで 28 日 >(実質 8 日) ●情シスが不在になるということ私のようないわゆる「ひとり情シス」がいなくなり、情報システム部門がなくなることについて考えるのは、私の立場でやっていいことではない。 腹案はあれど、もう数日で出社しなくなる身だ。何を言っても無責任にしかならない。求められれば意見は言うし提案もするが、それは私ではない誰かが実行しなければならないものになる。それは、前任者が残す呪いでしかない。 そしてその呪いは次の情シスにとって良い結果をもたらすとは
< 退職まで 29 日 >(実質 9 日) ●副業の条件ふたたび 前回記事で記載した条件で、ほぼほぼ路線は決定したようだ。 ただ、契約書も覚書も交わしていないので、確実にそうであるとは言えない。だいたいいつでも、どんでん返しというものは必ず発生するのだ ― と思っていたらやはり発生した。 価格や業務深度、現職を続ける人たちのことを総合的に鑑み、現場の現実的な感覚でので落とし所であるかどうかは関係ないのだ。経営層からみて、もっといいサービスがあるのであれば、それについても
< 退職まで 32 日 >(実質 10 日) ●条件交渉前回提示した条件に対して、反応があった ― 予想通り「高い」という話である。 まあ、ワカランではない。 他サービスでお願いすると提示の2.2倍額だし、お世話になった会社であることもあって、私の標準費用の半額にしてある旨を伝えた。 それでも高いというなら別にこちらはええんやでとは伝えるものの、正直、現社は断ることはできないだろう。また、私に払ってる程度の給与では、新たに情シスを雇うということもできないだろう。 そ
< 退職まで 33 日 >(実質 11 日) ●社長との面談日調整これまでの退職者の話によると、この段階から徐々にSAN値が削られるとのことである。 SAN値というのはつまり、正気度のことである。それが削られるイベントというのは例えば 密室または全社のまえで怒鳴られたり、 引継資料作りたいのに、呼び出されて3時間ほど説教されたり、 会議の途中で呼び出されて急に泣き落としされたりどなられたり あいつは会社を裏切りやがったと吹聴されたり というようなことである。 私が知
< 退職まで 34 日 >(実質 12 日) ●引継ぎ打ち合わせようやく、ようやく引継ぎの打ち合わせが行われた。結果から言うと、私の受け持ちは73項目中44となった。外見上だけでも数が減るのは良いことである。 とはいえ、これらは12月も私が副業という形で関わる場合の話になる。 本当に副業をする場合のこちらの条件を提示したが特に反応がない。数時間経って来た回答は「週末に協議して来週再度話し合いがしたい」という内容。 まあ、そうだろう。 こちらの提示した条件は、物理出社
< 退職まで 39 日 >(実質 14 日) ●副業の条件副業に限らず、業務というのは、お互いがきちんと条件を合意していないと不幸になる。とはいえ、あれもこれもと突っぱねていては合意もクソも無い。よって、業務範囲表とともに、以下4つについての条件を作成し、提示した。 1)受付窓口 → 一本化すること。決裁後に依頼すること。 2)受付時間・稼働時間 → 平日19時~21時・日曜10時~16時とすること。 3)例外対応 → 物理出社は交通費及び出張料が発生すること。
< 退職まで 41 日 >(実質 16 日) ●評価面談弊社では、評価面談というものが行われる。 上司(あるいは、上司ではない偉い人)から評価を下され、これまでの説教と来期に期待することをなんとなく伝えられる、そんな面談である。 管理部門は、特別なことがないかぎり「5段階で言えば3」の評価となるのが常だ。今回の私の評価は2。下から2番めだ。 表向きの説明は、業績が悪くなったからということだが、残念ながら他の部員がみんな3評価であることは知っている。ははあ、退職する人に
< 退職まで 42 日 >(実質 17 日) ●辞めてどうする?給料ナシで暮らせるほど裕福ではないので、もちろん働く。 年齢的に転職は難しいだろうと思っていたが、意外に声をかけてくれるところは多かった。副業というのが一般化したというのも大きい。リモートでも業務になるということを経営層が知ったというのも大きいのかもしれない。 情シスとしてどういうキャリアを積んでいくのか、あるいは、あるいは、情シスという枠を超えるキャリアにするのか。 そのあたりの悩みは、先人の導きによっ