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なにゆえ もがき いきるのか?

< 退職まで 14 日 >(実質 0 日)

●すべてのおわり

 アカウント削除よし、PCリセットよし。どちらも既存のシステムに影響を与えずに稼働していることが確認できた。すべてのデータ、プログラム、スクリプト、仕組みの移行に成功したということである。ひとまず胸をなでおろす。

 あとは物理の処理がふたつ。パソコンの返却と保険証の返却だ。前者については会社の近くにちょうど用事があったため、届けに行くことにした。

 一日でそこそこ質問が溜まっていたらしく、それはああだよ、これはこうだよと言いながら約1時間。それからさらに30分ほど愚痴に付き合う。

 情シスなんてできませんよ、難しいこと聞かれたらどうしたらいいんですかね、私じゃなくてあの人のほうが適任じゃないか、なぜ後継者がみつからなかったのか ― それらに私は、うんうんとうなずくことしかできない。

 管理部門は以前から人手不足であると訴えてきた。営業部門からも、もっと強化をしてほしいという要望が上がってもいた。

でもね。
君たちも知ってのとおり、会社は管理部門の採用活動はしなかったんだよ。
採用活動に奔走したのは私だけだったのさ。
これからの業務は大変だよ?
うまく回してしまえば、もちろん補充の採用はない。
うまく回らなくても、おそらくなんとかしろで終わるだろう。
でも、それが経営層の判断なのさ。

 …なんぞとは口が裂けても言えないし、言うべきではない。言わなくったってわかってるだろう。それに、私は彼らから見れば仕事を押し付けて逃げた卑劣漢と思われても仕方がないのだ。偉そうに講釈を垂れる筋合いはない。

 じゃあ、これで最後だね。何かあったら連絡は頂戴ね…と言って、握手して別れを告げた。


 一時期は毎日怒号が飛び交うようなに荒れた部門だった。

 なんとかしなければと言う使命感のもと、いろいろな改革をした。業務の一極集中を避け、コミュニケーションの改善のために、バカな話をたくさんしたし、時には真剣に討論もし、喧嘩もした。

 約1年かけて雑談のない日はなく、笑いが絶えないような部署に変えることができた。これは、私の中で大きな自信になった。ふふ…笑い声が大きすぎて怒られる日が来るなんてね。当時やめていった人が聞いたらどんな顔をするだろうか。

 ともかく。

 私の最終出社日は、これで終わった。劇的なエンディングがあったわけではない。ごく、ふつうの、あっさりした終わりだ。現実なんてそんなもの。

●おわりからはじまりへ

 さて、次だ。

 生きていくためにも、人生を楽しくするためにも必要な次の「仕事」が待っている。約2週間の秋休み。アレも調べなきゃいけないしこれも調べなきゃいけない。界隈の勉強会にもでてみよう、そういえばもうアドベントカレンダーの季節。大掃除やこれまでの仕事の整理もしなくちゃいけない。

割と忙しい。

終わったことは終わったこと。

得たこと、学べたことを取りまとめ、それを材料に次を生きていくのだ。

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 …と言うには大仰にすぎるが、でんせつ級の何かを成し遂げるためにも、退職記録としてはこれで一旦終了としたい。

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 ここまで読んでくれた方、お付き合いくださった方。本当にありがとうございます。

 本当ならもっと有用な「情シスの退職」時に気をつけるべきポイントや、こういう事件にはこう対処していきましょうというような情報を共有したかったのですけれども…こんな事になってしまいました。

 結果的には「情シスの退職としては失敗」というケースをつらつらと書くことになってしまいました。客観的・事業継続的には明らかに失敗ですけれど、実は、筆者自身は成功だったなあと思っています。
(これはいつか、語ることができるときにでも)

 このnoteの更新はあと1、2回になります。

 今回の騒動でこうすればうまく言ったかもしれないということと、私が「なんで成功だと思ったのか」をちょっとだけ書いていこうと思います。

 もう少し、お付き合いいただければと思います。もし質問等々あれば、コメントやTwitterでいただければと思います。(匿名で質問したいという場合にはDM等をご活用ください。晒し上げたりはしませんので)

 ではまた、お会いしましょう。ありがとうございました。


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