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ネガティブキャンペーン、はじまる

< 退職まで 19 日 >(実質 3 日)

●この道を行けばどうなるものか

 私が入社してから数えて、ざっくり60番目くらいの退職者となる。3年で60人、1年で20人を見送ってきた。離職率としては高い方であろう。

 数多の退職者たちの9割は、社長直々のネガティブキャンペーンにさらされる。最初から喧嘩腰だった人間はともかくとしても、退職時期の交渉に従わなかったもの、有給消費を拒んだもの、副業を断ったものなどなどは、最終出社日を迎える前から「あいつはダメなやつだ」「裏切り者だ」「男らしくない」等の誹謗中傷を現場に吹聴するというのは常である。

 もちろん、めでたく私もその対象となったようで、本日部内の人間を呼び集め、1時間たっぷりネガティブキャンペーンを行ったと言う話を聞いた。

 それでも、社長室に6時間ほど軟禁されて面罵されるよりはマシであろう。これ以上、私に関わりさえしなければ何でも良い。

 この道を行けばどうなるものか…か。きちんと引き継ぎできるような「道」を敷いたつもりが、レールに乗せる前に脱線させてしまったことそのものは、やっぱり悔いが残る。影でコソコソ悪口や人格否定をされるのも、業腹ではある、が、まあ、うん、知ったこっちゃないのだ。そっちがそのつもりなのであれば。

●引継ぎ作業

 大急ぎで最低限の仕組みの移植を終えはしたのだが、前任時代から問題であった部分が甘かったり、私の仕込んでしまったバグが露見したりとなかなかエキサイティングな2日間を過ごさせてもらった。やっぱり開発は楽しいなあ。

 一通り落ち着いたところで、システム上の特権管理権限を粛々と外す作業を行った。それ以外にも、情シスという立場から持たざるを得なかった管理権限を一つ一つ外していく。一作業ごとに心が軽くなるわけもなく…きちんと引き継ぎをしたかったなあという後悔だけが重くのしかかる。

 が、感傷に浸ってる暇はない。あと実質3日で縁を切るためにも、やるべき最低限のことをやるのが、私のプライドだ。

●残作業

・退職手続き(PC返却・アカウント削除)

 物理出社があと2日、リモート出社があと1日。何事も…起こらなければいいと思う反面、ここまで来たらなにか面白いことでも起こってしまえとも思う自分がいる。

 労働局への相談に行くのも良いかもしれない。人生経験の一つとして、ふらりと行ってみようかなとも思うが…それで同僚もダメージを受けるのは本意ではない。まずは、今は、何もしない。Be cool.


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