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読書記録

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【読書記録】壇俊光『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』

【読書記録】壇俊光『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』

壇俊光『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』
NextPublishing (2020/4/24)

映画を見たかったのに見ることができなかったWinnyの本がunlimitedで読めると知り、今読んでいる銀河英雄伝説を中断して慌てて読んだ。本書がunlimitedで読めるとたまたまRTで流れてきてよかった……!

事件当時の壇先生のブログを小説形式にしたとのこと。そのため全体的にくだけ

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【読書記録】畑野智美『水槽の中』

【読書記録】畑野智美『水槽の中』

畑野智美『水槽の中』
角川文庫 2022/3/23

高校2年生の1年間を描いた青春の物語。
読了した瞬間にこちらが照れてしまうほど胸がいっぱいになってしまうほど、瑞々しく青春の1年間が綴られた一冊だった。
話したことのない憧れの先輩、仲のいい4人組、それでも3人になることはない組み合わせ、一度喋っただけのクラスメイト、好きな子って誰と友達同士で交わす会話、ありふれているからこそ胸に響く青春の要素

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【読書記録】『パッとしない子』

【読書記録】『パッとしない子』

辻村深月『パッとしない子』
Amazon Publishing 2017/7/14

辻村深月さんは『凍りのくじら』を読んで大ファンになりました。好きな作家と聞かれると、東野圭吾・池井戸潤と並んで出す名前です。しばらく本自体に手を出していなかったのですが、最近時間があるのでkindle unlimitedにあるものを読み漁ろうとし、「辻村深月あるじゃん!」と手に取りました。

最後まで読んだ瞬間、

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【読書記録】『AX アックス』

【読書記録】『AX アックス』

伊坂幸太郎『AX アックス』(角川文庫)
2020/2/21

殺し屋を引退したくなった殺し屋(妻子あり、なお恐妻家)の物語。片面的スパイファミリー。

AX(アックス)ってなに?と思ったけれど、言われてみれば斧だった。『All you need is kill』のバトルアクスのことを思い出した。

最初はなんの話?とあらすじに戻ってしまい、やっぱり分からず読み進めるしかなくなってみれば、裏では業

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【読書記録】『シャンデリア』

【読書記録】『シャンデリア』

川上未映子『シャンデリア』
2017/1/11

掃いて捨てるほどお金があって、デパートでなんとなく浪費する「私」。以前は通帳の65万円に重みを感じていたのに、ある日、過去のちょっとしたバイトの関係で大金を得ることになった。以来、「私」は900万円が通帳から引き落とされることにさえ何も感じない。そのくらいの大金。

母子家庭でお金に苦労して、母はいつだって安物を身に着けていて、その安物さえくたびれ

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【読書記録】最後は臼が笑う

【読書記録】最後は臼が笑う

森絵都『最後は臼が笑う』
amazon publishing 2018/1/23

恋愛短編、と銘打ってあるけれど、これはいわゆるショートショート。確かに友人の恋愛相談から始まる物語だけれど、悪いヤツの絶妙な悪さがリアルで、そしてオチの秀逸さがあまりにも爽快。
最後は一緒に拍手したくなる。私も電車に乗っていたら、きっと拍手する。笑

【読書記録】朝井リョウ『何者』

【読書記録】朝井リョウ『何者』

朝井リョウ『何者』
新潮文庫2015/7/1

映画化されてなんとなくずっと気になってた『何者』がunlimitedにあったので迷わず手に取った。ネトフリにもあって見たいな~と思いつつ見ないままだったので読めてよかった。著者、『桐島、部活やめるってよ』の人だったのか(例によって読んだことないので読んだほうがいいんだろうな……。)。

多分、大学1年生のときに読んだら面白かっただろうな、一言でまとめ

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【読書記録】浅田次郎『天国までの百マイル』

【読書記録】浅田次郎『天国までの百マイル』

浅田次郎『天国までの百マイル』(新装版)
朝日新聞出版 (2021/4/7)
※初版は1998年12月

まさしく「魂が震えるような感動を味わう」名作。
最後の2割は読みながら涙が止まらなかった。
ストーリー設定はベタベタなのに、なぜかページを捲る手を止められない。小難しい表現はどこにもないのにこんな話は誰にも書けないと思ってしまう。偉大な母、奇跡と勘違いしてしまうほど懸命に命を守る医者、愛してる

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