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しょうもな黒歴史②(短編/エッセイ)
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そういえばこんな事があった。
今思い出すと恥ずかしくて笑えてしまう。
閻魔帳みたいなモノを作った事がある根暗な読者はいるだろうか?ほら、いつどこで誰に何をされたみたいなアレである。
怨みノートみたいな奴だ。
私はある。
小学校低学年の頃だっただろうか、餓鬼の頃の私は人間だかケモノだかよくわからない代物で、恐らくは大分知能も劣っていたと思う。
ただ、そんな餓鬼でも悪口を言われたりし
黒歴史①(短編/エッセイ)
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別に不幸自慢という訳ではないが、私はこれまで他者と比較して相対的にろくでもない人生を送ってきたと思う。
だがそれは、突発的な不幸が原因というよりは不幸になるべくしてなったというべきだろう。
何せ父親からして盆暗である。
元暴力団員という経歴を持つ父の右手は指が数本欠けており、これは要するに、彼がそれだけ能力にも欠けている事の証左でもあった。
暴力団員が指を落とすというのは、それはすな
常識的に考えろ、と王太子は言った。(短編/異世界恋愛)
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黄昏が翼を広げ、ホラズム王国を包み込む。
この日、ホラズム王立学園の広いホールには常に見られない賑わいがあった。
ホラズム王立学園は貴族の子弟と平民の子らが共に学び成長する学び舎で、この日は卒業パーティーの日だ。
ちなみに王立学園では身分差を超えた教育が施され、すべての生徒が平等に扱われるとされているが、それは建て前に過ぎない。
両者は生態が違いすぎるからだ。
貴族