読んだり観たり聴いたり。

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最近の記事

逆ソクラテス

『逆ソクラテス』伊坂幸太郎/著 子どもが主人公の短編集。伊坂幸太郎作品。 表題作「逆ソクラテス」は先入観がテーマということで期待大で読んだけれど、期待を裏切らない鮮やかさだった。”教師期待効果”も絡めて、期待される人とされない人の成長を説き、先入観と闘う子どもたちが輝いていた。 「逆ソクラテス」で好きだった言葉はここ。 顔を洗って、ちゃんと自分の目で見てみろ。大人たちの先入観に負けなかったぞ、(p.61) 冒頭の野球のシーンの伏線も綺麗に回収されてすっきり終わって面白か

    • グッドバイ

      太宰治の未完作品が原作、大泉洋主演の映画。昔から純文学や文豪の作品を全然読んでこなかったのだけど、これは大学の時の先輩の話がきっかけで読んだことがあったから上映当時から気になっていて、でも観に行けなくて、今回初観賞。 原作が結構序盤で絶筆になっていてどうなるのかなって見始めたら結構忠実に描かれていた。小池栄子の烏声の演技、聞いた瞬間驚愕した。俳優ってすごい。あの美しさと声のギャップ。キヌ子を体現していたなあ。 後半、映画オリジナルの部分はストーリー知らないから、どうなるの

      • 棚からつぶ貝

        イモトも強い女性でかっこいいんだ、実は。 読んでいくと、目立つのが好き、注目を浴びたい、みたいな性格だと書いてあって、ああ真逆だなあ。。と思った。だからかもしれないけれど終始ワクワクしながら読めた。イッテQの裏側も垣間見れたりしたのも興味深かった。 イモトだけでなく、エッセイで紹介してる人も負けず劣らずパワフルで強い。例えば海外コーディネーターのケイさん。 「やるべきことをやりたいことに瞬時に変換できる人で、仕事もプライベートも目の前のことに全力投球できる」(p.106

        • マイ・インターン

          観たい観たいと思っていてなかなか機会を作れていなかったけれどやっと観れた。これは何回も見たくなるだろう映画。 アンハサウェイ演じるジュールズ超かっこいいじゃん。憧れの強い女性。だけどちゃんと人間味もあって素敵。 成功している会社だからそれまでもみんなの努力で成長してきたんだろうけどベンが入社したことでより滑らかに物事が進んでいくのも素敵。会社のこと、社員のこと、お客さんのこと、全部全力で考えてるジュールズ見てると仕事がんばろうって思えた。ドレス間違えてしまった お客さんに無

        逆ソクラテス

          砂漠

          『砂漠』伊坂幸太郎/著 麻雀にちなんだ名前の不思議な大学生5人の学生生活を描く。大学生活への期待が滲んでる1回生の春、海へ行った2回生の夏、3回生は秋の学祭、4回生の冬でラスト。 章立てされてるけど、よく見かける章ごと特定の人物に焦点を当てて最後に伏線を回収するみたいな感じではなくて、あくまで僕、北村の目線で鳥瞰的にストーリーが進んでいくのが今の自分に心地よくてよかった。でも登場人物は誰もキャラが立っていて、メインだけでなく脇もがっちり固められていて、よりリアルな学生生活

          3冊の本とTwitter

          『京都で考えた』 吉田篤弘/著 非日常へ意識的に行くこと。非日常で考えること。内と外の境界に身を置くこと。京都は水の街だということ。 新しい考え方、自分を見つけ直すきっかけがたくさん転がっていて拾いながら読んだ。 最後の掌編は「考える」きっかけをくれる宿題みたいな感じがした。マルヤマの理想の世界に「 "悲しいこと"があること」というのが気になって、そこからいろいろ考えてみた。 悲しいことがある世界が理想と考えることに違和感を覚える自分は世界には悲しみがない方が幸せだと思って

          3冊の本とTwitter

          アイネクライネナハトムジーク

          もともと原作を読んでいたのと、監督が今泉力哉監督だったのとで興味はあったけれど見逃していた作品。 まさか作詞の代わりの短編小説とそれから生まれた楽曲が元だったなんて。観賞後に知って驚き。 この映画を観てしまうとああいう運命的な出逢いを期待してしまう。たくさんの登場人物のほんのり小さな恋が生まれていくのはすべて出逢いからなんだ。出逢いと恋と人生。 運命的な出逢いかどうかはわからないけれど、あとから振り返った時にその幸運に感謝できるか。そんな出逢いができたら幸せだ。 小説同様

          アイネクライネナハトムジーク

          滅びの前のシャングリラ

          『滅びの前のシャングリラ』/凪良ゆう 著 凪良作品『流浪の月』、『わたしの美しい庭』読後の3作目。 ちょっと歪な家族の物語。世界の終焉に、人はどう生きるのかーー。 それぞれの「理想郷」4章に分かれていて、それぞれ息子、母、父、歌姫の視点で書かれている。恥ずかしながらそれぞれの章のタイトルの言葉の意味を理解していなくて調べてみると、最後の「いまわのいわ」以外は、「理想郷」。番外編の「イスパハン」は作中に登場したお菓子の名前。マカロンにクリームが挟まっているような。 世界の終

          滅びの前のシャングリラ

          相棒 劇場版Ⅳ

          お正月に録画した相棒 劇場版Ⅳ。公開時に映画館で観たけれど久しぶりにもう一度。 平和とは? 日本では当たり前すぎて私たちは何も考えずその存在を意識することなくただ享受しているだけだと感じた。それと同時に「平和」であることは日本人の誇りになり得る。無意識の誇り?この矛盾にすら違和感を感じなくなる程? IIIでは国防と平和がテーマだった。確か、平和ボケしたこの国、と犯人が言っていた。 Ⅳはさらに「平和」にフォーカスし、戦争という凄惨な経験からこの国に問いかける。 当たり前にあ

          相棒 劇場版Ⅳ

          逃げるは恥だが役に立つ 〜ガンバレ人類!〜

          遅ればせながらお正月スペシャルの逃げ恥を観た。放送前は楽しみで仕方がなかったはずなのに、リアタイできずネットの感想を薄目で覗いてみたら、これは観るのに気力が必要かもしれないと。ゆっくり観れる週末まで待ってやっと視聴。 見終わった今も胸がきゅうとなっている。妊娠から出産までの不安とすれ違いの時の2人を思うと苦しくなって、娘の成長に立ち会えない平匡さんを思って切なくなって、パートナーが側にいない不安を抱えながらも子育てに奮闘するみくりの強さに目頭が熱くなって…。 特に妊娠中はみ

          逃げるは恥だが役に立つ 〜ガンバレ人類!〜

          八月の銀の雪

          『八月の銀の雪』 伊予原 新/著 『月まで三キロ』の作者が新刊を出したと聞いて手に取った本。前作の舞台が静岡だったから、勝手に作者は静岡の方かと思っていたけれど大阪の方だった。前作も理系の世界の小難しい感じを全然感じさせず没入して読めたけど、今回も裏切らない作品。 表題作「八月の銀の雪」がやはり印象に残る。タイトルからはどんな話かわからなかったけれど読み進めていくと意味がちゃんとわかるし、どんどん読めて綺麗に終わるちょうどいい長さだった。 人間は遠い遠い宇宙へ行こうとする

          八月の銀の雪

          えんとつ町のプペル

          2021年初映画はえんとつ町のプペル。 1月2日にナイトショーで観に行った。 絵本は昔読んだことがあったけれど、細かい内容は覚えていなくて、初見のような気持ちで上映を迎えた。 正確でないかもしれないけど、印象に残ったセリフ、「僕の未来を勝手に決めるな」。 昔、人の気持ちを推し量りすぎて、「あなたはこう思ってるでしょ!?こうに違いない!」って突っ走ってしまうことがあった。その時に似たような言葉を言われたことがある。 当時を思い出して改めて刺さった。 ルビッチの、わからないこ

          えんとつ町のプペル

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          2021年、新しいことに挑戦したい。 今までの自分の世界から出て新しい世界を知りたい。 来年は未知のものにたくさん出会いたい。 そのアウトプットの方法としてnoteを選んでみた。 自分の好きなものや、新しく出会ったもの、経験を書いていこうと思う。 できれば週1回は更新したい。 文体もテーマ選びも探り探り。 とりあえず考えているテーマは ・聴いた音楽 ・読んだ本 ・観た映画 インプット量を増やしたいジャンルたち。 今までSNSは見る専門で、自分から何かを発信することはなか

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